失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「暗くなるまえに・・・」 メアリー・ブラック 1990年

2014-10-10 | 
“BY THE TIME IT GETS DARK”MARY BLACK 1990

サンディ・デニーの、正規リリースのなかった名曲をメアリー・ブラックがカヴァー。

①暗くなるまえに… BY THE TIME IT GETS DARK
(Sandy Denny)
メアリー・ブラックは1983年にデビューしたアイルランド出身のシンガー。4thアルバムのタイトルソングをシングルカット。サンディ・デニーが彼女のアイドルだったのだろう。同アルバムでフェアポート・コンヴェンション「Farewell, Farewell」(リチャード・トンプソン作)をカヴァーしているし、その後もアルバムごとに1曲ずつ「One Way Donkey Ride」「Who Knows Where the Time Goes?」「Full Moon」と立て続けにカヴァー。サンディマニアっぷりを見せつけている。
フェアポート時代の2曲を除く「By the Time It Gets Dark」「One Way Donkey Ride」「Full Moon」はすべてサンディ・デニー最後のオリジナルアルバム『Rendezvous』(1977)セッションからのセレクト。一般的には評価の低いこのラストアルバムのための録音から、正規リリースされた「One Way Donkey Ride」とアウトテイク2曲を選んでカヴァー。

「By the Time It Gets Dark」なんでこれがアルバム未収録?こんな出来のいい曲がボツになるはずないから次作にまわそうということだったのかなあ。1978年のサンディの死により正規リリースされることなく終わってしまったけど、メアリーブラックの他、Yo La Tengo、Mary Lou Lordなど多数のカヴァーが存在する人気曲。

トラッドと言ってもいいようなシンプルなメロディ。哀しみの中からやがて希望の陽が昇ってくるような。「暗くなるまでにはきっと笑えるよ」だから陽は沈んでいくのだが。夕闇の中の美しい瞬間。サンディの枯れた声の説得力に軍配が上がるのは仕方ないが、メアリー・ブラックのクリアな歌唱も捨てがたい。

Maybe by the evening we'll be laughing
Just wait and see all the changes there'll be
By the time it gets dark

左は2012年にリリースされたサンディ・デニー『Rendezvous』2枚組デラックス・エディション。1枚目にバンドヴァージョン、2枚目にアコースティック・デモの「By the Time It Gets Dark」が収録されている。ちなみに「Full Moon」ももちろん入ってるし、ついでに言えば前回紹介したリトルフィート『セイリン・シューズ』(1972)1曲目「Easy To Slip」の今ひとつなカヴァーもあったりする。


久々にYouTube紹介。

サンディのバンドデモ

メアリー・ブラックwithエミルー・ハリス!

YO LA TENGOのも素晴らしすぎる。


②ムーン・リバー Moon River
(Henry Mancini/Johnny Mercer)
オリジナルはオードリー・ヘプバーン、1961年。このカヴァーは普通すぎるな。

定価900円、中古で100円。
タイトルを素直にビジュアル化したジャケ。



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