先週、野球の国際大会である「プレミア12」なる大会が終わった。ご存知の通り日本(SAMURAI JAPAN)は快調に勝ち進んだが、準決勝の東京ドームで韓国相手に衝撃の逆転負けを喫し、3位に終わった。
言われつくされている批判ながら、「日本マネーによる日本主導の大会」「そもそもMLBがそっぽを向いている」「11月にやるのは選手生命を脅かす」「真面目にメンバーを組んでいるのは日本・韓国・台湾だけ(当然、メジャーリーガーは不参加)」「当該国以外の試合はガラガラ」「6チーム中4位に入れば決勝トーナメントに行けてしまう」などの数々の批判があるが、野球の国際的なプレゼンスの弱さからしてしょうがないといえばしょうがない。MLBが「USAシリーズ」と呼ぶべき大会を「ワールドシリーズ」などという不遜な呼び方に固執する以上、野球の世界的発展は望むべくもない。
そんな大会でも「日本のオールスターが世界に挑む!」という構図で優秀なコンテンツに仕上げたいのが日本の放送局(TBSとテレビ朝日)。散々「野球の世界一決定戦!!」という宣伝を打ちまくって煽りに煽ってきたのであるが、準決勝で日本が姿を消した瞬間、土曜の夜に予定されていた決勝戦の生中継を深夜枠(しかも、かなり地域限定で、かつカットしまくりの短縮版放送)に飛ばし、やる気ゼロのメキシコ相手の日本の3位決定戦を生中継って、これまで散々煽ってきた「世界一」って何やってん!最後まで見届けて、野球世界一の瞬間を伝えるのがメディアとしての当然の覚悟ちゃうんかい。(商業的には・・・って常識的反論は理解したうえです)なんかすごく違和感を感じてしまった。
だから野球の国際大会ってあかんのちゃうの?あんたたちが意味のないバブルを膨らませているだけで、本質を全然直視していないから「マスゴミ」とかいわれるんちゃうんかなあ。
最後に、今回の大会をについてサッカーファンとして感じたこと。
準決勝敗退の瞬間に「小久保監督解任論」が渦巻いた。確かに采配がまずかったのは事実であり、私も小久保ではいけないと思う。しかし、1試合を落としただけでこれが起きるのは「日本に強豪国としてのプライド」があるからであり、これが日本野球の底力だと思う。サッカーのブラジル代表が大事な試合を無様に落とした時、きっとこれに匹敵する(いや、それ以上か)怒号の嵐が吹き荒れるはずである。これを受け止めてブラジルは世界の頂点レベルにい続けることができる。
振り返ってみれば日本サッカーはどうだろうか。日本代表に厳しい目線はあるか?ハリルホジッチに面と向かって文句を言える主要メディアはいるのか?私の知るかぎり、1997年のW杯フランス大会予選で韓国に逆転負けを喫した翌朝の1面大見出しに「加茂(監督)腹切れ」と大書した東京中日スポーツだけである(注:正確には観客の声を引用したということであるが、これを掲載するにはかなりの覚悟がいると思う)。