小指ほどの鉛筆

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☆ハロウィン吸血鬼パロ。(ガル+大佐)☆

2009年10月31日 22時57分12秒 | ☆小説倉庫(↓達)
・ガルルが新米神父です。
・大佐が世間知らずの吸血鬼です。
・全体的に「コイツ誰。」状態です。
・や・お・い☆な三要素揃ってます。



滑り込みセーフ!!!


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やけに月の綺麗な夜だった。
聖母を描いたステンドグラスは、その明かりを受けて輝く。
戸締りは下っ端の役目で、神聖な教会にもそんなシビアな仕来りがあるのだな、と、
そう感じたのはもぅ、ずっと昔のことだった。
夜は冷える。白いケープで覆った肩をも震わせて、ガルルは白い溜息をついた。
扉を閉めて鍵をかければ、後は家に帰るだけだ。
一般人と何も変わらないこの生活の何所に、自分の信じた教えは反映されるのだろう。
この教会に通うことの無い人々だって、優しくて穏やかだ。
信じれば救われるというものではないだろうに。
空を仰げば、見事な月が地上を照らしている。
万人の為に降り注ぐ光から憶測するに、この世界は平等なのだろう。
わざわざこんな大層な建物を作る必要なんて無いのだ。
「・・・ん?」
そんな理屈を述べながら見上げた教会に、人影が見えた。
すらりと高い、漆黒のシルエット。
そんなはずはないと、目を凝らす。
この教会は二階建てになっている。上の階と下の階は吹き抜けになっていて、上にはパイプオルガンが置いてある。
普段はあまり聞けるものではないが、形式に沿った形なのだろう。
その音がよく反響して聞こえるのも、つまりはこの建物がそれだけ高いという事。
屋根に上るなんて、そんなことは不可能だ。
鐘を鳴らすのにだってロープを使うのだ。梯子なんて何所にも見当たらない。
「そんな、馬鹿な・・・」
やけに長い台詞を呟いてしまったのも、まさかそれが本当に人間だとは思わなかったから。
しかし、満月に照らされた人影は、不意にガルルの方を向いた。
月よりも少しだけ鈍色をしているだろう髪が、その光を受けて金色に光る。
不思議な気分だった。自分は今、何を見ているのだ?
うっかり夢でも見ているのではないか?
赤い瞳が、ガルルを見つめた。
あぁ、奴は天使なのか、悪魔なのか、男なのか、女なのか。それすらも分からない。
「Bon soir」
天井から降ってきた声が何を言っているのか、頭では分かった。知っていた。
けれども、思考が追いつかなかった。
「Buona sera かな?」
よく通る声がガルルに問いかける。
声質からして、男のようだった。
「こんばんは・・・?」
「うん。こんばんは。」
透き通る声。
心地よいバリトン。テノールとバスの中間だ。
天使かもしれない。
「綺麗な満月だね。」
「え、えぇ・・・」
親しげな声は、それが確かに生身の人間だと知らしめる。
どうして彼はココにいるのか。
いつから?
何のために?
どうして自分は、動けないのだ?
「君は、この教会の人?」
紛れも無くそうだ。握り締めた鍵が、示している。
「まぁ。」
すると彼は、急に歩き出した。
もちろん屋根の上を、だ。
「ちょ、ちょっと、危な・・・!!」
「へーき。」
声は先程よりも弾んでいて、何処か楽しそうで。
にんまりと笑った様子が、月明かりの逆行を受けても分かった。
悪魔かもしれない。
本当に、自分は今、いったい「何」と対話しているのだろう。
ガルルは戸惑う。
同時に、暫く忘れていた好奇心が、覚醒した気がした。
「教会の人って、皆堅苦しくて融通が利かないものだって思ってた。」
あながち間違いではない。
自分も以前はそう思っていたし、事実そうなのだろうから。
「でも、違うんだね。君はとっても面白そうだ。」
「そうですか・・・?」
どうして普通に会話をしているのだろうか。
屋根から降りるようにと注意すべきではないのか?
自分は早く家に帰りたいのではないのか?
それともこれは、夢なのか?
「そこからも、月は見える?」
「・・・えぇ。」
「じゃあ、そっちに行くよ。」
音も無く地面に降りた彼には、重力の影響が及んでいないようだった。
翼は見えない。けれどもどこか天使や悪魔に近いような、そんな気がした。
ただしそれよりもずっと人間らしくて、ガルルを更に混乱させる。
「はじめまして。」
ガルルの前に立ち、彼は恭しく礼をする。
その仕草は自然で美しい。
暗闇に慣れた瞳で見れば、質の良い髪はライトブラウンだ。
彼は顔を上げると、にっこりと笑った。
ガルルの髪から足までをじっくりと観察して、それから急激に距離を縮める。
鼻が触れ合いそうな位置にまで詰め寄られ、ガルルは声が出なかった。もちろん行動なんて出来るわけもない。
よく見れば、彼の目には眼鏡がかけられている。
瞳の色はルビーのような赤。
全体的に出来の良い顔をしていた。つまりは、美形だ。
いや、そんなことを確認している場合ではないのだが。
「あ、あ、あの・・・!!」
慌てて距離を取ろうとしたガルルの腕を、彼は強い力で握った。
遠慮も躊躇いも少しとしてない、まるで子供のような好奇心をそのままにして。
「綺麗な目をしている。それに、これ。」
白いケープを留めていたクロスのブローチを指で指し、彼は目を輝かせた。
「とっても綺麗。ペンダントも同じ形をしているね。」
屈託の無い笑顔に、虚を突かれた気がした。
「クロスを知らないのですか?」
「クロス?十字?」
彼は首をかしげて見せた。
本当に。何も知らないのか。
もしかしたら、どこか違う土地からやってきた人なのかもしれない。
そこにはこんな文化が無くて、知らないのか。
しかしそれも可笑しな話だ。
もしこれが本当に神の御意思であるならば、この世界どこでだって、共通して同じことをしているはずなのに。
「これは神聖なものなんです。悪魔除けにもなりますし、吸血鬼除けにもなります。」
森を抜けたところには、大きな古城があった。
そこには古くから吸血鬼が住み着いているとの噂もある。
過ぎた時代の妄言に過ぎないとの高をくくるのもどうかとは思うが、ガルルはあまり信じてはいない。
昔から、変に冷めているところがあったものだから。
「ふーん・・・変だなぁ。」
「変?」
先は綺麗だと言ったくせに。
幾度も首をかしげる彼の方が、ガルルから見れば異端だった。
「だって、僕はこれ、綺麗だと思うよ?」
「は?」
綺麗だから、何が変なのだ。
悪魔や吸血鬼が苦手とするくらいだから、おぞましい物だとでも思ったのか?
「綺麗で神聖だからこそ、邪悪な者はそれを苦手とするのでしょう。違う土地の方は知らないかもしれませんが。」
彼は、再び不思議そうな顔をした。
ガルルはだんだんと不安になってきた。
この土地で通用する理屈は、外では通用しないのか?
言葉が通じなかったわけではないだろう。
「ねぇ、君はさっきから吸血鬼が邪悪だとか言ってるみたいだけれど・・・」
キョトンとした様子で、彼は続ける。
「それならどうして、僕らはこうして話しているの?」
「・・・え・・・」
「僕、吸血鬼だけど。」
「・・・」
「・・・」
どうして月夜に現れたのかとか、
どうして屋根の上にいたのかとか、
そういう疑問は、ここで解けた。
「え・・・ええええぇぇぇぇぇぇ!!??」
では何故、彼は教会にいるのだ?
どうしてクロスを気に入ったのだ?
どうしてこんなに、嬉しそうなのだ?
それよりも!!自分はどうしたらいいのだろうか・・・
「君は怖がらなかった!僕と話してくれた!人間って、凄く素敵だ!!」
いや、見知らぬ男一人で人間を評価されるのは、荷が重い。
彼はどうかしている。世間知らずで、怖い物無しで・・・
不思議と、怖くは無かった。
どうしたことだろうか。自分はどうやら、彼を朴っては置けないらしい。
これこそどうかしている。
「私一人で人間を判断しない方が良いです。吸血鬼は、人間の敵ですから。」
「敵?」
「貴方方は、私たちの血を吸って生きているのでしょう?」
伝説で無いのなら、きっとそうなのだろう。
食事をしに来たのか?
「誤解だよ。僕の祖先は、元祖の吸血鬼に咬まれて吸血鬼になった。それだけ。食事はしなくても平気だし、永遠に生きるけど、そのために血を吸わないと生きていけないわけじゃない。仲間を作るため、もしくは永遠に共に居たい人が居るから、血を吸うんだ。」
それを聞いて驚いた。
まさか目の敵にしていた吸血鬼が、そんなに寂しいものだとは思わなかったのだ。
「それでもね、死んでしまう吸血鬼はいる。全ての血を注ぎだしてしまえば、僕等は死んでしまう。」
それを自分に告げるのはどうしてか。
信用されているのか?それとも、今ココで彼を殺すような人間に、自分は思われているのだろうか。
「どうして・・・」
「貴方は神父さん。僕は吸血鬼。話し合えたじゃないか。僕は間違ってなかった!」
どういうことか。
何故こんなところに、彼はやってきたのか。
「すみません、少し混乱しているようです。全く整理できない。」
その割には冷静なのだが。
ガルルはこめかみを押さえて唸る。
どうやらとんでもない人と出会ってしまった。
チラリと表情を伺えば、儚げな笑みを浮かべている。
月明かりによって僅かに垣間見れる、赤い瞳が揺れていた。
「貴方は吸血鬼で・・・人を襲うようなことは無い・・・」
頷く彼が、嘘をついているとは思わなかった。
外気は冷たいはずなのに、顔が熱い。
「伯父はね、人間が吸血鬼を理解することはないって言うんだよ。だから、確かめに来たんだ。」
何でも知りたい。
書庫にある本だけでは、何も知ったことにはならないのだ。
「君は素敵だ。そのクロスに僕等を滅する力は無いけれど、それだってとても素敵だ。」
初対面の人に、これだけ賞賛されたのは初めてのことだった。
ガルルは吐き出す言葉を失い、彼は相変わらず笑っている。
勘違いなのだと、そう言うことさえ、酷な事に思えた。
残酷なのは自分達の方だろうに。
彼らは森の奥で耐えていたというのに。
今自分が彼を軽くあしらうことなど、出来ようか。
「・・・名前は。」
「名前なんて、必要じゃないんだ。でも、そうだなぁ・・・君が必要だって言うなら、ヴァンプとでも、ヴァンピアーとでも。何でもいいよ。」
それは納得のいく答えではなかったけれど。
「私はガルルといいます。えっと・・・ヴァン?」
微笑んだ彼が・・・ヴァンがとても嬉しそうだった事で、何もかもがどうでもよくなった。
魔術よりもずっと性質の悪い、何か強いものに絡め取られてしまったようで。
それがなんなのか、ガルルはまだ知りはしない。
「あの古城からじゃ、木が邪魔で月がよく見えないんだ。ここはとても素敵。また来てもいい?」
「夜中になら。あぁ、昼間は苦手ですか?」
「うん、ちょっと。それじゃあ、また。会えてよかった。」
分かり合えないなんて嘘。
証明させてみせる。
「あ、あの!」
「んー?」
背を向けて森の中へと消えようとしたヴァンパイアに、ガルルは思い出したように声をかけた。
ケープをいそいそと外し、その下にかけてあった、シルバーのクロスを掴み取る。
「もしよければ・・・持っていてください。」
「・・・いいの?」
神聖なものだとか、大切な物だと聞いていたけれど。
「えぇ。」
彼が、純粋な生き物だと知ったから。
こんな無垢な人にこそ、これをつけていて欲しいと思ったのだ。
ヴァンパイアの手がスッと伸び、ガルルの手からそれを受け取る。
微かに触れた指先は驚く程に冷たく、人種の違いを思い知らされた。
「ありがとう。」
首にかけたクロスはキラリと光り、彼の輝きを増す。
月夜の晩にまた会おうと約束して。
一夜の出会いは幕を閉じた。
夜空を見上げずに家路を歩いていれば、もしかしたらこうはならなかったかもしれない。
偶然に会えたのは、運命か。
神様。
神様。
もしいるのでしたら、
神様、一つだけ、
叶えて欲しい願いがあるのです。
貴方を信じるまでに至らなかった正直な私と、
私を信じた純粋無垢な彼とを、
どうぞ、幸せにしてくださいますように。

―月夜の晩に・・・―


ねぇねぇ、君なら聞いてくれるの?

2009年10月31日 22時08分18秒 | ☆Weblog
♪死んで花咲くわけじゃないし
 泣いて暮らせどダメダメダメダメ。

もがいて生きても花は咲かないでしょう。
私はきっと、死んで花咲く人間だと思うのだ。

それでも生きているのは、蕾さえもつけてはいないから。

美の巨人たちで速水御舟の「墨牡丹」をやっているのですが、凄く好きです。
かっこいい。この人の絵が、凄く好きだ。
しっかりしているのに、淡い。墨の本質を掴んでいる。それまでのどの絵具よりも素晴らしい。

友人からメールが来た。
彼は何を求めて、私を尋ねるのか。
電子の扉を叩くのだ。
叩き続けなさい。求め続けなさい。そうすれば、与えられるのです。
私はすぐに開けてしまうから、きっと有り難味が足りないんだな。
彼は何を求めるか。
安らぎか、安心感か、慰めか、同情か、優越感か、過去か・・・
私は彼から、安心感が欲しい。
同時に、過去が欲しい。
彼は何を求める。
それを私は、与えることが出来ているのか。
何も考えずに、あの頃の私でいられたら、
そうであれば、彼の欲しい物は、全て与えてあげられるのに。

死んで花咲いたならきっと、私は沢山の人に愛してもらえるだろうに。
その時私が遺せるものなんて、目に見えないものばかりだけれど。
過去と優越感だけ、彼に遺しておいてあげたいんだ。


ハロウィン小説、書き終わらん。

失敗

2009年10月30日 18時42分43秒 | ☆Weblog
どうしたことだろうか。
黙っているのと無視しているのでは違うのに。
黙っているから興味が無い訳じゃなくて、
自信が無いから黙っているんでしょう?
性質の悪い内向者。
ふっ切れない臆病者。
一人は嫌だけど、私は人を選ぶ。
うっかり間違えた。
八方美人は嫌われる。
あっちこっち。形を変えた私は、非情者。
時と場をわきまえられない程、馬鹿になったつもりはなかった。
関係なくったって、邪魔をするつもりはなかった。
少し、あの子に似ていた。
私を孤独にしなかったあの子。
でも、あの頃のように私は、皆に愛されてはいないのだ。
どうして。どうして。
失敗ばかり。
こんな時に限って、しくじった。

させるか!!

2009年10月30日 08時34分34秒 | ☆Weblog
風邪をひいたのですけれど…
鼻と喉なので、インフルエンザの可能性は無い、かな。
帰ったら耳鼻科に行ってきます。

授業変更、うろ覚えだったので体操着だけ持ってきたけど、
ジャージ乾いてねぇ…orz
そしたら案の定授業変更^p^
泣くぞ。
金曜日は体操着にならなくて良いから魅力的なのに。

きーやんv

2009年10月29日 18時03分03秒 | ☆Weblog
谷山紀章は素敵ですね^^
姉貴曰く、この世界に来てくれて良かった。
やっぱり声優が本業ということもあって、感情を込めて歌うのが上手いです。

グランロデオのアルバム買いました。
正確には、姉貴が発売日に買ってきてくれたんですけど。
その店の最後の一枚だったそうで。
早速mp3に入れましたよ。
元よりtRANCEとmodern strange cowboyが好きだったのですが、カナリヤにハマりましたよv
好きだなぁ…(^^*)
今回の収録曲は歌詞を全部谷山さんが担当しているそうです。
曲付けも全部同じ人だとか。
姉貴情報なので詳しくは分かりませんが、なんだか豪華ですね。

風邪をひきました。
周りも風邪が多い上に、インフルエンザも流行っていますよね…
体調管理を徹底せねば。

ハロウィンですが。

2009年10月28日 20時56分57秒 | ☆Weblog
何か書きたいなぁ・・・
と思ったので、神父と吸血鬼パロをガル大で書こうかなぁ・・・と思ってます。
ただ、今週土曜日に模試で・・・
金曜日も委員会で、明日もそうだった気がする。
書く暇無いんですよね。
この記事書いている間に書けるかな?
ちょっくら執筆しときます。

ガルルが入りたての神父で、大佐が古城からやってきた世間知らずの吸血鬼っていう設定です。
なんというとんでも設定^p^
起承転結も何も考えてねぇよ!!でも書きたいんです!!
いせ様が日記に書いていらしたのを見て、物凄く滾ったんです!!←
是非いせ様の吸血鬼パロも見てみたいです。

学校、またインフルエンザが流行ってきているようです。
注意しなくては。
いろいろと忙しい季節。やってられない。

痛い。

2009年10月27日 17時27分07秒 | ☆Weblog
胸が痛い。
胃が痛い。
吸った空気が冷たい。
時が戻れば、もっと上手く話せたのに。
もっと優しくなれたのに。
いつだってそう。私は水面下で足掻いている。
気付かれるのは恥ずかしい事だと思って、ずっとそうしてきた。
どうしてあの日、足を外に出してしまったのだろう。
馬鹿みたいだ。
自分なんて、と。
その日から、楽しいことも、そうとは思えなくなったのです。

予感が夢見る

2009年10月27日 07時52分41秒 | ☆Weblog
夢を見た。
いつものように過ごす私は、あの子とはしゃいでいて、
懐かしさも何も感じず、ただただ、楽しかった。
彼女がやってきて、私は怯んだ。
私はとても辛くて、不安になった。
彼女は私の手をとった。
ぎこちなく、それでも確かに、
親しげに名前を呼んでくれた。
嬉しくて、楽しくて、
それなのに、その夢は、夢の中でも夢だった。
絶望と、諦めと…
分かっていたのに。
願望はワガママなままで、未だに私を苦しめる。