うたかた草子

日々うたかたのように浮かんでは消える想いを思いつくままに
書き綴った日記、いつまで続くやら。。。

お稽古

2005-10-31 00:08:28 | 茶人への道
久しぶりのお稽古、10月初めに一度あり、3週間空いた。その間に例の地区大会が
あったのだが。。。

本日のメニューは盆点て、大津袋、平点前(中置)だった。
最近は茶箱ばかりやっていたので棗の拭き方を忘れてしまい、我ながら記憶力の
あやふやさに愕然とする。体で覚える、というのはまだまだ先のようだ。。。

細かい所作をあちこち注意される。
自分ではわからないのだが、どうも余分なところに力が入っているように
見えるらしい。
柄杓の持ち方一つにしても、ほんのわずかに指をのばすかのばさないかで
見た目の美しさが違ってくる。一畳のスペースで繰り広げられるお点前は
畳ひと目分(1cmほどか?)違っただけで印象が変わってくる。
だが点前座にいる本人からはその違いがあまり意識できないので苦労する。
言われたことを感覚として身に着けていくしかないのだろうか?
進んでは戻り、まだまだ先が長いことを実感する。

今日は若い人が見学にきていた。
20代前半とみられる看護婦さん。
茶道を始めたい、ということで見学にこられたらしい。
正直、若い人がこういう時代に逆行したお稽古事を始めようとしてくれて
いるのが嬉しい。こういうお稽古が楽しいと思える世代は自分くらいで
おしまいかな、となんとなく思っていたからだ。
はるか昔割り稽古から始めた頃を思い出す。
新卒で入った会社の茶道部からスタートした。会社の一室の窓もない
和室でほそぼそとお稽古していた。
あれがきっかけで今はお茶事まで参加することになるとは思いもよらなかった。

会社の茶道部がなくなるとき、続けるように熱心に勧めてくれた
当時の社員兼先生は社内ではお局でどちらかというと疎まれた存在だったが
人の縁の不思議さを思ったりする。
その人がいなければ、お茶をここまで続けることはなかっただろう。

生涯の趣味?を与えて頂いたことをただただ感謝するのみ。
おそらく定年退職されて悠々自適にすごされていることだろう。
ますます厳しい茶人になっておられることは間違いないだろうが。。。


日本シリーズ第二戦

2005-10-23 22:27:35 | 雑文
昨日の惨敗を無理やり忘れテレビの前に座り応援した。

なんともやりきれない。
ふがいない。
腹さえたってくる。

明日は憂鬱な月曜日だというのに、ますますもって憂鬱さが加速させられた
気分だ。
その昔タイガーズが負けた翌日は明らかに不機嫌だった教師がいたが
その気持ちが痛いほどわかる。
ブランクが空いたからと言っても酷すぎる。
ファンから希望を奪い取る負けっぷりだった。

甲子園に戻って三連戦。
わが下柳の活躍を期待しよう。
せめて気分が爽快になるような試合を展開してほしい。
昨日、今日と酷すぎる。。。。


金木犀

2005-10-16 23:09:23 | 雑文
この季節になるとあちこちから金木犀の香りが漂ってくる。
懐かしい香りだ。

小学生の頃、この香りにひかれてずいぶん寄り道をしたような
気がする。今でこそ芳香剤の香りのイメージだが、昔はこういった
強烈な香りが生活のまわりにはなかったからか、木の周りをウロウロしながら
遊んだ思い出がある。
あまりの心地よい香りに友達はコルク瓶に花を集めて詰めていた。
オレンジの小さな可憐な花はその幹から離れるとたちまち色と香りを
失い別物になり、少し悲しい思いをした記憶がある。

楽しい夏の記憶が遠ざかり、少しずつ冬に向かっていく季節の境目に
咲く金木犀の香りをかぐと、その華やかさとうらはらに寂しい季節への
移り変わりを感じ取っていたのかもしれない。

さつき待つ花橘の香をかげば むかしの人の袖の香ぞする

香りに思いを馳せるというのは今も昔も共通だったようだ。
今も昔も人はそんなに変わらないと思うとホッとするような気がする。


人身事故

2005-10-13 01:04:53 | 雑文
朝いつものように駅に向かう、がどこか様子が違う。
ホームに人が溢れている。

あーまた車両故障か、と思ったものの、いつもなら表示される遅延連絡も
構内アナウンスもない。
よく見るとのぼりとくだりのホームの手前で電車が止まっている。
何の情報もないまま、通常の事故とは違う雰囲気を感じ取った乗客(
になるべきだった人達?正確にいうと)達は携帯電話でそれぞれの連絡先に
どうも事故があったらしい、との報告をいれる。

人身事故だ。
しかもこの駅で、たった今。

とりあえず当分は電車は動かんだろうと、ホームから出て様子を伺うことに
した、そのうち何か情報も入るだろうと。
ホームからでるとまもなく消防車のサイレンがけたたましく鳴る。
いつもなら平和な駅前の朝の光景が一瞬にして緊迫感に包まれる。
あわただしく担架を組み立てる消防隊員、ホームから全ての乗客が出され
情報無く右往左往する人達、駅員にくってかかる人達もいる。
一番最後に救急車が到着、事態の全てを物語る。

”ウワー24みたい。。。。”
数日前まで夢中でみていたドラマに入り込んだような錯覚になり
ドラマを反芻してみたりもするが、現実に戻りさてどうしようか、と
考える。

お茶でもしながら電車の再開を待つか、大船まで歩くか、一旦家にもどって
ほとぼりが冷めてから出直すか。。。。
ぼんやりしている間に平島行き(懐かしい地名だな。。。)の神奈中バスが
到着。
平島から歩くつもりで並ぶと、大船まで行く振り替え輸送バスに変更されて
おり、これ幸いと乗り込む。
結局、15分程度の遅刻で済んだ。

平穏な日常が一瞬でつぶされる瞬間。見慣れた町並みまでがまったく別のもの
のように見える。変化って簡単に訪れるもなのですねえ。
平穏な一日に感謝することにする。

***

平島行きのバスの車窓から一瞬前の事務所が見えた。
殺風景な倉庫、プレハブの事務所、あそこで数年間働いていたのがうそのようだ。
今では曲がりなりにも大手町勤務。
まったく先のことはわからんもんですなあ。
私自信はなあんにも変わってはないけどね。



地区大会

2005-10-10 16:41:14 | 茶人への道
裏千家淡交会 関東地区大会主催の記念茶会に始めて参加するため
朝8時前の電車にのり三島へと向かう。

裏千家は当代家元を筆頭に日本全国を地域ごとに何ブロックかに
わけて、それぞれの支部の“淡交会”に所属することになる。
お稽古を積んで許状の申請をするにもそれぞれ所属する淡交会を通じて
お家元に申請をする形になる。
裏千家淡交会は社団法人となっており、早い話家元が社長、全国通じて支社が
あり、わたくしはその末節の平社員ということだ。

で、今回は関東支店の主催のお茶会というわけだ。

前日深夜まで24を見ていたので実に睡眠二時間で朝5時から着物をきて
三島へ向かう、かなりキツイ。

ホテルと見間違うような東レの研修センターを借り切って、濃茶席、
薄茶席、点心(食事)と申し込み順にひとつのグループにされ
グループごとに順番に席を回る。
グループといってもひとグループ100人近くいるので、濃茶席も
薄茶席も、会議室ひとつに押し込められ、遠くの方で舞台のように
しつらえられた茶席を眺めるといった感じだった。

茶席ごとにそれぞれテーマが決められており、そのテーマにそった
お道具が取り揃えられ、普段おそらく美術館でしかお目にかかれないような
燦然としたお道具が並ぶ。
それはそれで勉強になるのだが....

そこで開かれる茶会はまさに“運営”であり、風情なるものはない。
大勢の人が参加し、効率よく時間までに回転させるためには
風情なんて事は言ってられないのだろう。
参加する側も同じ、これだけ大勢の人がいるのだから同じことなら
少しでも前の席に、と、我先にと人を押しのけてまで席を確保する人さえ
いた。気持ちはわからないでもないのだけど。
また、先生と呼ばれる人がこれだけ大勢集まるとやはり茶道会のヒエラルキーな
部分も垣間見え、嫌な気分になる。

そこで何を感じ取るか、は自分しだいなのだけど、正直何の意味があるのか?
と思ってしまった地区大会であった。

おそらくこの大会には3000人以上の人が参加された事だろう。
主催するほうの人件費はかからないので、参加費から、お席にかかった費用、ホールの借り代、お弁当代、シャトルバス代等をさっぴけば、とおおよその粗利が
つかめてしまうところがまた悲しい。

ま、先細りしていく伝統芸能を継承していくためには会社組織さながらの
運営方法が必要なのだろう。
別に私腹を肥やしているわけではないだろうし、ね。