やけど、切り傷、交通事故で受傷したら形成外科専門医を受診すること
生命を脅かす外傷や骨折などがあればその治療が優先されますが、それ以外であれば皮膚の傷は形成外科専門医による治療を受けると良いでしょう。難易度の高い治療が必要な場合には大学病院をご紹介させていただきます。
丁寧に創の処置を行ったり、潤い療法を行ったり、傷をきれいに縫合したりと、最初から適切な処置を行わなければ、傷が閉鎖する期間が長引いたり汚く治ったりします。傷をしたら、早期から形成外科専門医に診てもらうことをお勧めします。
傷の縫合を受けて少し心配かなと思う場合には、翌日に来ていただければ「糸の太さ」や「傷の縫い方が大きくないか」、「皮膚がキレイに元に位置に縫合されているか」を確認して、形成外科的にキレイに再縫合を行います。以前に顔の傷を医療用のホッチキスで留められているケースもありました。
けがの応急処置について
１）傷についている汚れを流水できれいにする
傷についた泥やほこりを落とさなければなりません。やけどの場合と同様に流水で洗い流してください。水道水で結構です。色の付いた消毒薬などを用いると、診察の際に傷の状態が観察できなくなってしまいます。昔使われていた赤チンもその理由からもお勧めできません。
２）出血している場合は、圧迫止血をする
出血がひどい場合は、傷を直接圧迫してください。傷より心臓に近い部分を縛って止血しなさいといわれますが、手足の傷以外は止血しない場合が多く効果が一定しません。ですからもっとも確実な方法は傷口を直接圧迫する方法です。
３）けがの部分には何も塗らない
傷口にはなにも塗らないでください。軟膏やスプレーなど市販されていますが、傷の状態を覆い隠すものは用いないでください。自宅でたとえば昔のように赤チ ンで消毒するようなことは止めてください。傷口がかさぶたになり早く治ったような印象を受けますが、かさぶたが完全に取れるまでは結果的には日数がかかっ てしまったり、あまりきれいには治らずきずあとが目立ってしまう事があります。
４）けがをしてから長く放置すると
切り傷の場合、傷を縫わずに放置すると傷口にばい菌が増殖し、縫い合わせることができない場合があります。 このような場合には、医療用の清潔なな生理食塩水を使用して洗浄後に縫合を行います。数日経ってから汚染された傷は、怪我をしてすぐに縫う傷とは異なりキ ズアトも目立つことがあります。少しでもきれいに短期間に傷を治すには、早く受診することが大切です。
５）きずは、基本的に乾かさないように治療する。
傷の程度や状況によりますが、汚染されていない傷であれば乾かさずにハイドロコロイドゲルで密封閉鎖療法を行います。傷は乾かさないほうが早くきれいに治 ります。研究が進み、傷を乾かすと傷口の上皮化（傷口に皮膚が張ること）が遅れることがわかってきました。感染が著しく膿が多い傷や浸出液の多い傷を除 き、ほとんどの傷は乾かさないように閉鎖する治療が原則となります。
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