政治はキレイゴトではできない。しかし＿

政治はキレイゴトではできない。あるいは國を治めるということはキレイゴトではできないと言っても良い。政治には清濁併せ呑む面が必要であり、「清」だけで政治はできないのだ。

オバマが大統領になった際あまりにも期待されるものだからオバマが人事で清廉潔白な人材のみを政府高官にしようとして批判されたことがあった。全くの真っ白な人間などいないのだ。いたとしても「清廉潔白な無能者」を要職に就けても仕方ない。有能で国家への忠誠心があれば多少の「傷」は目を瞑る必要がある。

だから岸信介が共産主義を制するために統一教会（カルト）を持ち出したのは政治の一面だ。毒を持って毒を制す。本当に統一教会が必要であったのか疑問にも思っているのだが。日本は共産化しなかったためにこれだけの繁栄を謳歌できたのだ。

しかし統一教会はカルトであり、毒である。創価学会もそれなりに問題だが、霊感商法や合同結婚式など統一教会の悪質さは群を抜いている。日本人信者から吸い上げた金は総額で数兆円にもなるのではないだろうか。50年でだが、あまりに巨額だ。

オウム真理教のサリンテロでカルトの危険性は日本中に知れ渡った。警察も次は統一教会を潰滅させるつもりだったようだが、自民党の警察出身の有力政治家から待ったが掛かったそうだ。野放しにした理由としては信憑性がある。統一教会への捜査が止まったのは政治が自民党が止めさせる以外に考えられないからだ。

安倍晋三は岸信介、安倍晋太郎と3代に渡って統一教会と懇意だった。もう感覚が麻痺していたとしか思えないが、統一教会関連団体にビデオメッセージを送ったり、統一教会に票を差配して貰ったり、統一教会と懇意だった議員を要職に就けたりだ。

宗教団体は政治家に取って便利な団体だ。信者の固い組織票に豊富な資金力による献金。しかしカルト統一教会に日本人が犠牲になっているのだ。安倍晋三が暗殺されたのは統一教会の犠牲になった日本人を忘れた報いではあるまいか。拉致被害者を見捨ててきた外務省、左派知識人、マスコミ、政治家が信用を喪ったことと同じだ。

政治はキレイゴトではできない。しかし清濁併せ呑むのも限度がある。「濁」が「毒」や「悪」とでも表現すれば良いのか。一線を越えてしまえば許されない。権力者が権力を行使すれば統一教会への捜査を止めさせることができるだろう。だがそれは明らかに一線を越えている。「政治はキレイゴトではできない」「清濁併せ呑む」では済まない。明らかに国家国民への裏切りだ。赦されない。

自民党はズルズル統一教会と関係を続けている内に感覚が完全に麻痺してしまっていた。100人近い国会議員が統一教会と関係があったのだから。日テレとTBSが毎日放送してくれるおかげでこの問題は全く沈静化しない。

岸田文雄は内閣改造・自民党役員人事を10日に早めて統一教会と懇意だった閣僚を交代させたいようだが、そう上手く行くだろうか。安倍晋三が統一教会と懇意だったのだ。関係がある議員を外せば人事ができまい。

仮にできたとしても自民党が統一教会と懇意であり、統一教会の悪事を見逃してきた事実は消えない。立憲民主党は頼りないが、共産党は鋭く追及するだろう。れいわ新選組にも期待している。維新はどう出るかわからないが。

共同通信の世論調査では12ポイントも支持率が急落した。同時期の日経新聞は横ばいだが。他のマスコミが次々世論調査をするとやはり支持率は急落するのではないか。そうでなければ日本人がおかしいか、世論調査がインチキだ。

政治はキレイゴトではできないし、清濁併せ呑む必要もある。清廉潔白な無能者を要職に就けても仕方ない。しかし全ては国民のためにであってこそだ。それを忘れて国民を犠牲にする政治をしていてはしっぺ返しを喰らう。

自民党はその「ツケ」を支払うことになるだろう。今から愉しみで仕方ない。