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2017.2.15 Newsモーニングサテライト

2017年02月15日 18時27分28秒 | MS
■マーケット

NY株 4日連続で最高値
3月利上げが急速に意識され金利やドルが急上昇。6月利上げを予想していた市場は戸惑いを隠せず、FRBのイエレン議長の発言直後は株価も方向感を失いました。注目の議会証言でイエレン議長は「今後の会合で」という言葉を使い3月の会合でも動くことは可能だとの考えをほのめかしました。これを受け金利が上昇、ドルも買われ、一時ほぼ2週間ぶりとなる114円40銭台までドル高円安が進みました。株価は午前中こそ方向感に苦しんだものの中小企業の景況感や生産者物価の改善などもあり午後に入って上げ幅を拡大です。ニューヨークの株価終値です。ダウが4日続伸92ドル高、2万504ドル。ナスダックが6日続伸18ポイント上昇、5,782。S&P500も6日続伸9ポイントプラスの2,337でした。

【NY証券取引所中継】米中小企業 引き続き楽観的
解説は三井住友アセットマネジメントNYの曽根良太氏

--午後上げ幅拡大しましたね。

そうでしたね。本日、注目されたイエレンFRB議長の発言において、利上げに関して前向きであると捉えられたことで、取引前半は軟調に推移しました。しかしながらトランプ政権による税制改革期待は根強く、取引後半にかけて買い戻されています。

--さてきょう発表の中小企業楽観指数はどういう評価でしょうか。

105.9と前月から微増で、市場予想の105も上回り高水準を維持しています。前月が1980年7月以来の上昇率となる大幅な改善だったため、その反動が心配されましたが、トランプ大統領就任後も楽観的な見方は継続しています。

--高水準をキープしている理由は何なんでしょうか。

中身を見ますと、期待先行だけではない印象です。特に雇用を増やすとの回答率の上昇が継続していて、約10年ぶりの高水準となりました。

《1月中小企業楽観視数》
雇用増を計画 18%(前月比プラス2ポイント)
➡10年ぶりの高首位準

中小企業は大企業に比べて、資金力や事業規模など体力が劣り、雇用増加による収益変動リスクが相対的に高いため、雇用には慎重になりがちなので、トランプ政権の政策思考能力に対する信頼度が高まっていることの表れと考えています。


【NY証券取引所中継】原油価格の行方はサウジ次第
解説は三井住友アセットマネジメントNYの曽根良太氏

--歴史的な原油減産合意でも、価格の上値は重いですね。



(フリップ1:念後半は供給過剰懸念で上値重く)
はい、OPECの減産量が明らかになる中、年前半での需給均衡が見えてきた一方で、年後半には再び供給過剰の懸念が台頭する恐れがあり、上値を重くしています。





(フリップ2:アメリカ増産分がOPEC減産分を相殺か)
足下の掘削リグや生産がすぐ再開できる未完成の井戸の増加状況を見ると、アメリカの増産分がOPECの減産分の多くを相殺してしまう勢いです。

--この状況でこの先どんな点に注目ですか。

5月末のOPEC総会でアメリカの増産に対し、サウジアラビアなどがどう反応するかが注目です。

(フリップ3:積極的減産でアメリカに抜かれる可能性も)
去年の減産ではサウジは、生産シェアよりも価格の維持を優先しました。ただ今後自ら積極的に減産をしてしまうと、アメリカの原油生産量を抜かれ、ロシアと肩を並べてきた首位争いから脱落することになってしまいます。この先サウジがシェアの減少をどこまで許容するのかがポイントです。

--サウジとしては簡単に方針転換はできないんですか。

はい、今回、サウジは非加盟国も巻き込んで減産にかじを切り、OPECに対する信頼感を取り戻し、価格安定に対してもうまく立ち振る舞ってきました。しかしここでサウジがシェア重視に転換してしまったら、これまでの努力が台無しです。少なくとも今年後半から来年とみられる国営石油会社のアラムコ上場までは価格を優先する可能性が高いと見ています。


【為替見通し】注目ポイントは「日本の期待インフレとドル調達コスト」
解説は三菱東京UFJ銀行の内田稔氏
 
--イエレン議長の議会証言を受けて、ドル高が進みましたね。

そうですね、昨晩のニューヨーク市場では、113円40銭辺りから114円半ばまで上昇したんですが、ちょっと失速して戻ってきました。

--今日の予想レンジは、113.50~114.80円です。

今日もイエレン議長の議会証言を控えているんですが、夜間にアメリカの消費者物価指数や小売売上高などの指標が控えています。予想より多少強ければ、ドル円が強含む場面もあると思うんですが、基本的には方向感は出にくいとみています。

--注目ポイントは「日本の期待インフレとドル調達コスト」 です。

(フリップ1:期待インフレ停滞で円安進まず)
アメリカの大統領選後、ドル高と日本の物価上昇への期待感の上昇が円安に効いていたという側面もあったんですが、これはOPEC減産合意によるエネルギー価格上昇期待とか、あとはドル高といった外的要因だったんですね。ただ年明け以降は日本の物価上昇期待が剥落しておりまして、円安がちょっと一服しているという動きになっています。

--実質金利の低下は一服している。そしてドルの調達コストという面で見るとどうでしょうか。

(フリップ2:ドル調達コストは低下)
資金市場におけるドルの調達コスト上昇が、為替市場でもドル高に作用していたというふうに考えられるんですが、ご覧の通りこのグラフは、上に行けば行くほどドルの調達コストが低下しているということなんですけれども、こういう状況ですと、為替市場でのドル買い圧力も和らいでくる。この2つが揃ってドル高円安にちょっと今進みにくい時間帯かなというふうに見ています。

--今後はどうですか。

今後、しばらくは、いろんなトランプ政権の政策待ちというところもあるんですが、去年11月と比べると、ちょっと状況は落ち着いてくると思いますので、ドル高円安の去年秋の材料というのは、若干影を潜めた状態が続くかなというふうに予想しています。

【日本株見通し】注目ポイントは「金利動向」
解説はSMBC信託銀行プレスティアの山口真弘氏

--今日の予想レンジは、19300~19600円です。

本日の日本株市場は上昇して寄り付くと思っています。ただFRBは想定より利上げに前向きという解釈が広がりましたけれども、市場の見方は引き続き6月利上げが基本線となりそうです。ドル円の上昇が一服するほか、本邦企業の決算発表の延期などが重しとなると思われますので、上昇して寄り付いた後は上値の重い展開になると思っています。

--注目ポイントは「金利動向」です。

(フリップ1:米独10年債金利差、2%上回る)
アメリカとドイツの10年国債利回り格差が2%を上回る水準まで拡大しています。これは1989年以降で最も広い水準です。アメリカ国債の魅力は相対的に高まり、投資家の買い意欲は増しており、アメリカの国債利回りの上昇が抑制されているというように感じられます。これは日本株にとってはプラス・マイナス両面あるというように思います。金利上昇が抑えられる中で、アメリカの新政権の経済対策や税制改革に対する期待が高まり、アメリカ株は過去最高値を更新中。投資家心理の改善は日本株にも追い風というように思われます。

(フリップ2:日経平均、狭いレンジ推移続く)
ただ一方で、日米金利差が拡大しにくくなるということは、ドル円の上昇による日本株の押上圧力が強まりにくいというマイナス面があるということも意味します。日経平均株価はトランプ大統領の言う驚異的な税制改革案が公表されそうな来週後半辺りまでは、19000円台の前半を中心とした狭いレンジでの値動きが続くというように考えています。


■【プロの眼】FRBのバランスシート縮小の影響
FRB高官の「バランスシート縮小」に関する発言が増えています。実際に再投資の停止が行われるとどんな影響が出るのか分析します。解説は三菱東京UFJ銀行の内田稔氏。
 
--「FRBのバランスシート縮小の影響」というのがテーマですけれども、今日のイエレン議長の議会証言でも、これに関しては質問がずいぶん出た。つまりかなり意識されているということですね。

「そうですね。FRBが2014年9月に掲げた正常化の原則と計画というものがあるんですが、やはり利上げを始めた後に、どこかで保有資産の縮小も始めるということが明記されているんですね。それで今後、仮にですけれども、トランプ政権の財政拡大によって金利が上がるとすると、債券価格が下落してFRBが損失を抱えていくことになりますから、出口の議論をもう始めておきたいということだと思います。」

--そうですね。早いうちに処理したいという気持ちもあるかもしれませんが、そのプロセスというものは出ているわけですね。

(フリップ1:FRBの保有資産圧縮プロセス)
コチラなんですが、①開始の時期は経済や市場環境次第、②時期・ペースとも市場と対話する、そして③国債のみを想定ということですが、今日はこれに関しては、MBS住宅ローン担保証券なども緩やかに進めるかなという雰囲気でしたね。
「そうですね。『場合によっては』という但し書きはされているんですけれども、基本的には不動産市場への配慮から、国債が前提だと思いますね。」

--そして④再投資は停止から始めるということですね。これであれば市場への影響というのは限られそうですか。どうでしょうか。

(フリップ2:再投資停止の場合)
「そうですね。ただ償還額が来年2018年から結構なペースでしばらく続きますので、これを丸々再投資停止とするだけで、バランスシートは向こう数年で結構な勢いで縮小していってしまいます。」

--この勢いを見るとちょっと影響はあるんですかね。

「そうですね。昨日の会見でも、『予見可能な、秩序だった』ということを言っていましたから、こういう急激な縮小にならないような工夫、そういうことも含めて今後、議論していきたいんだということだと思います。」

--そうは言っても長期金利が上昇するでしょうから、ドル高要因ということになってしまいますか。

(フリップ3:バランスシート拡大で株高)
「そうですね。金利差拡大ということでいけば、ドル高要因なんですけれども、ただこの金融危機以降は結局バランスシートの拡大とアメリカの株高というものが並走してきたんですね。従って今後バランスシートが縮小していくんだとすると、株にはややストレスになってくるということになりますから、為替市場では金利差拡大のドル高と、あとは株安、あるいはアメリカ経済の下押しとなって、利上げがやりにくくなるということで、ドル安円高要素もはらんでいるというふうに考えられます。」

--そうですよね。過去思い出されるのは、バーナンキ議長の発言の時の反応ですね。

(フリップ4:テーパリング(量的緩和縮小)言及で円高)
「そうですね。2013年5月に当時テーパリング(量的緩和縮小)ですね。当時は『バランスシートの拡大をそろそろ止めます』、という発言だったんですが、それだけで当時、長期金利が急上昇しまして、株安とともにドル円相場は103円から93円まで約10円ドル安円高になってます。当時はアメリカの景気拡大からまだ5~6年目というタイミングだったんですが、仮に来年着手するんだとすると、景気拡大から9年目に入っていくというタイミングですので、ちょっとペースなどによっては経済へのネガティブな影響も考慮する必要がありますから、単純に金利差拡大でドル高円安という、そういう材料ではないと見ておいたほうがいいかなと考えています。」

--今日イエレン議長もバランスシートが巨額になったままだったとしても、短期のFF金利のほうが調節、そっちのほうが自信が持てるというふうに話されていました。

「そうですね。長期金利がどうはねるかわからないという怖さがやはりあるんだと思います。」

--ですからやるとしても慎重にということになるんですね。



■【特集】 自分好みの部屋に「DIY型賃貸」とは
人口減少や少子高齢化や影響から今後も増加傾向にある日本の空き家。それを解消するための新しい賃貸契約が今広がりを見せています。それは「DIY型賃貸」と呼ばれるもので、壁にペンキを塗ったり、畳をフローリングにするなど、自由に内装を変えることができる賃貸物件です。改装部分は退去時の原状回復義務が基本免除されているため、空き部屋の入居者増加にもつながるのではと期待されています。
 
人口減少や少子高齢化などの影響で今後も増加傾向にある空き家、解消する一つのきっかけとしてある賃貸住宅が広がりを見せている。キーワードは「Do it your self」。

マンションの一室で大工仕事をする住人の男性、借り主が部屋の内装などを自由に変えることが「DIY型賃貸」という物件。男性は去年8月頃に入居し今年春までには自分好みの部屋に改装予定だという。

実際にDIYで改装された部屋を見せてもらうと、内装や家具はホームセンターで購入、材料費は約30万円ほどだ。水道やガスの配管は業者に委託したが、それ以外はDIYの経験がない約10人が2週間で作り上げた。

築20年の滋賀・大津市のマンション「チュリス石山」、家賃は月5万円だが最寄りの駅まで徒歩30分、5階建てでエレベーターがないという条件の悪さから、現在は半数が空き部屋になっている。しかし「DIY型賃貸」を始めるという情報を出すと、すぐに入居希望者が現れたという。

(フリップ1:入居者の約6割が60代以上)
DIYを売りにした物件は大阪・堺市にも。団地の一室で行われていたのはDIY型賃貸体験講習。46年前に建てられた泉北ニュータウン茶山台団地。入居者に6割が60代以上で入居率も年々低下傾向にある。今回、DIY型賃貸の対象になるのは、21000ある部屋の半数以上の約1万2000戸、公的賃貸住宅では日本初の試みとなる。既に入居済みの部屋に関してもDIYが可能で、木造部分への釘の使用、キッチンへのシートの貼り付けなどができる。またDIYを行った部分は退去時に原則、原状回復の義務もない。

(フリップ2:森田キャスター解説)
貸すほうの立場に立って見てみると、一般的な賃貸の場合は、最初にハウスクリーニングのコストがかかります。例えば30万円だとしましょう。そうするとなかなか入居してもらえないと、この30万円は無駄になってしまうわけですね。それがDIY賃貸の場合は、ハウスクリーニングのコストをかけない代わりに、30万円分の家賃を無料にして、早く入居してもらう。そして借りた人は、その浮いた家賃を使ってDIYを行う。そして気に入れば当然長く住むことになるし、出てからもDIYで新たな価値が加わっていれば、築年数が経っていたり、駅から遠いという条件でも、借りてもらえる可能性が高まるという考え方なんです。


・ DIY型賃貸について

--でもやってらっしゃるのを見ると、かなり手間がかかりますしね。好みがある人はいいかもしれませんけどね。

《三菱東京UFJ銀行/内田稔氏》
「そうですね。あとは外国からの旅行者に長期滞在型の安価な宿に民泊で提供するとかですね。空き家対策としてはいろいろアイディアが出てくると思います。」


■日経朝特急

東芝、債務超過1912億円
東芝は、稼ぎ頭の半導体事業を分社し、過半の株式売却も検討するなど資本増強を急ぐ。


プレミアムフライデー、小売りや銀行2000社超参加
月末の金曜日に早帰りを促し消費を喚起するプレミアムフライデーについて、商品やサービスを提供する企業が2000社を超えたことが分かった。百貨店や飲食店の他、旅行やテーマパークなど幅広い業種に広がっていて、初日の24日に向けて盛り上がりを見せている。


マンション発売、西高東低
1月のマンション市場動向調査によると、近畿圏の新築マンション発売戸数が、首都圏を約26年ぶりに上回った。首都圏の新築マンションはバブル期並みの高値が続き、客離れを起こしつつある一方、近畿圏では郊外のファミリー向け物件を中心に需要が堅調に推移している。


日経ジャスダック平均、25年半ぶり高値
日経ジャスダック平均株価が役25年半ぶりの高値。日経平均株価が心理的な節目の2万円を前に足踏みする中、ジャスダック平均はバブル経済が崩壊した直後の水準を回復。独自のビジネスモデルと技術を持つ企業が指数をけん引した。


■日刊モーサテジャーナル

米フリン大統領補佐官の辞任「ロシアが脅迫」との警告も
トランプ大統領の側近、フリン大統領補佐官が辞任したことについて、米国紙は政権に大きな打撃になると報じている。フリン氏はトランプ政権発足前、ロシア側と経済制裁について協議した可能性が濃厚になっているが、協議はなかったとペンス副大統領などに嘘をついていた疑惑が持たれている。
ワシントンポストによると、ロシアがこれを逆手に取り、安全保障担当であるフリン氏を脅す可能性があるとの見方が一時浮上、ホワイトハウスに警告が出されていたほど事態は深刻だった。
ウォールストリートジャーナルは、「ホワイトハウスの高官が1ヶ月もたたずに辞任したのは異例中の異例だ」、と指摘。発足以来、混乱の続くトランプ政権を象徴している、と伝えている。


「国境税の影響、織り込まれていない」(ウォールストリートジャーナル)
トランプ大統領が驚くべきものと予告した税制改正について、その柱の一つである国境税に対するマーケットの注目が高まっているが、市場はまだ折り込みきれていない、と報じている。記事によると、「国境税を巡っては、輸入品に20%の関税をかける一方、輸出品を税優遇するとの案が有力、国境税の影響により、ドルは他の主要通貨に対して25%上昇し、80年代以来の高値になるという予想も。また原油価格が1バレル65ドルまで急上昇するといった見方も出ている。ここ数年で最大の政策変更とも言われる今回の税制改正。ただ本当に実現できるのか、不透明な部分も残っていることから、投資家はその影響を測りかねている模様だ。


ペソ乱高下、新興国投資に打撃か(ウォールストリートジャーナル)
貿易不均衡などでトランプ大統領から槍玉に挙げられているメキシコ。「実はその悪影響はメキシコ経済だけではなく、新興国経済全体に波及するかもしれない」、という記事。新興国の投資家にとって、広くて深い打撃を与えるかもしれないという。記事は、「メキシコの通貨ペソは流動性が高いうえに、他の新興国の通貨と連動することが多いため、新興国への投資に当たり、リスクヘッジ目的に使われることが多い。」、という。例えば、投資家がブラジルレアルを買って、ブラジル株に投資するときに、同時にペソを売ってリスクをヘッジするという取引が慣習となっている。しかし最近のペソ乱高下で、この役割が果たせなくなっているという。記事は、「アメリカが利上げを進める中、新興国から資金流出が増える新たな要因になるかもしれない」、と懸念している。


・ 「国境税の影響、織り込まれていない」について

--驚くような税制というところですけれども、国境税の影響は本当に読み切れないですよね。

《三菱東京UFJ銀行/内田稔氏》
「そうですね。貿易収支が改善すれば、確かにドル高になるんですけれども、ただドル高になると、今度は輸出競争力が落ちてしまいますし、あとはFRBからしますと、輸入品が安くなりますから、あまり利上げをしなくてもよくなりますので、これはドル高を抑える話にまた戻ってきますから、結局ドルはそんなに堂々巡りで動かないのかなと、こういうことにもなってきますね。」

--本当に影響が読み切れないんですけれども、たぶん28日の議会演説の時ぐらいに出てくるのかなと言われていますけれども、そこまで悶々とした時間が続きそうでね。


■今日の予定

1月訪日外国人数
決算(アサヒ)
米1月消費者物価指数
米1月小売売上高
米FRBイエレン議長下院で議会証言


■ニュース

米 FRB議長 早期利上げに意欲
アメリカのFRB=連邦準備制度理事会のイエレン議長が早期利上げに意欲を示しました。14日行った議会証言でイエレン議長は、利上げを先送りした場合のリスクについて改めて言及しました。(FRBイエレン議長)「金融緩和の解除を先送りしすぎるのは賢明ではない。今後の会合で雇用と物価が想定通り推移しているか検証する。想定通りと判断されれば追加利上げが適切だと判断されるだろう」イエレン議長はこのように述べるとともにアメリカ経済は今後も緩やかな拡大を続け、物価は2%の目標に向け緩やかに上昇するだろう、との見通しを示しました。トランプ政権による財政政策については「長期的に見て持続可能な政策を望む」と述べ、過度な財政支出の拡大にくぎを刺しました。
 

米 生産者物価↑0.6% 予想上回る
アメリカの労働省が発表した1月の生産者物価指数は前の月に比べ0.6%上昇し市場予想を上回りました。エネルギーと食品を除いたコア指数は0.4%の上昇でした。項目別でみるとエネルギーが4.7%上昇、食料品は横ばい、貿易は0.9%上がりました。
 

ユーロ圏GDP 下方修正
EU=ヨーロッパ連合の統計局が公表した去年の10月から12月期のユーロ圏GDP=域内総生産の改定値は、前の期に比べプラス0.4%で、速報値から0.1ポイント下方修正されました。国別でみるとドイツとフランスがいずれも0.4%の増加、またイタリアも0.2%増えました。一方、EUから金融支援を受けるギリシャは0.4%のマイナス成長でした。
 

携帯大手TモバイルUS 増収増益
アメリカの携帯電話3位のTモバイルUSが発表した去年10月から12月期の決算は市場予想を上回る増収増益でした。純利益が31%増え、1株利益も市場予想を上回りました。また新規契約件数は前の期から210万人増え、これにより2016年通期は3年連続で800万人を超える純増となりました。

売上高101億7500万ドル(↑23%)
純利益3億9000万ドル(↑31%)
1株利益45セント(予想を上回る)
新規契約件数:10-12月期↑210万人
2016年通期↑817万人(3年連続の純増)


東芝 原発損失7,125億円
経営再建中の東芝はきのう、アメリカでの原発事業で合わせて7,125億円の損失が発生し、去年4月から12月期の連結決算で処理することを発表しました。東芝は去年の12月時点で最終損益がおよそ5,000億円の赤字となっていて、1,912億円の債務超過となりました。損失を穴埋めするために半導体事業のすべての株式の売却も視野に入れていますが、今期末に債務超過を避けられるかは不透明な状況です。志賀重範会長は今日付けで責任をとって辞任するとしています。東芝はまた、きのうに予定されていた決算発表を1ヵ月延期しました。アメリカの原発事業で新たな不正が疑われる内部告発があったためで、調査の結果によってはさらに業績が修正される可能性があります。これをうけ、東芝の株式はきのう一時10パーセント近く下落する場面もありました。
 

残業上限 年720時間に
「働き方改革実現会議」がきのう行われ、時間外労働の上限を年間720時間、月平均で60時間とし、これを超えた場合には罰則を課すという政府案が示されました。ただ、繁忙期に特別に認める上限については労使間で意見の隔たりがあり、明記しませんでした。会議後、連合側は経団連側が許容できるとする繁忙期の上限を月100時間とする考えには反対としました。今後、労使を中心に議論を進め、来月中に働き方改革の実行計画を取りまとめる運びです。
 

三井住友トラストHD 大久保氏が社長昇格へ
三井住友トラスト・ホールディングスは北村邦太郎社長の後任に大久保哲夫副社長が4月1日付で昇格する人事を発表しました。中核子会社の三井住友信託銀行の常陰均社長の後任には橋本勝副社長が就任します。経営陣の若返りをはかり、ガバナンス体制を強化します。
 

中国 消費者物価↑2.5%
中国の1月の消費者物価指数は1年前に比べて2.5%上昇しました。上昇率は去年12月の2.1%から0.4ポイント拡大し、2年8ヵ月ぶりの大きさとなりました。燃料価格の高騰などで交通や通信が値上がりし、旅行も大幅に上昇しました。一方、1月の卸売物価指数は6.9%上昇し、こちらは5年5ヵ月ぶりの高い伸びとなりました。
 
 
北朝鮮 金正男氏 暗殺か
韓国のメディアなどはきのう、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の母違いの兄である金正男氏がマレーシアで殺害されたと伝えました。ロイター通信がマレーシア警察当局の話として報じたところによりますと、金正男氏はおとといマカオに向かうためマレーシアのクアラルンプール国際空港にいた際、何者かから顔に何か吹きかけられ体調が悪くなり、その後、病院へ搬送中に死亡したということです。韓国メディアは、正男氏が北朝鮮の工作員とみられる2人組の女に毒針で刺されたと伝えていて、マレーシア警察が死因を調べています。中国政府と近い関係にあったとされる正男氏は、正恩氏の政治的地位を脅かす存在とみなされ、殺害されたとの見方も出ていて、殺害が事実であれば中朝関係に影響を与える可能性もあります。
 

都議会 民進党系2会派が合流
7月に控えた東京都議会議員選挙に向けて、都議会ではきのう、2つに分かれていた民進党系会派が合流し、新会派を設立したことを発表しました。会派名には民進党の名称は使わず、新会派「東京改革議員団」とし、小池知事を支持する姿勢を明確にしました。新会派は「都議会民進党」と「民進党都議団」の2会派が合流したことにより、所属議員が18人になり、自民、公明に次ぐ規模となりました。今後は民進党以外の会派にも合流を呼びかけ、小池知事の改革の後押しをしたい考えです。
 

プジョー・シトロエンがオペル統合へ
フランスの自動車大手プジョー・シトロエン・グループが、GM=ゼネラル・モーターズ傘下のドイツのオペルを統合する方向で最終調整に入ったことが明らかになりました。ロイター通信によりますとプジョー・シトロエン側は「収益性や経営効率の向上に向け、オペルとの統合を含めた多くの戦略的構想をGMと模索している」としています。もし統合すればEU市場でのシェアはおよそ17%に達し、ルノーを抜き2位に浮上します。
 

■【コメンテーター】三菱東京UFJ銀行/内田稔氏

・ イエレンFRB議長議会証言、3月利上げも?

--イエレン議長の議会証言ですけれども、ややタカ派だったというふうに受け止めればいいですか。

「そうですね。1月下旬にもイエレン議長は自分も含めて多くの同僚が2019年までに年2、3回の利上げが可能だということを言ってますので、かなりアメリカ経済は強気ですし、あとはやはりトランプ政権の財政を意識して、多少、利上げを早めたいという意向を持っているかもしれません。」

--となると次回の3月会合も利上げ排除せずということですかね。

「そうですね。ただ3月は債務上限の期限と、あとはオランダ総選挙などもありますので、今はそんなに賃金が上がっているわけでもないですから、3月はちょっと難しいと思っています。」

--となるとやはり会見のある時というふうに、利上げはしたいということだと思いますけれども、限られてきますね。

「やはり6月が最優良候補だと思います。」

--利上げを言い出すと、だいたいマーケットが反応して、足を引っ張るということが今まで続いてきましたが、マーケットを見ますと株価は強いですね。

「そうですね。今は先行きに対する期待が強いので、なかなか利上げ観測がそんなにネガティブにはなっていないですね。」
 

・ 今日の経済視点 「ドナルドトランプ、ザ・ビジネスマン」

「日米首脳会談では、円安が牽制されなかったとか、日銀の政策に批判が出なかったとか、あるいは尖閣が対象になるということで、100%の出来だったというような感じなんですけれども、日本が新たに得たものって特に何も無いんですが、もともとトランプさんの要求が高かっただけに、ものすごく安心しているという状況なんですね。ただこれはビジネスのテクニックで、最初に高い球を出しておいて、あとから現実的な要求に切り替えてくる。まさに今後、麻生財務大臣とペンス副大統領との協議の場で、おそらく現実的要求もいろいろ突きつけられると思いますから、トランプ大統領という側面とともに、ビジネスマンとしてのトランプさんと、今後4年間、日本は付き合っていくということになりますので、いろいろと難しい場面も出てくるだろうなというふうに考えられます。」