今年2度めの三嶺、前回は2月ということもあって、雪の多さであえなく途中で撤退。トレースのない新雪の山道はやっぱりしんどい。
梅雨の晴れ間、今回も名頃登山口から直登の尾根道に入った。数年前まで登山口は下部と上部の2か所あり、上部の登山口から入ると1時間半もあれば頂上に立てたのに、今では林道入車禁止となり、少なくても3時間は要することになった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/49/d56f7ac918b7e11da451d40c561f7833.jpg)
じゅん君、いぇ~い!
今回の登山は、以前から知り合いの今治に店舗を置くアウトドアショップ「エルク」のツアーに参加させてもらい、総勢9人。一歩森に入るとそこは新緑のマイナスイオンのシャワー、ブナやダケカンバの自然林のなかを、すがすがしい空気を胸にいっぱい吸い込みながら登ります。
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パーティはご婦人が半分以上、さっそく世間話が花開き、友人知人、身内のこと、近所の事、そして今開催中のワールドカップまで話は尽きない。口より足を動かせよ、と思いながら隊はゆっくり進む。案の定、中間地点のダケモミの丘まで2時間近くかかってしまった。
一本立てて(休憩すること)いると、常連のY女史がいない。でも誰も心配する風でもなく、いつものキジウチらしいとの事。彼女は山に入ると必ずと云っていいほど、条件反射のようにキジをウチに消えるらしい。
「キジウチ」は登山用語で用を足すこと。猟師がヤブの中で身を潜めキジを狙い鉄砲を構えた姿からきた言葉。恰好から云えば「大」の方になるが、実際はオオキジ(大)、コキジ(小)に区別される。また「お花摘み」とも云われ、女性の場合に使われるらしい。だから正確には、Y女史は「お花摘みに行った」と云わなければならない。
他にこういう言葉のバリエーションは豊富で、キジ場(トイレ)、カラキジ(オナラ)、キジガミ(ティッシュペーパー)等がある。そしてミズキジになるとその状態を表し、キジメシなんてなるともう品格の圏外の言葉になる。
ダケモミの丘を過ぎると傾斜はいよいよ厳しくなる。陽光で緑の映える木々の下を黙々と登る。このあたりからご婦人方の会話は途切れ途切れになる。森林限界を過ぎ、つづら折りのガレ場に出ると、あともう一息で笹原の台地。
山小屋までもうひと息
きつい階段を登り切ると、そこは笹で敷き詰められた雲上の別天地。赤い屋根と青い池の横を通り過ぎると頂上はもうそこに見えている。ふと足許を見ると、コメツツジの小さな白い花が咲き始めている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/17/3251c2b17a8feb97c124791138a12207.jpg)
頂上からの展望は何度来ても素晴らしい。西には天狗塚まで延びる縦走路が見え、東では剣と次郎笈の雄姿がこちらを見ている。空は青く陽光も降り注いでいるのだが、そこはやはり梅雨の晴れ間、どんよりと黒い雲のかたまりが西から東へと動いて行く。湿度も高そうだ。遠方の山々はうっすらと霞み、その稜線は空の色と一体化してしまいそうだ。
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熱い珈琲を飲みながら展望を楽しんでいると、またY女史の姿がない。ふと西方向を見下ろすと、小さな後ろ姿が笹原に消えようとしている。
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オオキジなのか、コキジなのか詮索はやめるとして、この素晴らしい景観の中での野○ソは、きっと心ゆくまで解放感が味わえるのだろう。そしてそれは最高級有機質肥料となって、クマ笹の成長の助けにもなるのだろう。
頂上からの展望は飽きることがない。その視界の一点にあるY女史のカラフルな帽子は、この雄大な俯瞰にひときわ花を添えている。
登山ガイドブックは数多く出版されている。古くは深田久弥の「日本百名山」、昨今ではヤマケイを初めたくさんの本が、書店のコーナーに山積みされている。そんななか、一味違ったガイドブックを考えてみた。
Y女史特選「山のキジ場ガイド」
石鎚や剣、その他の山々で困ったときのキジ場案内、山道ごとにマーキングされた花摘みの場所を懇切丁寧に紹介。ここの樹林の木陰は身を隠しやすいとか、ここの岩陰は消音効果が高いとか、ここの沢はまたぎ易く流れも速いとか、ワンポイント添えることで、他とは違ったガイド本になるのではないだろうか。山ガールが闊歩する昨今、きっと重宝されるガイド本になると思うのだが、いかがだろうか。
そんなことを考えながら下山開始。
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エルク隊はこれからもY女史を乗せて、花見ツアーならぬ、花摘みツアーを楽しく続けていくに違いない。
梅雨の晴れ間、今回も名頃登山口から直登の尾根道に入った。数年前まで登山口は下部と上部の2か所あり、上部の登山口から入ると1時間半もあれば頂上に立てたのに、今では林道入車禁止となり、少なくても3時間は要することになった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/49/d56f7ac918b7e11da451d40c561f7833.jpg)
じゅん君、いぇ~い!
今回の登山は、以前から知り合いの今治に店舗を置くアウトドアショップ「エルク」のツアーに参加させてもらい、総勢9人。一歩森に入るとそこは新緑のマイナスイオンのシャワー、ブナやダケカンバの自然林のなかを、すがすがしい空気を胸にいっぱい吸い込みながら登ります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/57/a3e89851f04d8f2f741c7557d31c1e76.jpg)
パーティはご婦人が半分以上、さっそく世間話が花開き、友人知人、身内のこと、近所の事、そして今開催中のワールドカップまで話は尽きない。口より足を動かせよ、と思いながら隊はゆっくり進む。案の定、中間地点のダケモミの丘まで2時間近くかかってしまった。
一本立てて(休憩すること)いると、常連のY女史がいない。でも誰も心配する風でもなく、いつものキジウチらしいとの事。彼女は山に入ると必ずと云っていいほど、条件反射のようにキジをウチに消えるらしい。
「キジウチ」は登山用語で用を足すこと。猟師がヤブの中で身を潜めキジを狙い鉄砲を構えた姿からきた言葉。恰好から云えば「大」の方になるが、実際はオオキジ(大)、コキジ(小)に区別される。また「お花摘み」とも云われ、女性の場合に使われるらしい。だから正確には、Y女史は「お花摘みに行った」と云わなければならない。
他にこういう言葉のバリエーションは豊富で、キジ場(トイレ)、カラキジ(オナラ)、キジガミ(ティッシュペーパー)等がある。そしてミズキジになるとその状態を表し、キジメシなんてなるともう品格の圏外の言葉になる。
ダケモミの丘を過ぎると傾斜はいよいよ厳しくなる。陽光で緑の映える木々の下を黙々と登る。このあたりからご婦人方の会話は途切れ途切れになる。森林限界を過ぎ、つづら折りのガレ場に出ると、あともう一息で笹原の台地。
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きつい階段を登り切ると、そこは笹で敷き詰められた雲上の別天地。赤い屋根と青い池の横を通り過ぎると頂上はもうそこに見えている。ふと足許を見ると、コメツツジの小さな白い花が咲き始めている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/17/3251c2b17a8feb97c124791138a12207.jpg)
頂上からの展望は何度来ても素晴らしい。西には天狗塚まで延びる縦走路が見え、東では剣と次郎笈の雄姿がこちらを見ている。空は青く陽光も降り注いでいるのだが、そこはやはり梅雨の晴れ間、どんよりと黒い雲のかたまりが西から東へと動いて行く。湿度も高そうだ。遠方の山々はうっすらと霞み、その稜線は空の色と一体化してしまいそうだ。
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/bb/338bfe20db6a1ca8ad3ec1f7d7db49eb.jpg)
熱い珈琲を飲みながら展望を楽しんでいると、またY女史の姿がない。ふと西方向を見下ろすと、小さな後ろ姿が笹原に消えようとしている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/3a/72271b0acd3e00ec24a1fbc687d61654.jpg)
オオキジなのか、コキジなのか詮索はやめるとして、この素晴らしい景観の中での野○ソは、きっと心ゆくまで解放感が味わえるのだろう。そしてそれは最高級有機質肥料となって、クマ笹の成長の助けにもなるのだろう。
頂上からの展望は飽きることがない。その視界の一点にあるY女史のカラフルな帽子は、この雄大な俯瞰にひときわ花を添えている。
登山ガイドブックは数多く出版されている。古くは深田久弥の「日本百名山」、昨今ではヤマケイを初めたくさんの本が、書店のコーナーに山積みされている。そんななか、一味違ったガイドブックを考えてみた。
Y女史特選「山のキジ場ガイド」
石鎚や剣、その他の山々で困ったときのキジ場案内、山道ごとにマーキングされた花摘みの場所を懇切丁寧に紹介。ここの樹林の木陰は身を隠しやすいとか、ここの岩陰は消音効果が高いとか、ここの沢はまたぎ易く流れも速いとか、ワンポイント添えることで、他とは違ったガイド本になるのではないだろうか。山ガールが闊歩する昨今、きっと重宝されるガイド本になると思うのだが、いかがだろうか。
そんなことを考えながら下山開始。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/51/27105873f69dbba87cd2f54373240a9d.jpg)
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エルク隊はこれからもY女史を乗せて、花見ツアーならぬ、花摘みツアーを楽しく続けていくに違いない。
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