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【新聞離れ】に思うこと その一

2022-01-14 22:45:29 | マスコミ、ネット

 1月10日付のネットニュース、「新聞離れ】昨年も180万部減、全然止まらぬ「新聞」衰退の末路」を小気味よく感じたネット民も少なくなかっただろう。同日のブログ記事「新聞の凋落が加速」も同じテーマを扱っており、本業は編集者でもある管理人も、「仕方がない」と述べている。

 初めのネットニュースの元ネタは東洋経済ONLINEの「昨年も180万部減、全然止まらぬ「新聞」衰退の末路」。
 この記事の4頁目には今年の年明け、河北新報がアメリカ取材も踏まえた企画記事「メディア激動 米・地方紙の模索」を転載していたのは意味深い。この記事は私も見ていたし、ずっと殿様商売で胡坐をかいてきた河北新報も、いささか危機感を感じているのやら。

 ノースカロライナ大学の調査などを引用しつつ、米国の地方都市の実情を紹介。新聞紙や記者の大幅減少に伴い、全米で“ニュース砂漠”が広がりつつあるそうで、ニュース砂漠地域についてこう述べている。
全3143郡のうち、新聞がないか、週刊の新聞が1紙しかない地域は1753郡で半数を超えた。ニュース砂漠の住民は選挙で投票しない傾向にあるほか、高貧困率、低い教育水準などと関連するとのデータがある

 このデータはフェイクではないとしても、そもそも米国と日本の地方紙の内情自体が違っており、比較対象には相応しくない。ニュース砂漠地域になると、住民の低投票率や高貧困率、低教育水準に陥り、だからこそ新聞は地方自治に必要不可欠な媒体で、住民は新聞を支えなければいけない……と暗に強要しているようだ。

 このような論調は、河北新報のコラムにも見られる。2019年7月に記事にしたが、秋田市の書店「乃帆書房」の店主・大友俊氏によるコラムのタイトルは、ズバリ「本屋いりますか?」。大友氏のコラムの一部を引用したい。
本屋がなくなることで自分以外の人は困ったりはしないか、例えば子どもたちが育つ環境として適切なのか、ということも考慮に入れてみてほしい。当然、書店の方も新しい価値を提示する努力はする……少なくとも後で「ほんとに本屋なくなっちゃったの?」などと言わないようにしたい。それは「なくなった」のではなく「なくした」のだから

 大友氏のツイッターからは、何とも優雅な書店経営を感じる。まるで道楽で書店をやっているとしか見えなかったし、新しい価値を提示する努力とやらも空回りのようだ。大友氏のコラムについて次のコメントがあったが、我が意を得たりの思いだった。

Unknown (牛蒡剣)
2019-07-14 22:37:14
なんか既視感を感じたんですが、まんま新聞に定率減税を!という奴です。

どんな商売 業態だって盛者必滅。何らかのニーズにこたえられない限り滅びざるを得ないでしょう。ましてインターネットで無料で下手な本や新聞より有益な情報が手に入ってしまう時代です。
どんな商売でも変化に対応しようと必死なのに「俺は楽して儲けたい!」とわめいているようにしか思えません。

ただ理屈を超えて思い出の本屋さんがいつの間にかなくなってるのはさびしいですね。

 河北新報の企画記事では米国の気骨ある記者を紹介しており、ジャーナリスト魂というものがあれば、今時珍しくその気質を持ち合わせた記者がいると感心させられた。このような記者であれば、必ず支持する人たちが出てくる。
 しかし、河北新報にそんな記者がいるのか?この宮城の地方紙は、東日本大震災翌年の平成24(2012)年元日の朝刊、昨年3月11日と2度にわたり台湾国旗を“白旗”で載せたほど中共に忖度していた。
 これだけで地方の声を代弁しつつ、広告主のみを重視していることが知れる。日本では独裁国家には反骨精神の欠片もない新聞ばかりだし、「報道しない自由」は毎度。これでどうして信頼できようか。
その二に続く

◆関連記事:「本屋いりますか?
イイ子主義と一般人

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おかしな記事 (スポンジ頭)
2022-01-15 12:31:12
 本当は新聞って必要なものですけど、見出し詐欺やトラブルを発生させても責任は負わない、これでは不要と判断されても仕方ないのですよ。生き残るのは業界紙ぐらいしょうか。業界紙はある程度まとまった情報を得られるので、必要なのです。

 こちらは新聞ではありませんが、このような姿勢で番組を作って恥じないのに視聴料を取るのは傲慢です。メーカーだと不良品が出たら、お客さんに頭を下げて修理したりするのですけど。
 ttps://twitter.com/guitarouk/status/1481826096975073280?cxt=HHwWgMDSkf6-wJApAAAA
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Re:おかしな記事 (mugi)
2022-01-16 22:41:13
>スポンジ頭さん、

 子供時代から家に新聞があったので、やはり紙の新聞はなじみがあります。記事がよければ読者も支持しますが、内容は劣化し続けているとしか見えない。特に未成年に代弁させるやり方は不愉快です。一昔前に学生運動を煽った手口そっくり。

 番組タイトルを見ただけでEテレもかなり偏向しているようですが、これも酷い。担当者は視聴者だけでなく解説者もバカにしきっている様子。木朱さんのリツイートが正しいのかも。
「正しい内容の番組を作るより、スケジュールを守るとか手早く終わらせるためならおかしな事でも平気でやってのける人間の方が、有能、敏腕と評価される業界なんだと思います。」

 以前、BSプレミアム特集で弥助をテーマにした時も、岡美恵子氏が番組の史料操作への怒りをツイートしていました。しかも職員は軽く年収1千万を超えているそうで、早く解体してほしいものですが、政府は全く改善する気なし。
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何が書いてあったのやら (トオニ)
2022-01-17 21:26:09
スポンジ頭さんのコメントにあるアド先が無くなってます。
どうやらツイート主が削除したようです。
内容は気になりますが、思い出したくも無いようです。ホントに碌なことをしないようで・・・
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Re:何が書いてあったのやら (mugi)
2022-01-18 22:55:51
>トオニさん

 改めてアクセスしたら、「このページは存在しません。他のページを検索してみましょう。」となっていました。 

 何故削除したのかは不明ですが、ツイート主は顔写真と実名を出していました。Eテレで弦楽器について解説していたのに、番組担当者が内容を歪曲、「どうせ視聴者には無理」「既にこの箇所は制作してしまったので……」と訂正する様子がないことが載っていたのを憶えています。

 スタッフから圧力をかけられ、ツイート主は削除した?と邪推したくなりますよ。
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やってもーた (トオニ)
2022-01-19 20:30:38
言葉足らずで誤解を生んでしまった・・・orz
該当のページを削除した理由を書いてますので、下のアド先を見てください。

ttps://twitter.com/guitarouk/
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Re:やってもーた (mugi)
2022-01-20 22:34:32
>トオニさん、

 アド先を見たら、↓の書込みがありました。
「さてEテレの件ですけど、先方からは偉そうな人含め連絡が複数きていますが、読まずに削除し「一切かかわるつもりはない」ことを通達しております。この件は思い出すのも不快なので、ツイートも多く削除します、ふう・・・」

 よほど不快な体験をされたのでしょうね。こうして良心的な解説者が関わらなくなっていくのやら。
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