「チェンジリング」24日、TOHO錦糸町
1928年、ロサンゼルス。クリスティン(アンジェリーナ・ジョリー)は電話交換業務の主任をしていた。郊外の自宅で、息子ウォルターと二人で幸せに暮らしていた。だが、家で留守番をしていたウォルターが家からいなくなり、行方不明になった。つらい毎日を過ごし、5カ月後、息子が発見されたとの報せが警察から届いた。マスコミも注目する中、駅のホームで再会を果たす。だが、その子どもはウォルターではなく、彼によく似た見知らぬ少年だった。
クリント・イーストウッド監督の実話を基にしたサスペンス風の映画。見てからしばらくたって考えても、やはりアンジェリーナ・ジョリーの熱演は特筆ものだ。それを引き出し、このドラマに真実性と迫真性を与え、ディテールをきちんと描くことで、当時のひどい警察の捜査、周囲の無理解さを浮かび上がらせた。彼女を助ける長老教会の牧師にジョン・マルコビッチ、彼女を助けると思いきや精神病院送りにするロサンゼルス市警青少年課の警部にジェフリー・ドノバンなど。
それにしても、人間を拘禁できる警察が権力をかさにきたら、とんでもない事態になることは間違いない。この時代はまだ人権への配慮が足りず、一宗教者の力などで助かった。もし今の時代なら、マスコミ、弁護士などがその役割を担うだろう。つまり権力に対抗する力がどんな時代でも必要で、その力を十分に発揮させなければ、存在する意味が無いと断言でき よう。当時のマスコミはどうしていたのだろうか。あまり描かれなかっただけに…。
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