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ようこそ!奈良大学国文学科へ!!

奈良大学文学部国文学科の日々の出来事を綴っています。
特色ある授業の様子や、学生や教員の活動ををご覧ください。

チョコレート語訳「みだれ髪」

2009-07-09 10:47:00 | 授業をのぞいてみた
近代文学概論の授業で、与謝野晶子「みだれ髪」のチョコレート語訳を作りました。
教員が、選んだ候補作品10首のなかから、みんなの投票の結果、選ばれた作品です。

もとの歌と、上位作品です。

一、その子二十櫛にながるる黒髪のおごりの春のうつくしきかな  与謝野晶子

超キレイ 彼氏セレブで うちモデル パーペキ人間 あたしはハタチ 超洋菓子(笑)
足をとめ ついつい見てはニコリ顔 ガラスにうつる自分の姿   沙代子
その少女(おとめ) 二十歳になってもナルシスト 流れる黒髪彼の数かな   その少女(おとめ)
わたし二十 櫛より零れる黒髪の 青き春の眩しさといったら   萩真


二、清水へ祗園をよぎる桜月夜こよひ逢ふ人みなうつくしき  与謝野晶子

祇園へと横切る道に桜散る 桜と背中で一つの絵    平上(へいじょう)
手を引かれ歩いた祇園何故かしら 世界のすべてが綺麗に見える   高城真
夜を往く五感の全て冴えわたる これって恋の副作用   匿名希望
逢う人がみんなきれいな祇園の道 きっと私が幸せだからね   天凪

三、なにとなく君に待たるるここちして出でし花野の夕月夜かな  与謝野晶子

どこそこに君の影ある気ぞすれば 咲きし花まで姿と見ゆる   姫野竹千代
なんとなく貴方の声が聞きたくて ダイヤル回せば「電話待ってた」   夏木
何となく君が待ってる夢を見て 花野へ向かう風に吹かれて   結城天正

木田ゼミ(3回生)に忍び込んでみた③

2009-07-06 22:36:08 | 授業をのぞいてみた
授業終了後の風景です。

え?授業終わってもまだ討議が続くの??

木田先生曰く、これは強制したものではなく、毎回自主的に行われているのだそう。時には夕方遅くまで続けられていることもあって、逆に心配になることもあるそうです。

奈良大生のマジメさ、熱心さがよくうかがえる風景です。



木田ゼミ(3回生)に忍び込んでみた②

2009-07-06 22:29:46 | 授業をのぞいてみた
これは本日発表に使用されたレジュメ(発表資料)です。

作品が発表された当時の時代状況から、これまでの研究動向、そして作品に対する発表者独自の解釈が要領よく記されています。

これはまだ資料の段階ですが、これを順番どおりに文章化すると基本的な論文の形になるように設計されています。

前期最後の授業にはこれを論文の形にまとめて提出!

半年の授業で論文執筆までの作業がシュミレーションできるという寸法です。

木田ゼミ(3回生)に忍び込んでみた①

2009-07-06 22:09:13 | 授業をのぞいてみた
奈良大学国文学科はどんな授業をしているんだろう?

そんな疑問に答えるべく、第1回目は木田先生担当の演習Ⅰ(3回生)に忍び込んでみました。

この授業では、太宰治の短編小説を読み進めながら、近代文学研究の基礎的方法を身につけることが目指されています。

具体的な方法ですが、参加者にはまず最初の授業で研究対象作品が割り当てられます。
そして毎時間の授業では、作品の研究・調査方法が講義されます。そして受講生は宿題として授業で学んだことを担当作品で実践していきます。
このゼミではそれを繰り返すことで、初歩から研究論文作製までを段階的に学べるようにプログラムされています。

忍び込んだこの日は、「地球図」という作品についてのゼミ発表が行われていました。
さすが前期のほとんどを費やして研究してきただけあって、密度の濃い発表でした。
それを聞く他のゼミ生も真剣に質問を発していました。

奈良近代文学散歩9

2009-06-11 21:59:57 | 授業をのぞいてみた
猿沢池近辺には文学関係の史跡がたくさんあります。
池そのものも芥川龍之介の小説「竜」(1919年5月『中央公論』)の舞台になっています。

そのほとりに建つ会津八一(秋艸道人)の歌碑です。
彼は奈良を愛し、生涯に何度も奈良を訪れた歌人でした。



「わぎもこが きぬかけやなぎ みまくほり 
         いけをめぐりぬ かささしながら」

〔歌意=天皇の愛を失った采女(うねめ)が入水の前に衣を掛けたという、その衣掛柳を見たいと思って猿沢の池をめぐり歩いた。おりからの雨に傘をさしながら。〕


今回の文学散歩は雨に降られっぱなしでした。
でもそのおかげで、八一と同じ風情が感得できたかも。

そしてもちろんこの池のほとりには、歌の示すように「衣掛け柳」が植えられています。