残る虫五勤二休で生き続け

2014年11月16日 | 俳句
11/6(木)
秋の雲夜の空にもありにけり


11/7(金) 立冬 <山茶始開>

冬立つや寝ぼけ眼で欠伸する


冬立つや腕を伸ばせば肩痛し


11/10(月)
柿落葉不精三日の髭を剃る

  「ブショウ」は不精と無精の両方の書き方があるようです。


残る虫五勤二休で生き続け


帚木の終の一本仄赤く


堅きあり熟るるもありてもらい柿


難病の子らに夢あり鰯雲

  昼休みに、難病の子どもたちの夢の実現を支援する団体の募金を見かけました。
  帰りに、昼食のお釣りを入れただけですが、パンフをもらって活動内容を読んでみました。


11/11(火)
千日紅たしかに長く咲いてをり


ゆっくりと冬になれ慌てるなかれ


鈴懸の墓場となりて初冬かな


切り抜けし口内炎や秋深し


娘らのてんでに巣立ち暮の秋


膨大に仕事来にけり冬麗


二人では鍋を囲むと言ひ難し


数句にて眠気もよほす暮の秋


11/12(水)
千五百メートルの上空閉ざす寒波かな


鈴懸の落葉に埋る木の根元


鈴懸の根元を埋める枯葉かな


<閑話休題>
「100分で名著」今月は「菜根譚」です。
むかし、ついていけない先輩から「俺の座右の書だ」と奨められた事があります。
反発して読まなかったのですが、一回目を視るとなかなか面白そうです。
原作は中国の明の時代に書かれ、日本では江戸時代に人気が出たそうです。
先生の歯切れがいいので、集中して聴けますよ。お勧めです。

一回目のポイントを復唱していたら下のような短歌になりました(笑)。

~潜みたりピンチにチャンスその逆も落ちこむなかれ図に乗るなかれ~


11/13(木)
まっぷたつ冬至南瓜の鎧かな


寄鍋の残りに足して一人鍋


寄鍋の中に魔人の気配あり


寄鍋の湯気より魔人立ち昇り


ペットボトル持つ手冷たし冬始め


時雨たり急ぎタオルを取り込みぬ


バス停は落葉の波に曝されて


時雨るるや番号飛び交ふ大病院


11/14(金)
灯油売り曲がり角より聞こえけり


<家内、来週京都の紅葉に>
小春日や旅に備えて髪を切る


斜向かいの家の前まで落葉掃く

2 コメント

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充実していますね (きりぎりす)
2014-11-17 08:49:38
いつも楽しく拝見させてもらっています。続けていくことの大切さ、むつかしさを感じます。この号を讀んで貴兄のこのところの心の充実ぶり安泰ぶりを感じました。人は何かしら変化しているものですね、変化しているから同じものが新しく見えてくるのでしょうか。五勤二休の充実感を感じさせてもらいました。いつもありがとうございます。
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深いですね。 (gouza)
2014-11-17 22:27:21
深いコメントをありがとうございます。ストレスが目の前からなくなると気持は安定しますが、また復活してくると気持は乱れスランプがやって来ます。今は少し良い状態なので、俳句も多読多作多捨で行きたいと思っています。作って、捨てて、捨てまくって、その後で、多少でも良い句が残るといいなぁと思います。俳句をやっている人はおそらくみんな同じでしょう。ライバルが山のようにいるんですね。
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