今日は「球面収差補正不足」をと言ったが、とても一日で説明しきれる物ではない。(僕が覚えた物だけでも)そこで今日は「球面収差補正不足」の「焦点距離の移動について」だけに絞ることにした。
写真は前回の物(8/23にも一度出している)の切り取り縮小なしだ。ピントの位置をおしべの先に合わせたつもりだった。「コントラスト最高地点」が、目で見えるピントの位置と言うことになる。このレンズでの絞り開放では、それを探すのも難しい。ところが、左上にいるアブのような虫の足を見ると、ぼけていない?絞り開放では、ピントの位置をはずれると急にぼけてゆくのが普通だが、それでなくとも、じんわりにじみ出したりする物だ。そのにじみもない?「解像度最高地点」だろうと思う。普通の近代的なレンズでは、「コントラスト最高地点」=「解像度最高地点」なのだが、プリモターのような古い?いや、わざと「球面収差補正不足」を残したレンズでは二つに分かれてしまう?絞るに従って(解像度最高地点に)近づき、F11ぐらいで二つが重なる。「コントラスト最高地点」が目で見ることのできるピント位置なので「絞るに従って、焦点が移動するように見える。」と言うことになる。写っている虫の足などは、ファインダーはおろか、×10のライブビュー画面でも見て確かめることはできない。それ故、絞り開放でピントを合わせて、絞って撮影するという手順では、これらのレンズを手なずけることはできない?これが「甘いメイヤー」と言われる原因の一部?なのだろう。
なぜ、わざと残すようなことをしたのか?例の?ツァイス社を退職後、メイヤーゲルリッツ社に再就職したDrルドルフの言葉「収差を残した方が写真はきれいに見える。」に起因するように思える。1935年ごろの基本設計と言われるプリモターではそれがたっぷり残っている。特にこのレンズプリモター135mmでは。
撮影情報:キャノン5Dmk2に メイヤー・ゲルリッツ プリモター135mm F3.5
:135mm 単焦点 ISO-50 1/500 補正-0 F3.5 絞り開放(絞り優先)レリーズ、三脚使用
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