毒まんじゅうはいかが?

CDのレビューとかなんとか

Vulgar Display of Power/Pantera

2015-01-25 19:07:40 | レビュー

<List>
1. Mouth for War
2. A New Level
3. Walk
4. Fucking Hostile
5. This Love
6. Rise
7. No Good (Attack the Radical)
8. Live in a Hole
9. Regular People (Conceit)
10. By Demons Be Driven
11. Hollow

<Member>
・Philip Anselmo(Vocal)
・Darrell Abbott(Guitar)
・Rex Brown(Bass)
・Vinnie Paul(Drums)

1992 年リリースの6th。プロデューサーはあのTerry Dateです。このアルバムでPanteraは一気にブレイク。メジャーなバンドになりました。そして、Metallicaのブラックアルバムと共にモダ ン・へヴィネスという新しいジャンルを形成するきっかけとなりました。といっても、Metallicaは健全、Panteraは俗悪ですが。まず、それま でのへヴィーメタルとは音像が違います。ギターとベースはダウンチューニングされており、ギターリフは弾むようなバスドラとシンクロします。そこへ Philip Anselmoの激おこボーカルが乗ります。このスタイルがへヴィーメタル界を席巻することになります。それどころか、あのJudas PriestのRob Halfordも感化され、音楽性の違いからバンドを離れることになるとは。 曲もミドルテンポからfastなものまでバラエティーに富んでいます。まずはつかみの曲"Mouth for War"、へヴィーな"Walk"、とてもfastな"Fucking Hostile"、PVまで作った"This Love"、"Rise"もリズムと畳み掛ける速さを巧みに使い分けた曲です。後半もミドルテンポのヘヴィーな曲が続きますが、リズムチェンジが多彩でダ レずに楽しめます。締め括りの"Hollow"はバラードですが、そこはPantera。最後はまた怒って終わるのでした。

 

 


After The War/Gary Moore

2015-01-24 17:37:49 | レビュー

<List>
1. Dunluce (Part 1)
2. After the War
3. Speak for Yourself
4. Livin' on Dreams
5. Led Clones
6. The Messiah Will Come Again
7. Running from the Storm
8. This Thing Called Love
9. Ready for Love
10. Blood of Emeralds
11. Dunluce (Part 2)

<Member>
・Gary Moore(Guitar, Vocal)
・Neil Carter(Keyboard)
・Bob Daisley(Bass)
・Cozy Powell(Drums)
・Don Airey(Keyboard)
・Laurence Cottle(Bass)
・Charlie Morgan(Drums)
・Simon Phillips(Drums)
・Brian Downey(Drums)

1989年リリースの9th。プロデューサーはPeter Collins。Gary Moorがツア中にRushにPeter Collinsのプロデュースを勧めたらしいです。前作"Wild Frontier"はあまり音が良いアルバムとは思えないのですが。
さて、このアルバムがひとつの区切りとなります。最後のロックアルバムとなりました。だからというわけではないでしょうが、気合の入った充実した内容となっております。後者はリフワークが冴えまくっています。
タ イトル曲"After the War"から"Speak for Yourself"へ畳み掛けるようにfastなロックチューンが流れ、アルバムの中程では彼のお得意のブルージーなRoy Buchananの"The Messiah Will Come Again"をカバーしています。一昨年の冬は"Parisienne Walkways"(邦題:パリの散歩道)が話題になりましたが、
彼の音の綺麗なオーバードライブ・トーンで時折速弾きを交えてブルーズをプレイ というスタイルが披露されています。彼はフィードバックなんかも含めてギターを制御するのがとても巧いですね。まだこの頃は白いシャーベル社のストラト キャスターなんかを使ってアーミングもしていたと思うのですが、このアルバム以降はレス・ポールを使っている姿しか見たことがありませんでした。かなり体 型も変わりましたが。当アルバムはレコーディングから気合が入っています。ドラマーに多彩なメンバーを起用しています。Brian Downeyはありとして、Simon Phillipsですよ?この人はテクニックは凄いけど結構節操がありませんね。メインにCozy Powellということでしたけど、すぐに辞めてツアーではChris Sladeを充てています。"This Thing Called Love"はVAN HALENを意識したそうで、なんとなくEddie Van Halenのプレーを意識させるブギーですね。で、最後に"Blood of Emeralds"です。Thin Lizzyファミリーであることを強く感じさせる傑作です。という充実したロックアルバムなのですが、あまり取り上げられることは少ないです ね。"Wild Frontier"の方が代表作に挙がる事のほうが多いような気がします。もっと取り上げられていいです。Ozzy Osbourneも参加しています。彼はGary Mooreが好きなんですね。

 

 


Starless and Bible Black/King Crimson

2015-01-23 23:57:49 | レビュー

<List>
1. The Great Deceiver
2. Lament
3. We'll Let You Know
4. The Night Watch
5. Trio
6. The Mincer
7. Starless and Bible Black
8. Fracture

<Member>
・Robert Fripp(Guitar, Mellotron)
・John Wetton(Bass)
・Bill Bruford(Drums)
・David Cross(Violin,Mellotron)

1974 の6th。このアルバムは日本各地津々浦々、子供からお年寄りまでお茶の間で話題騒然の通り、1973年11月23日に行われた、オランダのアムステルダ ム・コンセルトヘボウ公演の録音に多少オーバーダビングをして手を加え、ちょちょいのちょいで作ったとされる信じ難い事実を後世になって知らされたときに は本当にお茶の間ドッカン!(爆)なのでした。

いや、本当は誰も共感してくれる人が周りにいないもので(涙)。"Lament"、"The Night Watch"、"Trio"、"Starless And Bible Black"がそれにあたります。それくらいいい物が録れたんでしょうし、インプロバイズの中に高い緊張感があり「ゆるゆる」なジャズにはなりえないので した。King Crimsonというバンドはそういうバンドなんだなと思いつつも、なぜ、EP扱いの"VROOOM"をフルレンスアルバムに昇格させなかったのかフィ リップ翁に問い詰めたい気分なのでした。"The Night Watch"はその変わったボーカルメロディーが世の中のどの曲にも似ていないし、"Trio"という静かな曲ははMellotronという楽器がどうい うものかはっきりさせてくれるのにいいです。"Starless and Bible Black"はBill BrufordとJohn Wettonのリズム隊が暴れる中、Robert Frippのギターが呪文のように絡み付いていきます。そして、11分の大作"Fracture"。非常に演奏が難しい曲だそうです。静と動のコントラス トが激しく、後半は非常にメタリックです。"Starless and Bible Black"~"Fracture"までは約20分のインストゥルメンタルですよ。これに耐えられたら、あなたもKing Crimsonのファンになる素養があります。


Operation: Mindcrime/Queensrÿche

2015-01-22 21:07:54 | レビュー

<List>
1. Remember Now
2. Anarchy-X
3. Revolution Calling
4. Operation: Mindcrime
5. Speak
6. Spreading The Disease
7. The Mission
8. Suite Sister Mary
9. The Needle Lies
10. Electric Requiem
11. Breaking The Silence
12. I Don't Believe In Love
13. Waiting For 22
14. My Empty Room
15. Eyes Of A Stranger

<Member>
Geoff Tate(Vocal, Keyboard)
Chris DeGarmo(Guitar)
Michael Wilton(Guitar)
Eddie Jackson(Bass)
Scott Rockenfield(Drums)

1988年リリースの3rd。「コンセプトアルバムの中でベストなものは?」と聴かれたら、ジャンルを問わずこれを候補にあげます。Judas Priestタイプのバンドとカテゴライズされていましたが、各プレーヤーはポテンシャルが高く、常日頃から普通のへヴィーメタルバンドより何か違ったも のに挑戦しようと思っていたに違いありません。曲間にSE、場合によっては声優の声を挟み、このアルバムが連続性を持ったものであることを強調しているか のようです。そしてそれは非常に上手くフィットしています。ですが、このアルバムの凄い所は1曲1曲を切り離しても十分説得力のあるものであるところで す。fastな曲は"Speak"、"Spreading The Disease"、"The Needle Lies"の3曲だけですが。ミドルテンポの曲でもとても良い曲ばかりです。多分速い曲はMichael Wilton主導で、遅い曲はChris DeGarmoであることから、へヴィーメタルバンドとしてのアイデンティティーを保っているのはMichael Wiltonなのでしょう。そしてボーカルのGeoff Tateですが、とても上手いです。高い声も素晴らしいのですが低い声も魅力です。Judas PriestのRob Halfordの代わりが務まるでしょう。しかし残念なことは、私はネイティヴの日本人ゆえに英語が理解できない事でしょう。このアルバムを100%堪能 した事にはなりません。


The Dark Side of the Moon/Pink Floyd

2015-01-21 19:22:39 | レビュー

<List>
1. Speak to Me
2. Breathe
3. On the Run
4. Time
5. The Great Gig in the Sky
6. Money
7. Us and Them
8. Any Colour You Like
9. Brain Damage
10. Eclipse

<Member>
・David Gilmour
・Nick Mason
・Richard Wright
・Roger Waters

1973 年リリースの7th。このブログでは自分が良いと思った作品を取り上げようと思い、皆さんに「こんなのダサいから聴くなって」というスタンスは取らないつ もりです。部分的に批判する事はあっても。ですが、今回は売れまくってお金持ちのPink Floydなので、どうかお許し下さい。さてこの作品、本当の所みなさんはどう思いますか?全世界で5,000万枚も売れたそうですよ。私も初期のCDと リマスターSACDハイブリッド(SACDプレーヤーは持っていない SONY CDP-XA55ESで聴いています、じゃなくて最近は圧縮して)2枚で貢献しているわけですが、これを初めて聴いて一発でこれはとても素晴らしいと思っ た人は凄く鋭い感性の持ち主だと思います。はっきり言って訳の解らないコンセプトアルバムで、曲がぶっ壊れて、振り子時計がボンボン鳴り、ホーンセクショ ンが加わり、女性ボーカルが参加してもう本当に訳が解らないです。この作品はアルバム1枚で1曲と捉えて欲しい作品なんでしょうが、一応10曲に分かれて いるので。"Money"は彼らの代表曲でもあり一番ロック色の強い曲です。とてもブルージーであるとも言えます。で、その次の"Us and Them"は前曲とのコントラストが強い癒しの曲です。続いて"Any Colour You Like"~"Brain Damage"~"Eclipse"とA面の訳の解らなさに比べれば随分B面は一般的かもしれません。でも個々の楽曲単位で取り上げて他のアーティストの 作品と比較した場合、"Money"より鳥肌が立つくらい感動する曲とかありませんか?アルバム単位で考えても"The Dark Side of the Moon"より再生回数の多いアルバムはありませんか?何かに書いてありましたが、このアルバムを聴く時はステレオの両スピーカーとリスナーとで正三角形 を作るようにして座禅を組んで座り目を閉じて聴くんだそうです。そうしたらトリップすると。高尚な音楽ですねぇ。きっと"The Dark Side of the Moon"を持っていないとイジメにあうとか、「お前はなにも解っていない」とか言われたりするのでしょう。そうじゃないと全世界で5,000万枚も売れ ませんよ。振り子時計がボンボン鳴るので、安眠用にも使えません。