メキシコ製のSFスリラー。
9階建てのアパートの非常階段。
2人の兄弟と、1人の刑事。
開かない非常扉。閉じ込められる3人。
降りても昇っても、同じ場所に戻ってくる。
何度も昇降する刑事、しかし、ループする。
家族旅行の車中。
義父と母、10歳の兄と、幼い妹。
走っても走っても、辿り着かない道。
喘息の発作で生死をさまよう妹。
精神が崩壊する母、妹を抱いて車を降りる兄。
軸になるのは、この2つの物語。
全く知らない監督、しかもメキシコ製だけど、
とにかく映像の作り方が上手くて引き込まれる。
非常階段には飲料・食料の自動販売機があり、
24時間経つとその自動販売機の中身が、
何故か復活するという設定。
さらに最初に持っていた所持品も、
24時間で同じ量だけ増える、という設定。
つまり持っていたウォークマンや、
それを入れていたバッグもガンガン増えていく。
巧いのは、これらの物資を使えば、
非常階段でも生活が出来てしまうということ。
ミネラルウォーターで顔を洗い、
空いたペットボトルに用を足す。
こういった描写を巧みに使っていて、
その絵力で、見ているだけでも楽しい。
ただ、かなり評価が分かれると思う。
SFだから何でもあり、だからほぼ説明もせず、
観る人に結論を委ねるような映画。
ネタバレはなしだけど、35年という設定にも
必然性はないし、キャラクターにも関連性は
ないから、最終的に消化不良で終わる。
という人と、全てを自分で補完して、
これは素晴らしい名作だ、という人がいそう。
個人的には前者。こういう映画があっても
良いとは思うけれど、もう半歩、足りない印象。
見た人なら分かるキーワードを。
考えることが楽しい映画で
あることだけは間違いない。
イカダ
↓
家族旅行
↓
非常階段
↓
ホテル
↓
エスカレーター
なのかな。
自分も、ちゃんと分かっていない。
あと母親のクレイジーなリアクションに
相当なストレスを感じたことも書いとこう。
それにしても、こういったテーマで1本の
映画にしてしまうのは凄い。
7歳の息子には難しかった模様。
10年後に、また見てみ。