短歌blog往来

ながらみ書房によるブログです。

藤原秀憲歌集『二丁目通信』

2009年09月28日 | 新刊歌集・歌書
  土曜日のけんかは朝のうちに済み隣の夫婦が網戸を洗う

この歌集の魅力の一つは、物語を抱き込んだ歌が多い点だろう。作中人物たちが、単なる風景としてではなく、それぞれが人生の物語の一場面をふと照らし出されたような感じで歌に登場している点である。
佐佐木幸綱跋文より

定価:2625円(税込)

山崎圭雪歌集『耕心庵日乗』

2009年09月28日 | 新刊歌集・歌書
「耕心庵」は二畳台目の茶屋で、門下の指導をし、茶屋に客を招く道場である。
茶の場に臨む著者には、伝統を継ぐという自覚と誇りを窺わせる凛とした靭さ、厳しさが添うが、素の人柄は奇策で明朗闊達。若い門下も多い新しいタイプの茶人だ。
いかにいて伝統を現代に馴染ませつつ保つかを模索する日日に短歌もぴったりと同行してきた。
茶室に招かれ、日本古来の美意識に触れ、しばし静謐な時間を楽しむことも可能な作品群である。

蒔田さくら子 帯文より

  茶人といふ誇りいささかもち合はせ炉火あかあかと炉は開きたり
  春うらら金平糖は懐紙よりころげて笑ひお零す
  

定価:2730円(税込)

田中剛歌集『幾山河』

2009年09月05日 | 新刊歌集・歌書
田中剛歌集『幾山河』

大人の作歌歴は私同様、七十年近い。
だから当然、風説にさらされてこられたわけ。
そこから生まれたこの歌集には
どこかにじみ出るようなものを感じるだろう。

大坂泰 帯文より

定価:2625円(税込)