けなげな留守番犬

突然、母が倒れた。　

大事には至らなかったが、いつどんなことが起きてもおかしくない歳なのだと思い知らされた。　

そんなことで、七色は一犬で７時間半ものお留守番をしたのだった。　




　「　ななタンは　おウチでまってましゅ　」　


と、言ってくれたが、

少々のいたずらや、オシッコをそのへんにされてもいたしかたないと、ハウスの扉を開けていった。


そして７時間半後、焦って帰宅し、七色の元に直行すると・・・・・　　




　「　たいちょう。おかえりなしゃい！　」　



・・・・・・　けなげに待っていたじゃないの・・・・・


いたずらもオシッコもすることなく、ハウスに入って待っていた。　

水を飲んだ様子もないので、

多分、ハウスから１歩も出てないと思われる。

何ていい子なのだろう。　

ハウスの上のカゴの中には、おやつがたくさん入っていた。

首をのばせばすぐに届くのに、

食べてもよかったのに、全く手をつけた形跡がなかった。


　こんな良い子に育ててくれたお母さん、ありがとう。感謝です！・・・・・・・あ　ワタスだ　



ごめんね。七色。　１人で寂しい思いをさせちゃったね。


留守電に怯え、ピンポンに震え、きっと熟睡できなかったはず。





　「　たいちょうが　かえってきてくれたら　それでいいでしゅ！　」　


と笑顔で言ったので、

思わずギューと抱きしめた。　

その不意な動きにビックラこいた七色は、ヒラリと飛んで身をかわした。　　



夕ご飯は、マーボー丼。いつもよりひき肉を３０％増量してあげた。　



　「　ななタンの　るすばんが　むくわれる　しゅんかんでしゅ　」　



食後のデザートは、りんごバナナヨーグルト３０％増量。

この待遇の良さに、お留守番　＝　良いことが待っている　の図式が七色の脳内でできあがった・・・・・・と思われる。


そんなことで、明日も留守番　頑張れ七色！　




母は命に別条はないのですが、しばらく隊長は病院通いになりそうです。　
家の中でオシッコをしてもいいように、ペットシートは敷いてあるのですが、ワンツーワンツーの掛け声で排泄するように躾をしてある七色はそこにすることはないでしょう。我慢されるよりは、そのへんにしてもらった方が隊長的にはいいのですが。
けなげな留守番犬七色に　ワンパンチ　　

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