なまよみの歌人懇話会合同歌集。
県内にある全ての結社がゆるやかに連合して、
そこから仲良しクラブのようなものではない
結社を超えた活動体を作れないものか。
その夢に一歩一歩近づく一里塚として、
今回の合同歌集『奈麻余美』は発刊される。
―「後書―これまで、そしてこれから」より 世話人代表 三枝浩樹―
県内にある全ての結社がゆるやかに連合して、
そこから仲良しクラブのようなものではない
結社を超えた活動体を作れないものか。
その夢に一歩一歩近づく一里塚として、
今回の合同歌集『奈麻余美』は発刊される。
―「後書―これまで、そしてこれから」より 世話人代表 三枝浩樹―
深井美奈子第五歌集。
第四歌集『藤の飛瀑』は題名にふさわしい絢爛たる飛躍をともなった
輝きがあった。
第五歌集『花奮迅』はそれに加えて、更にしっとりとした落ちつきと
幅が加わってきている。若い頃の影響、つまり牧水の義妹の研究
『潮みどりの生涯』を通し、ロマンの香気をさりげなく温存させた。
ここにゆるぎない深井美奈子の世界が存在する。
―大坂泰―
松井勢津子第一歌集。
君と居るそれだけのことに満ちている諍いあれどまあいいじゃない
わが歌を遠慮会釈もなく貶す夫だろうが親友だろうが
松井勢津子さんの歌は、ひと言で言えば夫婦愛の歌である。
この歌集のほとんど毎ページに「君」が、「夫」が登場する。
歌の特徴はと言えば、作者と夫君との間の微妙な距離のうたい方である。
まさに、寄り合っているが寄り添ってはいない。
そしてさらに、二ページおきぐらいに登場する「猫」が、夫婦間の微妙な
距離にリアリティをもたらしている。見事である。
―佐佐木幸綱―