面白く、そして下らない

私は批判をして何かを為した気になっている大衆の一人に過ぎないが、何か少しでも波紋を起こす小石になれればと書いている。

なぜトランプが大統領に選ばれたか

2021-01-21 21:03:21 | 日本人への呼びかけ
1月20日(米国時間)バイデンが第46代米国大統領に就任した。トランプは大統領選挙に破れても敗北宣言をせず支持者に連邦議会議事堂に集まるよう呼び掛けた。支持者が連邦議会を襲撃したことでトランプの支持率は地に落ちどうしようもなくなるのだが。

米国に限らず先進国の知識人、マスコミはトランプを糞味噌に貶してきた。

トランプは自分本位の利己主義者だ。ポピュリストだ。米国を分断した。

などだ。

だがそれほど知識人、マスコミに非難されるトランプが一度でも大統領に選ばれ、落選したとはいえ今回7400万票もの得票を得たのはなぜなのか。

それに対する私の答えは「白人の悲鳴」だ。

統計とは、嘘には3つある。嘘、真っ赤な嘘、統計と言われるくらい信憑性がないとされる。しかし人口動態についてはほぼ正確な未来予測なのだ。

それによると2045年には白人が米国の人口の過半数を割ると予測されている。ただでさえアファーマティブアクションで白人男性の権利は縮小されているのに過半数を割るとどこまで権利が縮小されるのか想像できない。

その「白人の悲鳴」がトランプを大統領に押し上げた。トランプはそれにある程度応えてきたわけだが、人口動態をどうにかできるわけではない。この21世紀に米国で人口比率が変わるほど国外追放や虐殺などできるわけがない。白人にだけ結婚、出産に奨励金を出す政策も無理だ。

「富」というものは労働と科学技術の発展でどこまでも増える。環境破壊や資源の枯渇などが起こらない限りはだが。また米国は金持ちトップ50人の資産が2兆ドルで下位50%の1億6500万人分に匹敵する超格差社会ではあるのだが。

しかし「権利」というものは増えないのだ。誰かが権利を得れば他の誰かの権利は喪われてしまう。中世から近代への移行は王侯貴族聖職者が独占していた権利を「市民」に分配するものだった。

しかし現代では「市民」が権利を奪い合わざるを得ない。米国では白人の権利をマイノリティに分配しており、とくに割りを食った白人男性の悲鳴がトランプを大統領に押し上げたのだ。

欧州でも都市部は移民が増えている。白人が少数派に転落する地区もある。日本も財界の要請を受けて安倍晋三、菅義偉、竹中平蔵が外国人移民受け入れを推奨しており、欧米の話は決して他人事ではない。

想像できるだろうか。支那人や韓国人が人口の過半数を占める日本を。自民党に政治を任せていると将来そうなるかもしれないのだ。もっとも鳩山由紀夫は「日本は日本人だけのものではない」と明言したので、単純な政権交代がそれを防ぐための答えではないことは明らかだが。

バイデンはマイノリティの権利向上を公約に掲げているそうで、白人でバイデンに投票した人々は早晩後悔するのではないか。

米国はどうなるのだろう。何処へ行くのだろうか。白人が少数派に転落した際何が起こるのか。表面上は変わらないかもしれない。外交政策も。白人が肩身の狭い想いをするだけで済むかもしれない。それは今回の連邦議会議事堂襲撃のように爆発しそうだが。

移民に政治の主導権を奪われる未来。移民受け入れを続ければ日本でもそれが起こるかもしれないのだ。

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