短歌blog往来

ながらみ書房によるブログです。

小野種子歌集『冬桜』

2009年11月30日 | 新刊歌集・歌書
はなやぎてまた静かなり天地も染むるが如き一山の紅葉
母の骨かくも白しとしらざりき深海に耳すませいる貝のやうなる
信濃の山に白き小花の咲きむれて わが摘みし日のはるかなるかも


目を閉じて感情を抑制し、静かに祈りをこめている。
はるかな時間、瞑想すれば今もその可憐な花は作者とともに蕾をふくらませているのであろう。  晋樹隆彦

定価2625円(税込)