短歌blog往来

ながらみ書房によるブログです。

ながらみ書房編『歌人回想録4の巻』

2009年07月30日 | 新刊歌集・歌書
近代短歌・現代短歌の足跡は、与謝野鉄幹や斎藤茂吉に限らない。優れた、そして、いぶし銀の光を放つ多くの歌人により今日に至っていることを知るべきであろう。「短歌往来」好評連載中「歌人回想録」シリーズ単行本。

        人と作品 + 50首抄
矢代東村…………水野昌雄  光本恵子
熊谷武雄…………佐藤通雅  熊谷龍子
大伴道子…………中川たまき 蓮見安希
川口常孝…………橋本喜典  大下一真
堀田稔……………服部亘志  中島やよひ
井伊文子…………比嘉美智子 屋部公子
岡山巌……………五十嵐順子 佐藤千代子
今西久穂…………伊吹純   松村あや
熊谷武至…………春日真木子 榛名貢
石川信夫…………名坂八千子 岩崎芳秋
安藤寛……………白岩裕子  鳥居かほる
久保井信夫………水落博   兵頭なぎさ
相澤正……………猪股静彌  小谷稔
前川緑……………前川斎子  苑翠子
林田恒利…………林田恒浩  村松秀代
杉本三木雄………丸山三寿子 武市房子
清水賢一…………橋本喜典  古屋正作
高橋徳衛…………大熊俊夫  大山末子
桃原邑子…………比嘉美智子 船田敦弘
佐佐木治綱………石川不二子 佐佐木頼綱
土屋正夫…………鶴岡美代子 川口城司
鳥海昭子…………小木宏   下村すみよ

3000円・税込

川本千栄歌集『日ざかり』

2009年07月30日 | 新刊歌集・歌書

日ざかりに出でて遊べば子はもはや芯なく揺れる幼児にあらず

子育ての日々、家族との絆。
生きることの喜び、不安、悲しみ、
そんな心の壁がくっきりと
透いて見える歌の数々。
清新で慈悲にみちたその世界は
途方もなくまばゆい。

2730円・税込

清水篤歌集『平成おとぎばなし』

2009年07月17日 | 新刊歌集・歌書
  公園に濡るるシーソー不安げに鳴く夜の猫に人語でさとす

職場でも家庭でもトホホの壮年だけれど、トホホだから、
否、トホホでなければ見えない世界がある。
時にやさしく、時にシニカルに描き出された、
平成のおとぎばなしのかずかず。

大下一真 帯文より

2520円・税込

短歌往来2009年8月号

2009年07月15日 | 新刊歌集・歌書
[特集]ネット社会の新人たち
作品=石川美南+堂園昌彦+野口あや子+永井祐+今橋愛+齋藤芳生+光森裕樹+谷川由里子+五島諭+平岡直子+屋良健一郎+田口綾子+海北康+大里真弓+多田百合香

巻頭作品ー志垣澄幸 特別作品ー松平盟子+辰巳泰子
編集長インタビューー宮崎蕗苳 評論ー寺島博子
歌人回想録ー松本千代二 連載ー渡英子・平山良明

高安勇歌集『阿吽』

2009年07月11日 | 新刊歌集・歌書
  九十九里に破線のごとくテトラ積む攻めくるものに確信ありや
  会釈してすれ違いたる人の名を思い浮かばず雑踏揺れる


どうしようもない怒りとやさしい眼差し。この二つが一つに溶け合って織ります作歌世界は、いつしか豊かなふくらみをもって読者にしみじみとした共感をもたらしてくれる。社会の悲惨、人間関係の矛盾、そうしたものに目をそむけることができない真摯さが歌となった時、作者の直情にして純なる心のかたちがくっきりと透けて見えてくる。

2730円・税込

永吉京子歌集『若葉萌ゆ』

2009年07月05日 | 新刊歌集・歌書
  不発弾も遺骨も未だ埋もれるここに真っ白な百合の咲くなり

「現在の沖縄を詠め!たとえ愚直であろうとも」
ー先師・近藤芳美の言葉に励まされ、依頼、作者は自らの沖縄を歌いつづける。
悲惨な戦争を、基地を、その地に生き継いでいく人間を歌う。

2,415円・税込