STING(Stimulator of interferon genes)のページを更新
- STING(Stimulator of interferon genes)は、腫瘍における炎症と抗腫瘍免疫応答を増強します。STINGの活性化により、腫瘍微小環境における炎症が促進されるとともに、T細胞では活性化状態が増強されます。
STINGは、樹状細胞(DC)やマクロファージを含む、抗原提示細胞(APC)で発現する細胞内タンパク質です。
STINGは、APCを刺激して細胞傷害性T細胞の活性化を誘導する、自然免疫活性化因子です。
細胞内の感知タンパク質が病原体や死にゆくがん細胞のDNAを検出したときに活性化されます。
STINGの活性化は、インターフェロン(IFN)、腫瘍壊死因子α(TNFα)等の抗腫瘍免疫を増強する炎症性サイトカインの産生および分泌をもたらします。
IFNにより、APCが刺激されてT細胞が活性化し、T細胞の増殖、腫瘍微小環境への遊走を惹起し、腫瘍における炎症が増強されます。
IFNにより、メモリーT細胞の生存が促進されるとともに、ナチュラルキラー(NK)細胞および細胞傷害性T細胞の抗腫瘍免疫応答が増強されます。
STINGはNLRP3(Nucleotide-binding oligomerization domain-like receptor family, pyrin domain-containing 3)インフラマソームも活性化し、サイトカインのさらなる産生を促します。
STINGの発現低下は、がんの転移との関連が示唆されています。
<出典:Wikipedia>