寝ても覚めてもインド。 <トムソーヤと冒険>

20年想いそして念じ続けてようやくたどりついたインド。私の「それから」インド日記。

ビジネス版インドの歩き方

2015年03月15日 | 日記

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今年は日本へ帰任される方が何だか多い。そしてその多くが2010年前後に赴任してこられ、4-5年の駐在を終えられた、私と「インド同期会」的な方々。

 

ひと昔は、インドへ転勤というと島流しみたいなネガティブな「進路」とも言われていたらしいのだが今や出世の石段的なデスティネーションなのらしい。今年日本へ帰任される方の中の多くが帰国後ご栄転的なポジションに就かれるのだとか。

 

企業もかつては生活の過酷さ(?)から駐在期間はたいてい3年位と決まっていて、島流しに遭った方の中に毎日カレンダーをめくりながら何とか1年余りご過ごしインド生活に少し慣れてさらに1年近くをカレンダーをめくりながら過ごし、いよいよ3年目に突入するあたりから待望の帰国準備をする、なんて後ろ向きなインド駐在員が結構いた、とインド駐在大先輩からよく聞く。

 

さてさて、画期的なインドビジネスガイドが出版された。そのタイトルは

デリー駐在を命ず

著者は繁田奈歩さん。インドで調査&ビジネスコンサル&マーケティングソリューションなど幅広いビジネスを展開するインフォブリッジグループ代表。東大卒の才女、なんていう一言では済まされない。大学在学中にバックパック旅行をし、旅行中に様々な危険に巻き込まれる日本の若者たちを知り、インドで旅行代理店を立ち上げる。大学卒業後、就職した会社から上海駐在。そこで独立し、ビジネス拠点を2006年頃に上海からインドへ動かし、2008年からデリー在住。とにかく行動力のひとなのだ。

 

ともかく、この200ページ近い本の中には、彼女が9年近い歳月のビジネス真剣勝負を通して培ったノウハウ、知見、ウィズダムがぎゅーぎゅー詰めにされている。そしてさすが調査会社、インド消費者ーピラミッドの上から底辺までの観察が面白おかしく解説されている。

 

「辞令が出たら読む(本)」とサブタイトルがついていて確かに分かりやすいインド解説書なのだけれど、これ何年インドに駐在していても人によっては理解不能なのでは、と思いながら読んでいた。何事においてもそうだけど、インドでの日々を島流し的にとらえて後ろ向きに生きている人たちにはヌカクギ。

 

「しかし、あんな値段(900円)であんなにネタをてんこ盛りにしてもったいないのでは?」と著者ご本人に聞くと「いやあ~ネタはまだまだいっぱいありますから」とのことなのでビジネス版インドの歩き方シリーズは続編あるようですよ。