背水でも“オレ流”落合監督5分で帰った
泰然自若。ロッテに王手をかけられても、「らしさ」は変わらなかった。落合監督がナゴヤドームのグラウンドに現れたのは午後2時の練習開始から約1時間後。しかも、フリー打撃の様子を5分間ほど眺めただけで、何も言わずにベンチ裏へ引き返し、無言のまま帰宅した。
前日の試合後。「3つまでは負けられる。そこまでは想定内」と話した指揮官。だからこそ焦る必要はない。選手の地力を信用するだけだ。4番の和田も打撃練習を行わず、軽い調整で汗を流しただけ。第6戦のロッテ先発が濃厚な成瀬からは第1戦で本塁打しているだけに「成瀬の球筋も大体分かった。体調を整え、できることをしっかりやりたい」と余裕の表情すらのぞかせた。
もっとも、落合監督の今シリーズに懸ける思いは強い。07年にはレギュラーシーズン2位ながらCSを勝ち上がり、日本シリーズでも日本ハムを撃破。チームを53年ぶりの日本一に導いたが、「優勝はあくまで巨人だからな」と自嘲。1年間のペナントレースの価値、意義を重んじてCS導入に反対の立場を取り続けた指揮官だからこその言葉だった。そして、今季はリーグ覇者として日本シリーズ進出。「次は本当の“56年ぶり”の日本一だ」と言った。
史上最大の下克上など許さない。本当の日本一へ、ポストシーズンもあわせ今季55勝19敗1分け、勝率・743と圧倒的な強さを誇るナゴヤドームで連勝する。
中日・落合監督、がけっぷちにも表情変わらず
中日の落合監督はグラウンドに姿を現したが、すぐにベンチ裏に下がった。あと1敗もできない状況にも、表情はいつもと変わらなかった。状態の良い選手を積極的に起用する方針通り、ここまでメンバーの入れ替えや打順の変更を頻繁に行ってきた。この日もコーチらと戦略を練ったとみられるが、記者会見などは行わずに球場を後にした。
初戦先発吉見を回避!チェンで逆王手だ!!…中日
窮地に追い込まれた中日・落合博満監督(57)が勝負に出る。負ければシリーズ敗退となる第6戦は、先発にチェン投手(25)を指名。第1戦(10月30日)先発で3回3失点の吉見を飛ばし、現時点で最も安定している左のエースを中5日でぶつける。
先発した第2戦でチェンは6回4安打1失点、12―1の大勝に導いた。昨年までポストシーズンは4試合で0勝3敗も、今年は巨人とのCS最終Sを含め、2戦2勝、防御率0・71と好投を見せている。
この日のグラウンドでは吉見と同じ調整で煙幕を張ったが、練習後は最後までナゴヤDに残って体を入念にケアした。「一球一球、自分の球を信じて投げたい。負けるとか一切考えてない」。成瀬とのエース対決を制し、逆王手をかける。
中日、ポストシーズン男チェンで逆王手だ
起死回生は左腕エースに託された。6日の第6戦に先発濃厚な中日・チェンが5日、ナゴヤドームでダッシュなどを行い最終調整。キリリと表情を引き締めた。
「最初から飛ばす。自分の球を信じて投げたい。真っすぐで、勝負したい」
左腕は今ポストシーズン2戦2勝、防御率0・55と抜群の安定感を誇る。10月31日の第2戦では6回4安打1失点で勝ち投手。「向こうも僕のことを知ったということ。でも(投球スタイルを)変えることはない」と、正面から相手にぶつかっていく。
午後7時。竜の命運を握るチェンは最後にクラブハウスを出た。「自分の治療をしたかった。シーズン中は(週に)必ず1日の休みがあるけど、日本シリーズはそれがないので。いつ投げてもいいように、自分の準備をしました」。心身ともに準備は整った。成瀬と球界最高峰の投げ合いを演じ、逆王手をかけてみせる。
チェン緊張の第6戦へ「最初から飛ばしたい」
第6戦での先発が予想される中日・チェンはこの日、キャッチボールやダッシュなどで調整すると「最初から飛ばしたい」と緊張感を漂わせながらも意気込んだ。
第2戦では6回1失点の快投。今回は後のない状況での登板だが、「何も考えずに第2戦のように投げたい。一切、何も考えない。自分のボールを信じて投げたい」と無心でマウンドに立つ。
中日・谷繁、好リードでロッテ打線止める
中日・谷繁も5日、練習に参加し、最終調整を行った。ロッテにはシリーズのチーム打率・301と打ち込まれているが「イメージは変わらない。それ以上でも、それ以下でもない。(調子が)いいかもしれないし、悪いかもしれない」と話した。普段から叱咤(しった)激励するチェンを好リードする。
中日・和田「成瀬の球筋も大体分かった」
後がなくなった中日の和田は打撃練習を行わず、軽い調整で汗を流した。
第6戦のロッテ先発は成瀬が濃厚。谷繁とともに第1戦で成瀬から本塁打しているベテランは「成瀬の球筋も大体分かった。体調を整え、できることをしっかりやりたい」と意気込んだ。
【中日】和田の成瀬撃ち秘策とは
中日の和田一浩外野手(38)は5日、6日の日本シリーズ第6戦に向けてナゴヤドームで軽い調整で汗を流した。第6戦の先発が予想されるロッテ成瀬からは第1戦で本塁打を放っている。「大体どういう球筋かというのは分かっている。体調を整え、できることをしっかりやりたい」と話していた。
打線引っ張る森野 大量点でタイ勝を宣言
第5戦まで打率・474と中日打線を引っ張る森野が、崖っ縁の試合での「圧勝」を宣言した。「あすはできれば大量点で勝ちたい。きのうのロッテのような、ウチからすれば(12点を奪った)2戦目のような形」。2ケタ得点を奪っての大勝劇で勢いを取り戻し、それを最終戦につなげようとの考えだ。
逆転日本一へ「7戦目があるとは思わず、あすで決まるぐらいの気持ちでいく」と気合を入れていた。
【中日】森野は寝て待つ
中日選手会長の森野将彦内野手(32)が5日、日本シリーズ第6戦に向けて意気込みを語った。ナゴヤドームで約2時間の練習を終えて「1つ勝たなきゃ2つ目もない。明日で決めるくらいの気持ちでいきます」。2勝3敗とがけっぷちに立たされている中日ナインの気持ちを代弁した。帰り際には「今日はゆっくり寝ます」と言い残しドームを後にした。
大不振の井端 30分特打で手応え
不振にあえぐ中日・井端が、約30分の特打に取り組んだ。第4戦までは16打数無安打で第5戦は出場できず「(今季は)仕事をしてなかったので何とかばん回したいという気持ちでやっていたが、空回りした」と振り返った。
「きょうはしっかり振れて、(バットの)先っぽでも押し込んだりできた」と手応えをつかんだようで、「最後の最後でいいことがあればいいかな」と願っていた。
中日・井端、不振脱出へ特打「空回りしてた」
不振にあえぐ中日の井端が、30分あまりの特打に取り組んだ。
第4戦までは16打数無安打で第5戦は出場できず「(今季は)仕事をしてなかったので何とか挽回したいという気持ちでやっていたが、空回りした」と振り返った。
「きょうはしっかり振れて、(バットの)先っぽでも押し込んだりできた」と手応えをつかんだようで、「最後の最後でいいことがあればいいかな」と願っていた。
【中日】不振の井端特打「最後の最後で」
日本シリーズ第4戦まで16打数無安打と不振にあえぐ中日井端弘和内野手(35)が5日、ナゴヤドームでの全体練習後、約30分間の居残り特打に取り組んだ。「挽回(ばんかい)したかったが、それが少し空回りしていたかな。あまり使いたくない言葉だけど、終わりよければすべて良しでいきたい。最後の最後の最後の最後で、いいことがあればいいと思って」と話していた。
【気になる記事】
オビスポと須永&紺田のトレードが合意
巨人のウィルフィン・オビスポ投手(26)と日本ハムの須永英輝投手(25)、紺田敏正外野手(30)の1対2の交換トレードが合意したことが5日、両球団から発表された。両チームとも今季は先発投手の駒不足に泣いてV逸。オビスポ、須永の両投手はいずれも潜在能力を秘めながらも伸び悩んでおり、新たな環境で再生したいとの両球団の思惑が一致した。
リーグ4連覇を逃した巨人が早くも動いた。「育成の巨人」を象徴する選手の1人、オビスポを日本ハムへ放出。球界では8年ぶりの外国人選手のトレードとなった。オビスポは球団広報を通じて「チームが代わることにマイナスな気持ちはなく、どこでも野球を続けるポジティブな気持ちでいる」とコメントした。
「オビちゃん」の愛称で人気もあった右腕は07年にテスト生から入団し、育成契約から昇格。150キロを超す速球を武器に、昨季は2軍で抑えから先発に転向すると才能が開花した。7月2日の広島戦(東京ドーム)で来日初先発初勝利を飾るなど6勝を挙げてリーグ3連覇に貢献。CS、日本シリーズでも先発勝利してブレークした。しかし、今季は初先発となった4月25日の広島戦(東京ドーム)で来日1号を放つなどして勝利を挙げたが、8月中旬以降は不調でファーム暮らし。2勝3敗、防御率5・21と振るわなかった。
日本ハムから獲得した須永は、浦和学院で甲子園に3度出場。プロ7年間で未勝利と伸び悩んでいるが、若手の育成に定評がある巨人は潜在能力を評価。強肩を武器に、07年には94試合に出場した紺田とともに獲得に至った。巨人・清武球団代表は今回のトレードについて「(オビスポは)行き詰まりがあった。ハングリーさを取り戻してくれれば。須永君は03年のドラフトからずっとチェックしていた選手。左は補強ポイントの一つ」と説明した。
一方、日本ハムはダルビッシュ、武田勝、ケッペル以外は先発陣が安定していなかっただけに、山田GMも「09年に発揮した能力を心機一転チームが代わることで取り戻してくれると思う」と期待を寄せた。
≪原監督も満足顔「03年から注目」≫
巨人・原監督はトレードについて「いいメンバーが加わったことを喜んでいる」と笑顔。左腕の須永については「03年のドラフトのときから注目していた。先発を目標に戦ってもらいたい」と期待を寄せ、紺田についても「守り、走塁は一級品」と高く評価した。一方、オビスポには「環境を変え、しっかりやってもらいたい」とエールを送った。
◆ウィルフィン・オビスポ
1984年9月26日、ドミニカ共和国生まれの26歳。フラジノ高から01年にレッドソックス入りし、03年にレッズに移籍後、投手に転向。04年に母国のサマーリーグで球団のマイナー最優秀投手に選出された。巨人には07年に育成選手として入団。1メートル85、73キロ。右投げ右打ち。
◆須永 英樹(すなが・ひでき)
1985年(昭60)10月28日、東京都生まれの25歳。浦和学院では甲子園に3度出場。2年春にはベスト8に進出した。03年のドラフトでは巨人入りを熱望していたが、日本ハムから2巡目で指名された。1メートル81、79キロ。左投げ左打ち。
◆紺田 敏正(こんた・としまさ)
1980年(昭55)8月12日、富山県生まれの30歳。高岡商では甲子園出場はなし。国士舘大で3年秋に東都2部で首位打者に輝いた。今季は主に代走や守備固めとして55試合に出場。1メートル85、77キロ。右投げ左打ち。
▼日本ハム・須永
急な話に大変驚き、まだ気持ちの整理がついていません。7年間お世話になった球団を離れる寂しさはありますが、新天地でも全力で頑張っていきたい。
▼日本ハム・紺田
8年間、ファイターズでリーグ優勝3回、日本一も経験できました。ユニホームは変わりますが、いかなるときもベストプレーができるよう全力で頑張っていきます。
▼日本ハム・梨田監督
オビスポの年齢やインステップから出てくるボール、ロングリリーフもこなせるところが期待できる。昨年はいいピッチングをしていたし、いいボールを持っている印象があります。
巨人・オビスポと日本ハム2選手がトレード
巨人のウィルフィン・オビスポ投手と日本ハムの須永英輝投手、紺田敏正外野手との交換トレードが合意に達したことが5日、両球団から発表された。
オビスポは07年に巨人に入団、昨季は6勝を挙げるなど、リーグ3連覇、日本一に貢献した。オビスポはトレードを受けて、「巨人軍では素晴らしい経験をたくさんさせてもらい感謝している。昨年のプレーオフや日本シリーズなど、大舞台で投げられたことは忘れられない」とコメントを発表している。
≪巨人・オビスポ投手の話≫
「トレードでチームが変わることにマイナスな気持ちはなく、どこでも野球を続けるポジティブな気持ちでいる。巨人軍ではすばらしい経験をたくさんさせてもらい感謝している。昨年のプレーオフ(クライマックスシリーズ)や、日本シリーズなど、大舞台で投げられたことは忘れられない。試合では常に100%の力を出し切ろうと思っているし、それでファンを喜ばせることができればいいと思っている。日本ハムでも同じ気持ちで試合に臨みたい」
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