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モーニングサテライト・ウォッチ

2017.2.10 Newsモーニングサテライト

2017年02月10日 21時38分20秒 | MS
■マーケット
 
NYダウ118ドル高 最高値更新
今年の冬は暖冬といわれ、ここまで気温が低い日も少なかったのですが、一変しました。9日のNYは風もあり、時折横殴りの吹雪のような状況。この雪の影響でNY市の多くの学校は休校になりました。また3,800便以上のフライトがキャンセルになっているということです。さて9日のNY株式市場ですが、株価はそろって反発しました。トランプ大統領が近く税制に関する発表をすると発言したことを受け、金利が上昇し金融株がしっかり。原油価格の持ち直しでエネルギー株も上昇し、相場をけん引しました。セントルイス連銀のブラード総裁が物価上昇圧力は抑えられていて、低金利の継続を示唆したことも安心感につながったようです。終値は3指数とも高値を更新しました。ダウは反発。118ドル高の2万172ドル。ナスダックは3日続伸、32ポイント上昇の5,715。S&P500も3日続伸、13ポイントプラスの2,307でした。

【NY証券取引所中継】米消費関連 コスト削減で明暗
解説は三井住友アセットマネジメントNYの三浦仁孝氏
 
--主要指数しっかりですね。
 
はい、トランプ大統領が税制改革について、「数週間以内に発表する」と示唆したことが材料視され、株価は堅調です。航空業界の規制緩和などにも言及したことで、航空大手の株価上昇も目立っています。
 
--さて今日発表された決算で、注目の企業があるようですね。

個人消費関連の安定銘柄の代表格、ケロッグとコカコーラです。両社とも10-12月期決算については、特段、問題はなかったのですが、差がついたのは2017年の見通しです。コカコーラは2016年に比べ、市場予想の3%増益に対して、1~4%減と厳しいものになった一方、ケロッグは市場予想のプラス6%に対し、プラス4.5~6.1%と、そこまで大きな下振れにはならず、株価もしっかりしています。
 
--この違いは何なんでしょうか。

これはコストカットによる効率化です。ケロッグは昨年の夏から利益率向上のプログラムを打ち出して、不要なディスカウントをやめたり、製品のサイズを小さくして単価の引き上げなどを進めています。こういったコストカット余地がまだあるケロッグに対し、コカコーラは既に効率化されており、大規模なコストカットは掲げにくいという点が見通しにも表れたようです。
 

【NY証券取引所中継】米株はドル高を織り込んでいない?
解説は三井住友アセットマネジメントNYの三浦仁孝氏
 
--久々のしっかりとした動きですね。

そうですね。トランプ大統領が税制改革について、「数週間以内に発表する」と示唆したことが材料視され、株価は堅調です。航空業界の規制緩和などにも言及したことで、航空大手の株価上昇も目立っています。
 
--さてアメリカ経済の先行きを考えるにあたって、ドルの動きが気にされてますよね。

はい、先日、ワシントンでの取材で、ブッシュ政権・オバマ政権のもとで、2007~2014年までIMFスタッフとして活躍していた為替の専門家は、はっきりと「ドル高の懸念」に言及していました。トランプ大統領の発言などノイズはあっても、今後予定されている政策などを考慮すれば、避けられない動きで、ワシントンではこういった見方が大勢だったように感じました。
 
--一方でここまでの株式市場の反応はどう見たらいいですか。

今の株式市場は今のドル高の影響をほとんど気にしていません。それは海外売上比率が高い企業の株価の動きを見ても分かります。海外比率が高い企業は、ドル高が株価にはマイナスに働くのが一般的ですが、S&P500構成企業でデータが採れる330社ほどの中で、海外比率が高い上位2割の銘柄の大統領選後の平均リターンは、S&P500全体のリターンを上回っています。
 
《株価のリターン(16年11月9日~17年2月8日》
 ・ 海外比率高い上位2割 9%
 ・ S&P500 6%。
 
--なるほど、ただ今後も心配しなくていいのでしょうか。

いえ、そうとも言い切れません。今回の企業決算でも2017年の見通しのなかで、ドル高の悪影響を気にする声は少ないのが現実です。ただトランプ大統領が矢継ぎ早で政策を実行していく局面で、市場の目がファンダメンタルズに向いていく場合、想定以上にドル高が影響する可能性は否定できず、今後も為替のトレンドの変化には注意が必要かと考えています。
 

【為替見通し】注目ポイントは「日米首脳会談後も山場続く」
解説はフィスコNYの平松京子氏
 
--ドル高が進んでしますが、NY市場を振り返っていかがでしょうか。

アメリカの雇用関連や卸売り在庫、売上指標の好結果に加えて、トランプ大統領が2~3週間のうちに目を見張るような税制改革案を提示することを明らかにしたため、大幅減税の期待が再燃し、債券利回り上昇に伴うドル買いや、リスク先行の円売りが強まりました。

--今日の予想レンジは、112.50~114.00円です。

東京時間はトランプ政権の支援策への期待感が続き、ドル円は堅調な推移を予想しますが、日米首脳会談への警戒感に上値も限定的になるとみています。
 
--注目ポイントは「日米首脳会談後も山場続く」です。

会談で安倍総理は資金供給はデフレ脱却が目的で、円安を目指した措置ではないと理解を求め、対米投資・雇用創出に協力する案を提示する模様です。資本が米国に流入する流れに変わりはなく、会談後は警戒感が払拭、ドル買いが再び強まるとみています。さらなるドル買いへの期待感の高まりは、会談後のイエレンFRB議長の議会証言や、月末のトランプ大統領の議会演説がカギとなります。特にトランプ大統領の議会演説で、今日示唆したような減税やインフラなどの雇用創出の依頼が出てくれば、今の水準から10~15%ほどのドル上昇余地が確認されると考えています。
 
【日本株見通し】注目ポイントは「思考停止が解けるか?」
解説は野村証券の若生寿一氏
 
、注目ポイントは思考停止が解けるか?日本株の明確な主役は見えず。
 
--今日の予想レンジは、18950円~19250円です。アメリカ最高値更新です。東京もこの流れに乗れそうでしょうか。

そうですね、アメリカ株・ドル円の上昇を受けて、今日の日経平均は反発して、25日移動平均が昨日時点で19115円なんで、これを取り返しに行く流れかなと思っています。ただ日米首脳会談を前に動きづらい状況が続きやすいので、日中は為替と業績がらみの個別銘柄の動きに目配りの展開ということだと思っています。
 
--注目ポイントは「思考停止が解けるか?」です。

(フリップ:日本株の明確な"主役"見えず)
図を見ていただきたいのですが、これは東証の33業種をそれぞれの性格によって4グループに分けて、TOPIXと比較しているんですね。相対株価の動きなんですね。上がっているときが相場を支えているときだというふうに見ていただければいいんですが、これによればブレグジットの後の相場感というのは、製造業などの景気敏感、アメリカの大統領選挙の後は、金利上昇を受けた銀行などの金利敏感、これらがけん引役だったというのはハッキリしているんですね。ところが年明け後、ほぼ横ばい圏で明確な主役が見えない状態です。景況感や企業業績の改善にもかかわらず、景気敏感が動かない。逆にディフェンシブも変われないような状況です。トランプ大統領の政策具体化を待ちつつ、特に日米首脳会談を前にしてマーケットが動けない、思考停止に見えるということです。
 
--となると会談が終われば動き出しそうですか。
 
そうですね。どちらにせよ、方向性が見えれば、この思考停止が解けると思っています。大統領1人の発言で日米の景気がすぐに悪化するわけではないですから、足下の景気の方向感からすると、製造業などの景気敏感がけん引するというふうに見ております。
 
 
■【プロの眼】米旗 株価は高値更新する
アメリカの株価は2万ドルを超えたあと高値圏で推移しているが、さらに高値を更新する可能性がある。アメリカの景気循環や金融政策との観点から分析する。解説はJPモルガン証券の菅野雅明氏。
 
--「米旗 株価は高値更新する」ということで、今日も高値更新ペースで来ていますけれども、まだまだ上値の余地があるということですか。

(フリップ:高値更新の可能性は?)
「そうですね、アメリカの株価の状況というのを景気循環と、それとアメリカの金融政策の2つの観点から見ていきたいと思います。まずこちらのフリップにありますのが、(薄いブルーの)シャドウ部分がアメリカの景気後退期なんですけれども、株価は景気後退の少し前にピークアウトすることが過去は多いです。」

(フリップ:株価ピークと景気後退入りの表)
「1950年代から9回の景気循環があるんですが、こちらの表をご覧いただきますと、これは平均するとだいたい6ヵ月になりまして、株価は景気後退(循環)の6ヵ月ぐらい前に動くということがよく言われているわけですけども、実際どうだったかというのを見ると、実は一番長くて13ヵ月なんです。」
 
--ピークを打ってから景気後退に入るまでの間が、長くても13ヵ月だと・・・。

「まぁ0ヵ月ということもありますけど、ここから言えることはこの9回の景気回復局面なんですけれども、株価のピークは景気後退の13ヵ月前までに起きている。これはあくまでも経験則なんですけども、ここは13ヵ月というのがポイントでして、もしアメリカの景気が今後13ヵ月以内に景気後退するのであれば、今が株価のピークの可能性があるんですが、もしもっと先なら株のピークはもっと先だということになるわけです。となると次に重要なのが、いつ景気後退に行くかということですね。」
 
--そういうことですね、景気後退に入るところから、1年前ぐらいからちょっと見ていけばいいんですもんね。
 
「以前はアメリカの景気後退確率とか、この番組でもお話ししましたけれども、去年の後半に景気回復、景気の指標が少し良くなりましたので、1年以内に景気が後退する確率はかなり低くなっている、とJPモルガンではみております。」

(フリップ:大幅利上げ後に景気後退)
「次に、金融政策との関係なんですが、これは過去3回の循環なんですが、実際に景気後退になる前に、グリーンのグラフ(FF実効レート)がかなり上がってきています。」
 
--すなわち利上げをしているということですね。皆(3回とも)、急激に上げた後に景気後退になっている。

「今回はどうなっているかというと、2回アメリカは利上げしましたけれども、まだまだ金利の水準は低いですね。FOMCの平均的な見方ですと、2017年中に3回利上げするというふうに見ておりますけど、それでも年末の金利水準はまだ1.5%を下回っています。まだまだ過去に比べると、金利の上昇幅は1年後でもまだ低いだろう。ということは、まだその直後にすぐ景気後退になるリスクもまだ低いとみております。」
 
--そうなるとまだまだ株価は高値を狙う可能性があるということになりますね。

「そうですね。その辺は景気指標を見ながら、どの辺に先行きそういうリスクがあるのかを見ていくということが必要になると思います。」
 
--なんとなく半年~1年ぐらいは大丈夫かもということが見て取れますが、1つ、直近の赤いグラフ(FF実効レート)と緑のグラフ(S&P500株価)の開きが過去に例が無いぐらい開いている。この先、景気後退の時の反動というのがちょっと怖いですね。

「そうですね。FRBが急激に利上げをしますと、当然株の割高感が出てきて、急速な調整というのもあり得るということだと思いますね。」
 
--しっかりと見ていかないといけないけど、すぐには(景気後退は)来ないだろうというのが菅野さんの見立てですね。
 
 
■【中国NOWCAST】
今回の中国ウオッチャーは東洋証券の杉野光男さんです。ピックアップトピックは「次の節目は7」「春節の海外旅行はどこへ?」「消費パターンを3つに分類」です。中国の人民銀行が発表した1月末の外貨準備高が節目の3兆ドルを割り込みました。しかし、外貨準備高が減ったことよりも元安が問題で杉野さんは1ドル=7元が次の節目だと話します。
 
《フリップ:中国NOWCAST》
(1) 次の節目は「7」
(2) 春節の海外旅行はどこへ?
(3) 消費パターンを3つに分類
 

(1) 次の節目は「7」

(フリップ1:外貨準備、節目の3兆ドル割れ)
中国人民銀行は7日、1月末の外貨準備高が2兆9982億ドルだったと発表した。杉野さんは、3兆ドルという節目を割ったことで、次の節目は「7」だという。
 
 
 
《東洋証券/杉野光男氏》
(フリップ2:節目は1ドル=7元)
外貨順部高が減ったというよりも、やっぱり元安の問題です。節目の1ドル=7元をめぐる神経質な動きが続くと思います。ただ今現在、中国経済が好転するためには、しばらく時間がかかるという状況下において、少なくとも習近平政権が痛みを伴う構造改革を断行するという明確なシグナルを出さないと、この流れを止めるのは難しいと思います。」
 

(2) 春節の海外旅行はどこへ?

中国の大手旅行サイトは6日、春節の1月27日~2月2日までの海外旅行の動向を発表した。

(フリップ3:春節に人気の海外旅行先は?)
人気の海外旅行先は1位(タイ)、2位(日本)、3位(フランス)、4位(イタリア)、5位(インドネシア)など。

東洋証券・杉野光男によると、これまでタイ・日本と並んで人気の高かった韓国がベスト10から外れていることに注目。在韓アメリカ軍のミサイル迎撃システムTHAADの配備を巡って、中国が反発していることが影響としているのでは、としている。一方、PM2.5の影響から逃れるため、プーケットやバリなど空気がきれいで暖かく、アクセスが便利な海外のリゾートビーチが人気だそう。
 

(3) 消費パターンを3つに分類

2日の新華社では政府のシンクタンク中国社会科学院金融研究所が発表した賃金に関する分析報告書を紹介している。題して「月光族・忘財族・理財族、あなたは何族ですか?」

《東洋証券/杉野光男氏》
「月光族はムーンライトではなくて、中国語の"光"の意味は、モノを使い果たすことやすっからかんになるという意味があるんです。ですから月光族という意味は、月給を全部使い果たして、貯蓄する余裕のない人達のことを月光族と言っている。」
 
(フリップ4:忘財族・理財族)
月光族は経済発展の遅れた地域に多く、20歳~35歳の若年層である。そして忘財族は財テクを忘れるという意味で、貯蓄や資産運用をしない人。一方、理財族は月収の余剰金を使い、資産運用を行う人を指している。杉野さんは、今後、この理財族は増える可能性があるという。

《東洋証券/杉野光男氏》
「社会科学院の発表によると、この約10年間で給与所得者の収入は約3倍に増えている。一方、市場経済が進む中で、金融商品はこの10年で10倍の規模になっている。ですから10倍の規模になっているにもかかわらず、それの利用者は理財族にまだ限定されている。ということは、まだまだ中国では金融商品は伸びしろがある。」
 

■日経朝特急
 
株主提案権、乱用防ぐ
法務省は株主総会で、株主側から議案を提起する株主提案権の乱用的公使を防止するため、新たな措置の具体的な検討に入った。金田法務大臣が法制審議会に会社法改正を諮問した。1人の株主が大量の提案を出し、起業に過度の負担をかける事例もあり、回数制限などを検討している。
 
 
インターン採用、世界で
ユニクロを運営するファーストリテイリングは、日本をはじめ16の国と地域でインターンシップを実施する。優秀と判断すれば採用も検討するなど、成長の軸足を海外に求める中で人材確保を急ぐ。
 
 
不動産融資、最高に
日銀がきのう発表した貸出先別貸出金によると、去年の金融機関による不動産融資は前年を15.2%上回る12兆2806億円で、伸びも2倍以上になった。地価上昇でREIT・不動産投資信託向け融資などが増えた。バブルと言える状況にはないものの、節税を目的としたアパートの過剰建設など、ひずみも広がっている。
 
 
■日刊モーサテジャーナル
 
米最高裁判事候補、大統領を痛烈批判(ワシントンポスト)
世界中で物議をかもしているトランプ大統領の入国禁止令について、大統領自身が指名した最高裁判事候補がトランプ大統領の言動に不満を新たにした。最高裁判事候補ゴーサッチ氏と面会した民主党のブルーメーソル上院議員によると、ゴーサッチ氏は「大統領による批判は裁判官のやる気をくじく」と述べ、自分自身の思いを感情的に強い口調で訴えた。対するトランプ大統領は早速反応。その怒りの矛先は大統領を批判したとされる最高裁判事候補ではなく、ブルーメーソル上院議員に向かっている。大統領は、「ブルーメーソル氏はベトナム戦争を戦ったと言ってきたが、実際は戦っていない。大嘘だ。今度はゴーサッチ氏の発言をゆがめて伝えるつもりなのか。」とツイッターで激しく攻撃した。
 
 
米金利上昇で借り換え活発に(ウォールストリートジャーナル)
去年の大統領選以来、アメリカの長期金利が上昇傾向にある中、金利が更に上ってしまう前に、借金を借り換えようという動きがアメリカ企業の間で加速している。記事によると、今年1月、アメリカ企業による借り換え額が1000億ドル(およそ11兆2000億円)に達し、ここ10年で最も多くなった。投資格付けが低い企業も借り換えに積極的、信用が低い企業に対して銀行が二の足を踏むと思いきや、これを取り込む姿勢を示している模様だ。背景について、記事は、ローン債権を買い取ろうとする投資家の動きが活発になっているため、と分析している。
 
 
地球温暖化、南極に新たな異変(ニューヨークタイムズ)
地球温暖化が止まらず、南極に新たな異変だ。記事は、「南極の氷のヒビがここ2ヶ月で17マイル(27キロ余り)伸びたとの見出しで警鐘を鳴らしている。この氷のヒビは長さが既に160キロを超え、幅も最も大きいところで3キロを超えているとのこと。記事は、「さらにヒビが広がれば今後、数ヶ月の間に氷が割れ、史上最も大きな氷山が海を漂うとしている。」、との専門家の見方を掲載している。また別の専門家は、「氷の塊が小さくなればなるほどもろくなってしまう。」と温暖化で変貌する南極の現状に危機感を示している。
 

・ 「米金利上昇で借り換え活発に」について

--低格付けの企業の債券というのがまだまだニーズがあるということなんですね。借り換えも活発で。
 
「そうですね。まず第一に金利の水準がやはり低いんですよね。いま10年債の国債の利回りが2.4ですので、期待インフレ率2.0との差0.4、これは極めて低い水準です。それと社債の場合には国債の金利に上乗せスプレッドというのがあるわけですけど、これも歴史的に超低い水準ですので、そういう意味ではお金がジャブジャブにあるということですね。」
 
 
■今日の予定
 
1月企業物価指数
決算(NTT、三井不動産)
中国1月貿易統計
日米首脳会談(ワシントン)
米1月財政収支
 
 
■ニュース
 
米 トランプ大統領 新幹線を評価 インフラ整備急ぐ考え
アメリカのトランプ大統領は9日、日本の新幹線システムなどを評価した上でアメリカでの社会インフラの整備を急ぐ考えを示しました。また、税制改正について「驚くべき発表を行う」と述べました。
《トランプ大統領》 「日本や中国に行けばどこでも高速鉄道があるが、アメリカには1つもない。アメリカの管制システムや空港、列車、道路は時代遅れだ。全て変える。」
トランプ大統領はアメリカの大手航空会社の経営者に対しこのように述べ、インフラへの投資を積極的に進める考えを強調しました。また焦点となっている税制改正について「数週間のうちに驚くべき発表を行う」と強調しました。こうした中アメリカの政府高官は9日、トランプ大統領が安倍総理大臣との首脳会談で日米同盟の重要性を確認するとともにアメリカの尖閣諸島に対する防衛義務について言及するとの見通しを示しました。また、経済分野についても「かなり深い議論を行う」とした上で、為替相場の動向について「主要な議題ではないが、会話の中で自然に出てくるかもしれない」と述べました。
 

ツイッター 最終赤字↑85%
ツイッターが発表した去年10月から12月の決算は売上高は広告収入が伸び悩んだことから1年前に比べおよそ1%の増加にとどまり、市場予想を下回りました。また、赤字幅はおよそ85%拡大しました。一株利益は、予想を上回りました。一方、月間の実質利用者数は3億1,900万人で、4%増えました。決算を受けてツイッターの株価は一時、12%以上下落しました。
 
最終赤字 1億6705万ドル(赤字拡大)
1株利益 16セント(予想上回る)
月間実質利用者 3億1900万人(↑4%)
 
 
コカ・コーラ減収減益 ドル高も影響
アメリカの飲料大手コカ・コーラの去年10月から12月期の決算は、減収減益でした。ドル高や、北米のボトリング事業の再編でコストがかさんだことなどが、影響しました。一株利益は、市場の予想と一致しました。ただ、17年通期の1株利益見通しを下方修正したことから、コカ・コーラの株価は、一時3%以上下落しました。
 
売上高 94億 900万ドル(↓6%)
純利益  5億5000万ドル(↓56%)
1株利益 37セント(予想と一緒)
17年通期見通し 1株利益↓1~4%(16年比)
 
 
米 新規失業保険申請者↓1.2万人
アメリカの先週1週間の新規失業保険申請者数は、前の週から1万2,000人減って23万4,000人と、金融危機以降で2番目に低い水準となりました。またトレンドを示す4週移動平均は、3,750人減少し、24万4,250人でした。
 

安倍総理大臣 間もなくワシントン郊外到着
安倍総理大臣は、アメリカのトランプ大統領との直接会談に臨むため、まもなくワシントン郊外に到着します。会談では日本の自動車市場や金融為替政策への批判を繰り返すトランプ大統領に対し、前向きな経済関係を築く糸口を見いだせるか安倍総理の交渉力が問われています。安倍総理は「ウィンウィンの関係として共に発展していく。自由で公正なルールに基づく両国の経済関係をさらに発展させていくことを確認する首脳会談にしたい」と述べました。
安倍総理はトランプ大統領との首脳会談で、高速鉄道計画へのインフラ投資や、シェールガスの購入拡大など政策パッケージを提示し、トランプ大統領が重視するアメリカ国内の雇用や投資拡大への貢献を強調するとみられます。また、日米の経済協力については、麻生副総理とペンス副大統領をトップとする新たな協議の枠組みを提案する考えです。
 

日本マクドナルドHD 3期ぶりに黒字転換
日本マクドナルドホールディングスの去年12月期決算は、商品への異物混入問題などで離れた客足の回復が進み、3年ぶりの黒字転換となりました。
《日本マクドナルドHD/カサノバ社長》
「2016年はいい結果を出せた。ビジネスのスピードを取り戻し成長の基盤づくりができた。」
日本マクドナルドの売上高は、1年前から19.6%増の2,266億円に拡大、本業のもうけを示す営業利益は69億円と、3年ぶりの黒字転換となりました。イメージ改善に向けた店舗改装や期間限定メニューの相次ぐ投入などが貢献しました。また、カサノバ社長は、アメリカのマクドナルドが検討する日本マクドナルドホールディングス株の一部売却に関しては、「アメリカ本社から新たな情報はない」と述べるにとどめました。
 

自動車決算 円高で大手6社が減収
自動車大手の去年4月から12月期の決算が出そろいました。為替相場が円高にふれたことから、大手7社のうち6社が減収となりました。日産自動車が、きのう発表した決算は、売上高が1年前から7.6%減の8兆2,647億円、営業利益が14.3%減の5,032億円と減収減益でした。このほか、トヨタやマツダも円高が収益を圧迫したことなどから減収減益になりました。三菱自動車は、リコール費用が重なり、7年ぶりの営業赤字に転落しました。一方で、トヨタ、ホンダなど4社は、去年11月のアメリカ大統領選以降、円安傾向となっていることから、今年3月期の業績予想を上方修正しました。
 
 
ファミリーマート 偽造チケットが流通
コンビニ大手のファミリーマートは、都内の3店舗に納品したイベントなどのチケット用紙およそ3,200枚がなくなり、一部が偽造チケットとして使われていたと発表しました。偽造チケットはネットオークションを通じて出回ったとみられ、去年の年末に開催された音楽イベントの会場で見つかったということです。ファミリーマートはチケット用紙の窃盗容疑で警視庁に被害届を提出しています。
 

会社法改正 株主総会資料 ネット提供へ
金田法務大臣は、企業が株主総会を開く際、株主に送る事業報告書などの資料をインターネット上で提供できるようにする会社法の改正について法制審議会に諮問しました。現行の会社法は、株主の承諾がない場合、事業報告書などを書面で送るよう義務付けており、コスト削減などのメリットが期待されています。法務省は法制審議会で1年半から2年議論したのち、改正法案の国会提出を目指す考えです。
 

小池都知事 宮城県の被災地で献花
東京都の小池知事は、きのう、東日本大震災で被災した宮城県内の沿岸部を訪れ、がれきを活用して作られた「千年希望の丘」で慰霊碑に花を手向け犠牲者を悼みました。その後、震災直後にランドセルを手渡した小学6年生5人と再会しました。
 
 

■【ネタのたね】プレミアム・インセンティブショー
東京ビッグサイトで開催中のプレミアム・インセンティブショー。販売促進にかかわるグッズやツールが集められた専門の展示会で店頭のPOPや看板などが並ぶ。今回は特にITを活用した販促ツールが目立ち、27年目にして初めてロボットが展示されている。その特徴と期待される用途を伝える。
 
・ コンピュータで水滴を制御し、文字やロゴなどを空中に形作る技術「ウォーターサイン」
・ スマホやタブレットで簡単にできるプロジェクションマッピング「CPMap」
等々
《クレスト/橋本敏邦さん》
「商店、飲食店にも使ってもらえるような金額まで落として提供できるサービスをやっています。」

さらに今年は、サービスロボットの展示もあった。
モーションフィギュアロボット「高坂ここな」など
《スピーシーズ/松本公三さん》
「企業の受付や医療分野、介護、教育などで利用してもらえればと考えている。」
 
 
 
■【コメンテーター】JPモルガン証券/菅野雅明氏
 
・ 「インフラ整備・減税」、市場には安心感

--トランプ大統領から市場が待っていたものがようやく出てきそうですね。インフラ整備や減税ですね。

「もともとトランプ相場の背景には減税・インフラ・規制緩和の三本柱があったわけですけど、もうそのうちの2つがここで具体化する兆しが出てきたので、市場も少し安心したということだと思うんですけど、そのうち特に、インフラ投資については、日本が協力できる余地がかなり大きいわけですので、安倍・トランプ会談で、安倍総理がその辺を丁寧にトランプ大統領に説明すれば、ウィンウィンの関係が築けるという、そういうような形に持って行ってほしいと思います。」
 
--今日はかなり長い時間、ご一緒するということですが、ただ為替に関しては、自然の会話の中に出てくるかもしれないと・・・。それが一番怖いことですね。普段はスタッフがちゃんと地ならしした後の首脳会談ですからね。
 
「そうですね。その辺のところがなかなかちょっとまだ予想しがたいところがありますね。」
 
 
 
・ きょうの経済視点 「歴史に学ぶ」

「今日申し上げましたように、アメリカの株価を見る上でも、戦後の9回の景気循環を見ながら考えると何か見えてくる。例えば、最近のアメリカだと、トランプ大統領のツイッターに反応するのはしょうがないことなんですけど、合わせて長いスパンで考えることが大事ではないか。」