総持寺茶会③

終わったかのように思えた茶会ネタ、もう一話書かせていただきます。

お薄席二席のあと、点心席があった。
点心というのは早い話お食事、普通大寄せの茶会では
仕出し弁当が多いのだが、この日は総持寺だけあって、お寺の
精進料理を頂いた。

お薄席を出た後、二列に並び先頭に総持寺で勤める
お坊さんに引き連れられ、総持寺別館に向かう。
イヤ、別館のようなところ、というのが正しい。
明らかに最近増築されたと思われる、ヒノキの香りが残る
豪華温泉旅館のような棟に案内される。

エレベーターが二基も完備された６階だての建物は
お料理を頂くための広間がいくつも作られていて、法事などを開いた
後のお食事を頂くようになっている。宿泊施設などもあり
至れりつくせり、という感じだ。

部屋に通されるとずらっと朱塗りのお膳が５０ほど並んでいた。
さー、ゴハン、ゴハン
全員が席に着くのを見計らって、さーーいっただきまーす

とは、ならないんですな、寺は。

やおらお坊さん登場、手前にあるお箸を手にとれと言う。



箸袋には五観の偈（ゴカンのゲ）とある。
お坊さんは説明係り、ありがたい言葉の意味を延々説明される。
興味をひきつけるために、多少のジョークを交えながら。
多分、何度となく説明されているのだろう、そのジョークさえも
アドリブでない滑らかさが漂う。

裏はこんな感じです。



ひとつひとつの意味を丁寧に説明された後、全員で唱和。
は、はよ食べさせてくれ・・・・

唱和が終わったあと、ようやく食べさせてくれた。
精進料理なので当然肉、魚はない。昆布だしにみりんと醤油で味付け
されたヘルシー極まりないお味。
食べること自体貴重な経験だとは思うのだが、日ごろウマウマグルメを
食べている自身からすると、決しておいちいものではない。
味そのものより、食事を頂くことに感謝するための一連の儀式、
というような気がする。ま、ま、セレモニーということでしょうか。

しかし、お坊さん達はこの食事でお勤めをするなんて
体が持つのだろうか？空腹を感じることにより神経が研ぎ澄まされる
ということなのだろうか？

だが年に数度我が家を訪れるお坊さんはきわめて体格がよい。
昨年あたりから、仏参時には椅子を用意するように言われたのだが
その原因は、


転んで骨折・・・・・・・・


転んだだけで骨折するか？普通。


ま、それくらい足が体重を支えきれない体格、ということです。
精進料理を頂きながら、この矛盾はどう解くのかを考える。
宗派によっていただくものは違うのでしょうか？
うーーーん、だが曹洞宗も臨済宗（ウチの宗派ね）も大元は
比叡山延暦寺のハズ。
お茶会の本質とはちょっと離れたところでも考えさせられた
一日でした