たんぽぽ舎より転載します。
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┗■1.いま生きのびるために、知っておきたい
| 高まる原発と再処理工場の事故リスク
| 日本最大の活断層「中央構造線」が動き出した
| 今すぐ、使用済み核燃料をドライキャスク貯蔵に
└──── 広瀬 隆(作家)
○原発をなくさないと 日本と日本人は消えてしまう
(前略)
40年前、当時の西ドイツにあったケルン原子炉安全研究所の極秘レポートが暴
露され、日本でも新聞記事になった。(中略)
この記事を読んだ広瀬さんは「もし事故が起これば、日本なんて消えてしまう。
この世から原発をなくさないと人間はいきていけない」と気づき、予定していた
晴耕雨読の生活をやめて反対運動へと身を投じた。
その広瀬さんが今、警鐘を鳴らすのは、日本一の超巨大な活断層「中央構造線」
による巨大地震の発生と、それによる原発事故の危険性だ。(中略)
その規模は明確になっていないが、日本列島に沿って北は福島県、南は沖縄県
まで続くと話す。
「いままでこの中央構造線は1,000年や2000年に一度しか動かないと考えられて
いたが、それは大間違いでした」
○中央構造線の上にある川内原発と伊方原発
上下動に耐えられない原発
2016年4月14日、鹿児島県の川内原発に隣接する熊本県で地震が起きた時、広
瀬さんはその震源地と余震の位置を地図上に記していった。「そうしたら、すべ
てが中央構造線に沿って起こっていた。これは危ないぞと言っていたら、本震が
起きてしまった。中央構造線が動き出しているんです」
何より恐ろしいのが、この中央構造線の上に、再稼働した川内原発と、伊方原
発(現在は運転停止中)があることだ。(中略)
原発の耐震性は、横揺れが基準なので、大きな上下動に耐えられるようには造
られていない。配管や電気系統が破壊されるだけでなく、原発の建物自体が倒壊
する可能性が高いのです」(中略)
もしも、川内や伊方原発で事故が起きて放射能が拡散される事態になれば、偏
西風に乗って日本列島のほぼ全域が汚染されてしまうと広瀬さんは話す。
○再び地震の激動期に
400年前に起きた三大地震発生が似た地震が起きている?
(前略)
「3・11では三陸海岸沖で東日本大震災が起こり、そのあと中央構造線の熊
本大地震が起こりました。近いうちに東海地震・南海トラフ地震が起こることも
わかっている。順序が違うだけで約400年前と同じ組み合わせです。日本は再び地
震の激動期に入っているのです」
地震が起きる可能性があるのは、中央構造線上だけとは限らない。(中略)
「熊本大地震後、2016年10月21日に鳥取の活断層がないとされていたところで、
マグニチュード6.6の地震が起きました。表に出ていない断層がたくさんあって、
日本は断層だらけの国だといっていい。東日本大震災のとてつもないエネルギー
がいまも日本列島にたまったままで、いつどこで地震が起きてもおかしくないん
です」
○貯蔵の使用済み核燃はプールで“ぎゅうぎゅう詰め”
いつ爆発? 再処理工場と原発
日本で巨大地震が起きれば、危ないのは稼働中の原発だけではない。六ヶ所村
や東海村の再処理工場、そして各原発で保管している使用済み核燃料も深刻な事
故を引き起こす可能性があるという。(中略)
それだけではない。すでに六ヶ所村のプールの98%以上は埋まっているため、
行き場を失った使用済み核燃料は、全国の原発サイトのプールにも保管されてい
る。つまり各原発も同じように危険な状態にあるのだという。しかも、その各原
発のプールの燃料も満杯に近づいているため、設計変更をして核燃料同士の隙間
を詰める「リラッキング」が行われている。つまり“ぎゅうぎゅう詰め”にして
貯蔵量を増やしているのだ。(中略)
「…燃料と燃料の間が近づけば、核分裂の連鎖反応が起きやすくなり、核爆発
する可能性がある。リスクの高いプールではなく、早く『ドライキャスク』に貯
蔵するべきです」(中略)
「取り出したばかりの核燃料は大きな崩壊熱を出すため、『ドライキャスク』
に移す前に5〜6年はプールで冷やす必要があります。しかし、幸いにも今は、
ほとんどの原発が停止して6年以上プールで燃料が冷却されている状態。今がチ
ャンスです…」(中略)
しかし、この「ドライキャスク貯蔵」も、あくまで応急措置だ。最終的に原発
を止めない限りは、大事故の危険性は永遠になくなることはないと強調する。
(中略)
「日本に原発なんて、あってはいけないんです」
(THE BIG ISSUE JAPAN 日本版327号 2018年1月15日より抜粋)
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┗■1.いま生きのびるために、知っておきたい
| 高まる原発と再処理工場の事故リスク
| 日本最大の活断層「中央構造線」が動き出した
| 今すぐ、使用済み核燃料をドライキャスク貯蔵に
└──── 広瀬 隆(作家)
○原発をなくさないと 日本と日本人は消えてしまう
(前略)
40年前、当時の西ドイツにあったケルン原子炉安全研究所の極秘レポートが暴
露され、日本でも新聞記事になった。(中略)
この記事を読んだ広瀬さんは「もし事故が起これば、日本なんて消えてしまう。
この世から原発をなくさないと人間はいきていけない」と気づき、予定していた
晴耕雨読の生活をやめて反対運動へと身を投じた。
その広瀬さんが今、警鐘を鳴らすのは、日本一の超巨大な活断層「中央構造線」
による巨大地震の発生と、それによる原発事故の危険性だ。(中略)
その規模は明確になっていないが、日本列島に沿って北は福島県、南は沖縄県
まで続くと話す。
「いままでこの中央構造線は1,000年や2000年に一度しか動かないと考えられて
いたが、それは大間違いでした」
○中央構造線の上にある川内原発と伊方原発
上下動に耐えられない原発
2016年4月14日、鹿児島県の川内原発に隣接する熊本県で地震が起きた時、広
瀬さんはその震源地と余震の位置を地図上に記していった。「そうしたら、すべ
てが中央構造線に沿って起こっていた。これは危ないぞと言っていたら、本震が
起きてしまった。中央構造線が動き出しているんです」
何より恐ろしいのが、この中央構造線の上に、再稼働した川内原発と、伊方原
発(現在は運転停止中)があることだ。(中略)
原発の耐震性は、横揺れが基準なので、大きな上下動に耐えられるようには造
られていない。配管や電気系統が破壊されるだけでなく、原発の建物自体が倒壊
する可能性が高いのです」(中略)
もしも、川内や伊方原発で事故が起きて放射能が拡散される事態になれば、偏
西風に乗って日本列島のほぼ全域が汚染されてしまうと広瀬さんは話す。
○再び地震の激動期に
400年前に起きた三大地震発生が似た地震が起きている?
(前略)
「3・11では三陸海岸沖で東日本大震災が起こり、そのあと中央構造線の熊
本大地震が起こりました。近いうちに東海地震・南海トラフ地震が起こることも
わかっている。順序が違うだけで約400年前と同じ組み合わせです。日本は再び地
震の激動期に入っているのです」
地震が起きる可能性があるのは、中央構造線上だけとは限らない。(中略)
「熊本大地震後、2016年10月21日に鳥取の活断層がないとされていたところで、
マグニチュード6.6の地震が起きました。表に出ていない断層がたくさんあって、
日本は断層だらけの国だといっていい。東日本大震災のとてつもないエネルギー
がいまも日本列島にたまったままで、いつどこで地震が起きてもおかしくないん
です」
○貯蔵の使用済み核燃はプールで“ぎゅうぎゅう詰め”
いつ爆発? 再処理工場と原発
日本で巨大地震が起きれば、危ないのは稼働中の原発だけではない。六ヶ所村
や東海村の再処理工場、そして各原発で保管している使用済み核燃料も深刻な事
故を引き起こす可能性があるという。(中略)
それだけではない。すでに六ヶ所村のプールの98%以上は埋まっているため、
行き場を失った使用済み核燃料は、全国の原発サイトのプールにも保管されてい
る。つまり各原発も同じように危険な状態にあるのだという。しかも、その各原
発のプールの燃料も満杯に近づいているため、設計変更をして核燃料同士の隙間
を詰める「リラッキング」が行われている。つまり“ぎゅうぎゅう詰め”にして
貯蔵量を増やしているのだ。(中略)
「…燃料と燃料の間が近づけば、核分裂の連鎖反応が起きやすくなり、核爆発
する可能性がある。リスクの高いプールではなく、早く『ドライキャスク』に貯
蔵するべきです」(中略)
「取り出したばかりの核燃料は大きな崩壊熱を出すため、『ドライキャスク』
に移す前に5〜6年はプールで冷やす必要があります。しかし、幸いにも今は、
ほとんどの原発が停止して6年以上プールで燃料が冷却されている状態。今がチ
ャンスです…」(中略)
しかし、この「ドライキャスク貯蔵」も、あくまで応急措置だ。最終的に原発
を止めない限りは、大事故の危険性は永遠になくなることはないと強調する。
(中略)
「日本に原発なんて、あってはいけないんです」
(THE BIG ISSUE JAPAN 日本版327号 2018年1月15日より抜粋)