トーキング・マイノリティ

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差別、排外主義

2006-08-02 21:14:45 | 世相(日本)
 在日外国人、特に在日韓国・朝鮮、中国人の犯罪行為が起き、彼らへの反感が強まる度に、必ずマスコミばかりかネットでも見かける意見は大体このようなものだ。
在日犯罪者と一般の中国人や韓国・朝鮮人を一緒にしてはならない」「一部の犯罪者をもって差別はよくない」「立派な在日や日本人にも犯罪者がいる」「個人の行為と民族全体を混同するな」…

  上記の意見は全くの正論である。だが、この種の差別や排外主義が悪いとの正論は、仏教の五戒や聖書の十戒の類(不殺生、不偸盗(盗み)、不妄語(嘘)等) と同じく人間が守ることが極めて困難な道徳であり、人類は現代に至るまで差別や排外感情と無縁であったことはない。大上段に構えて正論を吐く方は、己は差 別、排外主義が皆無というならば、それこそ厚かましい“不妄語”というもの。

 差別反対派は在日韓国・朝鮮、中国人の犯罪は一部の者と強調するが、それを言うなら植民地時代や戦地での弾圧・残虐行為を働いた日本人もまた“一部の日本人” である。その一部をもって戦後生まれの日本人にも憎しみをたぎらせる在日朝鮮、中国人の姿勢に何も言えないのでは、同胞からも同意を得られない。もし、あ る官庁や企業で働く者が不祥事をすれば、「一部の役人や社員がやったに過ぎない」で事が済むだろうか?まず監督不行き届きで、上役が責任を取らされるのは 当り前だ。しかし、在日朝鮮、中国人の対応はどうだろう?“一部の者”の逃げ口上と、その次は“差別、偏見”が決まり文句のパターン。

  「在日にも立派な人がいる」「ろくでなしの日本人もいる」など、分かりきった事実を並べるのは反論や弁護にもならない。よく各界で活躍する在日の有名人を 挙げる例も見られる。特にスポーツ選手や芸能人を引き合いに出し、彼らは日本社会に貢献し、夢を与えているのだから蔑視するべきではない、と。
  だが、芸能人やスポーツ選手は日本人、外国人問わず技能で収入を得る“プロ”なのだから、自分のやるべき責務を果たしているに過ぎない。客が金を払って見 に来る以上、見事な技能を披露するのが当り前で、在日が素晴らしい働きをしたと感謝する必要はない。無能な者は“プロ”の世界に居場所がないだけだ。

 ソウルオリンピックで金メダルを剥奪されたベン・ジョンソン選手を憶えておられるだろうか?このジャマイカ移民のカナダ選手はアメリカのライバルであるカール・ルイスを 破り、わざわざ当時のカナダ首相マルルーニが健闘を讃える電話をかけたほど。そしてドーピング使用が発覚すると、ジョンソンは密入国者のように目立たぬよ う帰国した。貧しい移民の選手を讃えていたカナダのマスコミは一変してバッシング、世論も同調しジャマイカへ帰れと罵った者さえいたと言う。彼が生粋の白 人カナダ人なら、ここまで叩かれはしなかっただろう。最近のW杯で頭突きをしたジダンを“ならず者”と呼ぶフランスの右派系メディアもあったのだ。移民を 多く受け入れている国の実態が知れて興味深い。

 差別批判派に「欧米では~」の論調が多いのが特徴だが、彼らが理想とする欧米での差別問 題はまず触れない。多民族・多宗教国家での民族、宗教差別など日本の比ではなく、それゆえ一たん対立となると、想像を絶する惨事が続出する。様々な民族、 宗教が存在する国は普段は共存していても、表面上の付き合いが巧みなだけで、内心は異教徒を信用してはいない。他民族共生など、ないものねだりに等しい。 簡単に異民族が理解し合えるなら、人類史の戦争はとうの昔に激減していたはずだ。異民族、異教徒を理解しようとする者など、全くの少数派なのが世界の現実 である。

 余所者への警戒心があるのは人間としての当然の防衛本能だ。警戒心がなければ人類は生き残ってはこられなかったが、その警戒心 さえも差別や偏見と決め付ける人権主義者の異常さ。しかし日本は思想の自由があるので、犯罪を繰り返す在日外国人を警戒視する自由も認められるので、これ は問題ない。むしろ日本人は警戒心が薄すぎて、未だに外国人をお客様扱いする性質が治らない。マキアヴェッリも自分たちの土地を捨てて他国に侵入し、そこで国を創る民族について、戦争の一種だと断定していた。

  鎖国も排外主義の一種だが、これは二百数十年もの国内の安定と平和をもたらした。島国という地理的条件もかなりあるが、交通の発達でこの利点も今や生かせ ない有様。今年4月フランス内相サルコジは「フランスが気に入らないなら、出て行ってもらって構わない」と公言したが、わが国においても反日在日外国人は 無用。「人を見たら、泥棒と思え」は現代にも通じる金言なのだ。

◆関連記事:「戦争の一種」「ネオナチ

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6 コメント

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理想とは人心を顧みないということなり (似非紳士)
2006-08-02 23:38:01
と、あるブログで「北朝鮮と同等にアメリカ批判をしないネトウヨはフェアじゃない」という、エントリーがありまして、私がそれにTBをして、「私はアンフェアです、人間ですから」とかいたところ、相手方のブログでこき下ろされてしまいましたw

理想は、すべてにたいしてフェアである事でしょう。しかし、その理想に人心はないですよね。



TBの件、表\示されていますがブログのトップに飛んでしまいます。LDに確認いたします。

ご迷惑をおかけします。
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不思議な他者共存 (Mars)
2006-08-03 15:34:24
私も時々、欧米ではという言い方をしますが、全てマンセーではなく、善悪どちらの場合にも参考になるからであって、他山の石でもあるからです。



歴史を振り返ってみても、欧米が世界を制しているのも、そんなに古い話ではないですし、中東等の矛盾を作った責任も大ですね。今では大国気取りのあの国は、そんな事も無知だけに痛いですね。



一度、戦争が起これば、その恨みは簡単に消える分けないですよね。多文化、多民族共存という言葉の虚しさを感じます。日本国内だけでも靖○等で揉めているのに、他民族、他国家間の対立も当然ですね。
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フェア (mugi)
2006-08-03 21:26:18
>似非紳士さん

もし、中露、南北朝鮮を批判する者をネットウヨと定義するのなら、私は完全なネットウヨです。もっとも私はアメリカについてもかなり辛辣な記事も書いているし、インド贔屓でもインドの暗部や問題点も結構指摘してるつもりです。アメリカはかつてのローマや大英帝国と基本的に同じであり、いかに戦時でも日本への無差別爆撃を大目に見ることも、許すつもりもありません。ベトナム、アフガン、イラクでも状況は全く変らない。



ただ、星の数ほどあるサイト全てをチェックするのは不可能ですが、私はこれまで隣国との友好を訴える者で、アメリカ非難をしても中露、南北朝鮮を批判したブロガーは見た事がありません。その点保守系ブロガーは結構欧米批判もしっかりやってます。

人の意見など十人十色ですし、自分のブログをどんなスタイルにするかは当人の自由ですが、人権、平和、友好主義ブロガーの記事は面白いことにまず画一的ですね。すぐ感情的になり、時代遅れの権威にすがり、レッテル張りといじけた反応を繰り返す幼稚さ。

他者全てにフェアな姿勢を取れるなら、もはやその人は人間とは呼べず、神に近い存在ですね。
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理性よりも… (mugi)
2006-08-03 21:29:09
>Marsさん

欧米に限らず、人間社会ではどこもプラスとマイナスの両面があります。人間自体複雑な生き物なのに、差別反対、他民族共生を叫ぶ度し難い短絡さ。「自由、平等、博愛」は欧州発の宗教ではないでしょうか。



中東等の矛盾を作った欧米ばかりでなく、現地もまた解決する意志と能力に疑問を感じさせられます。かつてのイスラム圏もまた、現代の欧米と同じように振舞っていた過去がありますが。



民族、宗教対立が凄惨になるのは、理性より非合理的な感性の方が人間に受け入れられるからだと思います。
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優秀な在日>日本人 (バーラタ)
2006-08-06 17:07:18
こんにちはmugiさん



優秀な在日>日本人という構図が日本人のあたまの中にもしあったとすれば、その人物こそが最も劣化した日本民族ではないでしょうか。欧米のことを例に出せば彼等は間違っても外国人や異民族を自国民以上に持ち上げません。もし持ち上げていてもそれはリップサービスであることをいい加減日本人は知るべきではないでしょうか。

アジア人(香港人。台湾人。シンガポール人。マレーシア人等大勢)は日本以外の国では日本人を英語もしゃべれないお人よしぼったくりのターゲットとして嘲り笑ってる。これが言いすぎではなく現実だと私は思っています。



日本国内で大人しくしている外国人も一歩日本国外へ出れば日本人をこばかにしていますよね。こんなことにいちいちソースを出せとか言ってくる日本人はボケてるんでしょうか?
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隷属の証 (mugi)
2006-08-06 20:56:11
こんばんは、バーラタさん



私も「優秀な在日>日本人という構図」を頭に持つ日本人がいれば、愚にもつかぬマスゴミにすっかり洗脳された日本人と思います。もちろん“優秀”な在日がいることは否定しませんが、彼らは学術、技術面で功績を上げてますか?ノーベル賞クラスの学者など未だに皆無ではありませんか。欧米に限らず優秀なマイノリティを褒めるにせよ、自民族以上に持ち上げる国はありません。



彼方が挙げられた他のアジア人も五十歩百派だと思いますね。表面上にせよ、日本人にちやほやするのは懐目当てだから。

連中が嘲るのは、内心では逆立ちしても勝てない実績が日本にあるからですよ。だから陰口を言って憂さ晴らしする外能がない。マレー人如きは英国支配下では、独立運動もせず、イギリス兵を見ると家に引き篭もっていたくらい。

アジア諸国で英語下手で定評があるのは日本人とトルコ人ですが、その共通点は曲がりなりにも独立を守った事。英語が出来なければ、物乞いするのも不便なので、要するに隷属の証ともいえます。



未だにアジア諸国との友好の幻想から目が覚めない日本の知識人は、知性に欠ける。
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