ちょっと前、SPA!に掲載されたゲッツ板谷のエッセ
イを読んだ。題材はつい先だって亡くなった鴨志田穣氏
に関することであり、これがもう重い内容で、いや、ゲッ
ツ板谷の名著、「異国怪人紀行シリーズ」の中で板谷&
鴨志田といえば往年のディック・ザ・ブルーザー、クラッ
シャー・リソワスキーを思い出させるほどの名コンビだっ
たのだが、それがいつの間にか組んで仕事をすることが
なくなった。いったいどうしたわけかと脂ハゲ、ひとり思案
投げ首であったのだが、案の定、鴨志田氏の酒乱による
トラブルで絶交中だったらしい。それも、酒によって自制
心が吹っ飛び、こころの中の黒い面ばかりがどっと噴出
したような言葉の暴力。妻がガンで闘病中の夫に対して、
「お前の嫁なんかガンでくたばかり損ないじゃねーかよ」
とは、「こいつとの人間関係は終わりだ。もうなに言ったっ
てOK」てな決意をもってしても、言っちゃいけない言葉で
ある。ひととして。ましてや、「単なる酒の酔いにまかして
の戯言」であるなら、ほぼ完全に「あちらの世界に行かれ
たひと」である。
ひとは何ゆえ酒などというものを飲むのか。日常生活に
おいて、じりじりと精神にたまっていく「黒いモノ」を、「酔い」
という手段によって外部へ放出する、ということなんだろう
か。脂ハゲ自身は、いま現在は「独り酒」というものをあま
りしない。「他人との馬鹿話」というのがなによりの「黒いモ
ノ放出」の方法であって、酒はその補助にすぎない。だから
なんとか助かっているのかもしれない。
「黒いモノ」がたまり過ぎれば、ひとと接すること自体がた
まらなく嫌になってくる、ということは充分にありうる。そうす
ればこの脂ハゲも、あっという間にアル中の仲間入りであろ
う。逃避の手段としての「酒」というのは、ギャンブルや女性
と比べて安易かつ安価である。貧しく、かつ甲斐性のない脂
ハゲにはとてもお似合い。
最近どうもこの嫌なことばかりが多く、不安で不安で致し方
なく、人生とうとう袋小路みたいな状態、「そろそろ独り酒に手
を出すか」のような感じである。なにかいい方法はないものか
ねぇ。もっとも根っから小市民の脂ハゲ、そうそうワイルドにも
なれないのが、またひとつの悩みだったりするのである。
イを読んだ。題材はつい先だって亡くなった鴨志田穣氏
に関することであり、これがもう重い内容で、いや、ゲッ
ツ板谷の名著、「異国怪人紀行シリーズ」の中で板谷&
鴨志田といえば往年のディック・ザ・ブルーザー、クラッ
シャー・リソワスキーを思い出させるほどの名コンビだっ
たのだが、それがいつの間にか組んで仕事をすることが
なくなった。いったいどうしたわけかと脂ハゲ、ひとり思案
投げ首であったのだが、案の定、鴨志田氏の酒乱による
トラブルで絶交中だったらしい。それも、酒によって自制
心が吹っ飛び、こころの中の黒い面ばかりがどっと噴出
したような言葉の暴力。妻がガンで闘病中の夫に対して、
「お前の嫁なんかガンでくたばかり損ないじゃねーかよ」
とは、「こいつとの人間関係は終わりだ。もうなに言ったっ
てOK」てな決意をもってしても、言っちゃいけない言葉で
ある。ひととして。ましてや、「単なる酒の酔いにまかして
の戯言」であるなら、ほぼ完全に「あちらの世界に行かれ
たひと」である。
ひとは何ゆえ酒などというものを飲むのか。日常生活に
おいて、じりじりと精神にたまっていく「黒いモノ」を、「酔い」
という手段によって外部へ放出する、ということなんだろう
か。脂ハゲ自身は、いま現在は「独り酒」というものをあま
りしない。「他人との馬鹿話」というのがなによりの「黒いモ
ノ放出」の方法であって、酒はその補助にすぎない。だから
なんとか助かっているのかもしれない。
「黒いモノ」がたまり過ぎれば、ひとと接すること自体がた
まらなく嫌になってくる、ということは充分にありうる。そうす
ればこの脂ハゲも、あっという間にアル中の仲間入りであろ
う。逃避の手段としての「酒」というのは、ギャンブルや女性
と比べて安易かつ安価である。貧しく、かつ甲斐性のない脂
ハゲにはとてもお似合い。
最近どうもこの嫌なことばかりが多く、不安で不安で致し方
なく、人生とうとう袋小路みたいな状態、「そろそろ独り酒に手
を出すか」のような感じである。なにかいい方法はないものか
ねぇ。もっとも根っから小市民の脂ハゲ、そうそうワイルドにも
なれないのが、またひとつの悩みだったりするのである。