東方のあかり

東アジア(日、韓、中+その他)のまとまりを願ってこのタイトルにしました。韓国在住の日本人です。主に韓国発信の内容です。

今年一年をサマライズする

2020-12-30 17:19:14 | 韓国物

1月1日には普通、北朝鮮の首領様の「新年の辞」があるのだが、
今年2020年は、それがなかった。これはかなり異常な事態だった。
金正恩の迷い、不安、動揺の表れとみてまちがいないだろう。
何もなかったのは、金正恩が国務委員長になって権力を掌握した2013年以降、
今年が初めてのこととなる。

新年2021年の1月1日にあるのか、はたまたまたないのかが大きな関心事となった。注目していよう。

1月13日には、秋美愛(チュ・ミエ)法務大臣が大検察庁の幹部らを含む32人を交代する人事を発表した。
尹錫悦(ユン・ソンヨル)検察総長の方針に従って捜査に当たっていた多くの検察幹部が
大検察庁を離れることになった。つまり尹総長側の検事たちをいきなり左遷させたわけである。
理由は簡単だ。尹総長が進める捜査(文政権に大いに不利となる)をやめさせるためだ。
こんなことができるのが韓国の法務大臣だ。
与党民主党と文政権は二言目には検察改革、検察改革と叫ぶが、
改革されるべきは、法務大臣や大統領の権限なのではないのか。
そして2月に入るころからコロナ禍がはじまった。
筆者の住んでいる天安(チョナン)という町に中国の武漢から引き上げの韓国人を収容することになり、
一時天安市民は、「ここへ来るな」というプラカードや垂れ幕で牽制したが、
数日後には、「おかえりなさい」という垂れ幕を作って歓迎の意向を示した。これには筆者も驚いた。
危険性があるのによくぞ歓迎の立場になったものだと。
その後の流れを思うと、この時は本当によくぞ自己犠牲の精神を発動させたものだと喝采を送りたい。
4月には国会議員の総選挙が行われて、全議席300というなかで与党民主党が180という
過半数をはるかに上回る議席を獲得した。「国民の力」をはじめとする野党らは何をしているのかと
ハッパをかけたい心情だった。ただ、「国民の力」から2人の脱北者が当選したことは奇跡だった。
今もがんばっているのだろうが、今のところ彼らの活躍の様子がまだよく見えてこない。
6月には「何の役にも立たない」南北連絡事務所をキム・ヨジョンが爆破した。
これは数百億ウォンという巨額をかけて文在寅大統領の命令で作られたもので
文在寅の唯一の「成果」のようなものだった。これが一瞬に灰燼と化したのだ。
北に向けて風船を飛ばした行為に対してキム・ヨジョンが怒りに狂って爆破したもの。
このときのキム・ヨジョンの吐いたことばがすごかった。
文在寅を低能児だの馬鹿だのチョンだのと、考えられる限りのひどいことばを浴びせたものだ。
それでできたのが、対北朝鮮ビラ散布禁止法(2020年12月14日国会通過)というものである。
正式名称は南北関係発展法。何が発展法だと言いたいところだが。
北に向けてビラを飛ばしたりUSBを送ったりすることを完全に禁止した法である。
本来なら、キム・ヨジョンに対して
「何をほざいているのだ。連絡事務所を弁償せよ」と言わねばならないのだし、
そう言うのが普通の頭の持ち主だと考えるのだが、
韓国の大統領府と与党民主党はそうではないらしい。
キム・ヨジョンの顔色を窺ってばかりのだらしない集団と化してしまっているのだ。
9月には、黄海上で韓国の公務員A氏が漂流しているところを北朝鮮軍によって射殺されて
遺体を油で燃やされるという事件が起こった。
このときも、北になんの難癖をつけるでもないばかりか、
逆にA氏が自分からすすんで北朝鮮に行こう(越北)としたんじゃないかといった見解を
大統領府はじめ与党が出していた。さらにこのときの事件の処理に関して、
文在寅の「空白の数十時間」が問題になった。大統領として素早く指示を出すべき時間帯に、
雲隠れしていてその動線がわかっていない状況だった。これは現在も曖昧のままだと思う。
12月にはいってからも凄まじい動きがあった。
尹錫悦検察総長が停職2月という処分を一時出されて、その執行停止処分を求めて裁判を
起こしたのだが、裁判所は尹総長側の言い分を認めて、停職取り消しとなり、
尹総長は8日ぶりに検察総長の職務に復帰し今現在活発に捜査の指揮にあたっている。
月城原発書類改竄事件や蔚山市長選挙不正疑惑の行方が気になるところだ。
全て文在寅との関わりがとりざたされている。
この尹総長の執行停止判決が出る前日の12月23日には、あのタマネギ男で有名になった
チョ・グク前法務相の妻・鄭慶心(ジョン・ギョンシム)がわが子の不正入学のための
書類の偽造などを中心に11個ほどの罪状が認められて、懲役4年の実刑と罰金5億ウォンが
言い渡され直ちに拘置所に移送された。これも検察側の完勝だったし、
その次の日にあった尹総長の裁判でも勝つんじゃないかという予感が、韓国全土に走ったものだ。
文在寅によって任命された尹錫悦検察総長だったが、
尹総長のモットーが「人に仕えるのではなく法に仕える」であることを、
文在寅氏は今身に染みて感じていることだろう。
正義という語はなるべく使いたくないのだが、尹総長の歩みをみるとどうしても
この正義という語が浮かんでくる。どっかの正義連だかなんだか得体の知れない団体は知らないが、
尹総長には正義を最後まで貫いてがんばってほしいものだ。
ただし、韓国で正義という語がでてきたら、まずは眉に唾を付けて一旦考えてみるべきではある。
腹心の部下たちはすでに地方に左遷されている状況だから、
なかなか思うようにはいかないかもしれないが、尹総長のことだ。
あらゆる困難をぶち破って邁進していくはずだ。そのために筆者は祈りの時間をもうけたい。
 
この号が今年最後のアップとなりそうだ。
今年一年ありがとうございました。来年もよろしくお願いします。
読者の皆様のご健康とご発展をお祈りしながら。
来年もまたよき年になりますよう。アデュー2020、そしてHAPPY NEW YEAR 2021。
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