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つなぎの英語 ~NY NY 10016~

旅するように生活したニューヨーク。このまちで使い慣れた英語表現を紹介しながら、「NY的なるもの」への熱い想いを綴ります。

ニューヨーク・スタイル「つなぎの英語」NO. 87

2007-03-18 18:49:14 | ニューヨーク
 英語の諺にこんなものがあります。May God defend me from my friends, I can defend myself from enemies.「友から私を守りたまえ。敵なら自分で守れますから」……。
 利害関係がはっきりした他人よりも、友人が扱いにくいということがありますね。友人との”しがらみ”で、言いたいことも言えない、つい不本意な同意や行動を余儀なくされる……といったケースがあります。

 ニューヨーク生活では、言葉の障壁からニューヨーカーと意見や考え方が違っても「まぁ、いいか(面倒くさいや)」と妥協することもありました。それでも人間同士ですから感情がぶつかることもあって、英語で口ゲンカができれば英語力も一人前だと、私もがんばった(?)こともありましたね。

●just in case

 寝入りばなに友だちのメアリーからあなたあてに突然の電話 …… I have to wake up early tomorrow morning. Will you give me a morning call at six, just in case?「明日朝、早起きしなきゃいけないの。念のため6時に目覚ましコールしてくれない?」。
 頼まれたあなた、寝ぼけながら OK, but just in case, will you call me just before six?「いいわよ。でも念のため、6時ちょっと前に電話してね……」。

 just in case は「万一の念のため」で、前回の just to be sure は「事実確認の念のため」の違いですね。

●How dare you ...?

 でも、寝入りばなを襲われたあなたは、How dare you ....? Why do I have to wake up before six?「よっく言うよ! なんで私が6時前に起きなきゃならないの?」って怒るかも。How dare you ...? は、How dare you say such a thing? で「よくそんなことが言えるわね」。

 How dare! だけなら「よくまぁ!(絶句)」という感じ。dare は「あえて……する」で、発音はデア(my dear ... のほうはディア)。

●go too far

 「親しき仲にも礼儀あり」。英語では The courtesies matter, even between friends. と固い表現になりますが(matter は動詞で「重要だ」)、“自己チュー”をたしなめるときは、You go too far. 「あなた、やりすぎよ」がぴったり。You went too far. だと「やってくれたわね」……リベンジがありそう。

●I can't stand it anymore!

 だんだん険悪な雰囲気に……「もうっ、こんなのイヤ!」は、I can't stand it anymore! です。この場合の it は「こんな状態、関係、環境、生活」。stand は立ってこらえることから「我慢する」になります。

●dos and don'ts

 「やっていいこと、悪いこと」つまり「べしとべからず」をまとめたマニュアルを Dos and Don'ts(do、don't の複数形)と言います。Mind your dos and don'ts!「やっていいこと悪いこと、あるでしょ!」。

●It can't be helped.

 やさしいあなたのことですから、妥協してみましょうか。It can't be helped. は文字どおりだと“救いようのない”ですが、そこまで深刻でなくても、あきらめっぽいことであれば、It can't be helped.「しようがない」「ま、いっか」とまで譲る表現になります。OK, I'll call you at six, tomorrow morning.

●I'm counting on you.

 Really? I'm really counting on you. Then, go to bed. Good night! ... (click!) 「ホント? 頼りにしてる。もう寝て。おやすみ!」……メアリー、ガチャン(click!)と電話を切る。

 これじゃ思わず shrug(肩をすくめるしぐさ)しちゃいます。count は「数える、数に入れる」で、count on「頼りにする」。
 はは……妥協も必要でしょうが、この友人関係、長くは続かないでしょうねぇ。




ニューヨーク・スタイル「つなぎの英語」NO. 86

2007-03-11 19:16:25 | ニューヨーク
 3月に入って逆に寒さがぶり返していますね。3月は March、日本では「弥生」(陰暦3月で、新暦ですと4月中旬)で桜の季節。ところが英語のふるさと英国では3月は意外に厳しい季節らしくて、March winds and April showers bring May flowers.「3月の風と4月の雨が5月の花をもたらす」とか、March comes in like a lion and goes out like a lamb.「3月は獅子のごとく暴れ来て、子羊のごとく過ぎ行く」という諺(ことわざ)があるそうです。

 ところで突然ですが、9月= September の "sept-" は語源的にはラテン語から来て「7」= seven を意味していたんですって。英語の辞書を見るとたしかに、septangular は「七角形」とあります。ん?…… 10月の October の oct- は……そう、octagon = octangle「八角形」、octopus「タコ(足が8本)」、octave「音程の8度、オクターブ」でこれは「8」。じゃあ、11月の November はひょっとして…… novem(ラテン語= nine)で「9」。12月の December は? これも実は dec-(ギリシア語の deka)から来ていて元は「10」を意味します。decade「10年間」、decimal「10進法の」、ボッカチオ作 The Decameron「十日物語、デカメロン」に通じるわけです。

 それ以上は私の手に負えないのですが、つまり、ローマ時代の暦は1年は10カ月でもともとは March から始まっていて、だから March 以降はいまの月数より2つずれているんですって! January「1月」と February「2月」はあとからつじつま合わせのように付け加えられたというわけなんですねぇ。

●So much for ...

 実は最近、小学生や中学生に英語を教える機会があって、子どもたちが月とか曜日を覚えるのに苦労するシーンに出くわしました。私もどうやって覚えてもらおうかと考えているうちに、あれ?……と、9月以降の月の呼び方に疑問を持ったのでした。私の多少の英語の知識から、その原義的なものと月数の呼び方の矛盾を発見したわけです。

 やれやれ…… So much for it, we'll be back to our lesson.「この話はこれくらいにして、お勉強に戻りましょう」。話題転換、so much for ... は「……の話はこれでやめ」と話を切り上げるときに使います。

●Now, ... / Well, ... / By the way, ...

 So much for ... は「切り上げて」のニュアンスが強いのですが、Now, we'll back to our lesson. の Now, ... は「んじゃ、……」という感じ。Well, ... も似てて「さてと、……」ですね。By the way, ... は、その話はいったん切り上げたものの、「ところで……」ということで、前の話の脈絡で出てくることが多いですね。

●just to be sure, ...

 しつこいようですが、Just to be sure, "January" comes from a Roman God Janus, known as a guardian of doorway with faces on his forehead and backhead.「念のために言っておきますと、January というのは、頭の前後に顔を持つ門の守護神として知られたローマ神話のヤヌス Janus から来ていましてね……」。just to be sure, は「付け加えて確認しておくと……」ということ。

●and so on / and so forth

 「じゃあ、2月 February はどうなの?」と突っ込まれると困ります。私の手元の資料ではそのへんの語源とかはよく分かりませんので(この時期に行なわれる宗教的な清めの儀式に由来するようですが)、And so on and so forth ...「そんなこんななんですねぇ~」とごまかさざるを得ませんね。and so on は「そんなこんな……」、and so forth も同じ表現です。

 それぞれ単独で使えるのですが、これを重ねると「そんなこんななんですねぇ~」。はは……今回は申し訳ありませんが、曖昧表現で終了しちゃいます。




ニューヨーク・スタイル「つなぎの英語」NO. 85

2007-03-04 21:14:11 | ニューヨーク
 先週お休みしてしまいました。休載のお知らせは事前にはできにくいですね。「直前までアップするつもりでいて、できなかった」というケースがほとんどですから。そういうことがあることを事前にお断りし、お詫びしておくことにします。

 さて、突然ですが、ブッシュ大統領がだいぶ前に、the State of the Union (address) (米大統領が年頭に議会に対して行なう国政報告演説。日本のお役所訳だと「一般教書」)で、Axis of Evil「悪の枢軸」と、テロリスト支援国家を非難したことがありました。この表現は日本でもお馴染みになりましたね。その後は「ならず者国家」Rogue States という表現もありましたね(大統領の言葉とは思えませんけど)。

 axis「枢軸」は、第2次世界大戦の日独伊枢軸(同盟)the Rome-Berlin-Tokyo Axis という固有の呼称からの引用なんだそうですが、知っていましたか? この表現を聞いたとき、当時を知る日本人(そういう英語表現を知る日本人)は、ドキッとしたんでしょうね。日本のマスコミは、そういう言葉の背景をきちんと伝えたでしょうか……知ると知らないでは大違い、Axis of Evil がアメリカ国民に、条件反射的にかつての日本を連想させたかもしれなかったわけです。

 言葉の背景には深いものがありますね。ということで、英語の「知る」も厳密に言うと……

●know / learn

 I know how computers work.「コンピュータがどうやって動くかを知ってる」は知識として知っている、という意味合いですね。似た表現に learn があります。learn は「学ぶ」ですが、より広く「なにかのきっかけで知らされる」ことでもあります。
 I learned the rumor from him.「その噂は彼から聞いて知ったよ」。

●study

 learn は「勉強、指導、経験により知る=学ぶ」ということですが、study との違いはどうでしょう。日本語では learn も study も「勉強する」ですが、同じ「勉強する」でも learn は「習得する」こと。そして study は「研究する」ことです。

 その違いはなにかと言うと、learn「習得して身につける」と「研究、追究してみる」で、learn は「身につける」という結果を期待しますが、study は「成果はどうあれ、やってみる」という努力のことを言うわけで、必ずしも成果を期待していません。

 You are never old to learn.「学ぶのに歳をとりすぎることはない」(いくつになっても学ぶことはあるものだ)。Study hard! 「(結果はともかく)勉励努力せよ!」……

●look / see

 同じように、look と see も日本語では「見る」ですが、厳密には look は「目に入る、目を向ける」で、see は「見て分かる、分析してみる」というニュアンスがあります。He looked at me and saw my eyes filled with tears.「あの人、私を見て、涙がいっぱいの目に気づいたの」という違いですか……

●hear / listen

 「聞く」といっても「聞こえてくる」のと「聞く」の違いがあります。聞く、聴く……日本語もときには使い分けます。hear は、I hear a bird singing somewhere.「鳥がどこかで鳴いている」という使い方。自然に聞こえてくる感じ。
 listen は I am listening to a bird singing.「鳥が鳴いているのを聞いている」というふうに、耳を傾ける……聞く姿勢が違うわけです。listen to ... の使い方に注意しましょう。

 電話で……Do you hear me? は「(ぼくの声)聞こえてんの?」、Do you listen to me? は「(ぼくの言うこと)聴いてんの?」。では、I heard beautiful music while I was listening to his voice.「彼の声を聴いているあいだずっと、素敵な音楽が聞こえていたわ」。ワオッ!

●come / go

 「行きます」に come を使ってる! と疑問を感じたことありませんか? I will come to you soon.「すぐに参上します」。これは I will go じゃないの? ……英語では相手が“呼んでいる”ときは come を使うんです。お母さん:Dinner is ready!「(晩)ごはんよ!」、子ども:I'm coming!「いま行くよ!」




ニューヨーク・スタイル「つなぎの英語」NO. 84

2007-02-18 19:31:35 | ニューヨーク
 テニスフレンドの Chiaki さん(久しぶりに登場)から諺(ことわざ)表現について、日本語と英語が同じ表現になるのも逆におもしろいよね、と、Strike while the iron is hot.「鉄は熱いうちに打て」の例が上がりました。Time is money.「時は金なり」とかもそう。

 こうした例では英語からの翻訳かも、というケースと、その逆もあるみたい。じゃあ、私からも諺の例をさらにもうひとつ、「三人寄れば文殊の知恵」は英語だとどうなる? Two heads are better than one. ははは、発想は同じ、頭数が違いました。

●twenty-twenty (20/20)

 アメリカのテレビに「20/20」(Twenty-Twenty)という報道番組があって変なタイトルだなぁと思っていましたが、あるとき“くっきりと”その意味が分かりました。「くっきり見える=視力正常」という意味でした。

 20/20 は視力検査で使われる用語で、日本の視力だと 1.0 のこと。20 フィートの距離から直径 1/3 インチの円の切れ目(日本と同じ)や文字(アルファベット)が見えれば 20/20 です。1/3 インチの大きさが指標 20 でこれが分母、指標が小さいと小さな文字、大きいと大きな文字になります。

 「視力」は eyesight と言いますので、たとえば、My eyesight is twenty-forty (20/40) for the right eye and twenty-ten (20/10) for the left eye. は「右目の視力は 0.5 で、左目は 2.0 」です。

●sharp / exactly

 くっきりすっきり“きっかり”なら…… sharp がぴったり。sharp は「鋭い」のほか「ぴったり、きっかり」にもなります。

 Chiaki さんとテニス後に食事しようというときのこと。I'll be waiting for you at the waiting-bar of the restaurant at 6:30 sharp.「レストランバーで6時半きっかりに待ってるね」。at 6:30 sharp …… 6:30 時間厳守です。
 アメリカのレストランには入口付近にカウンターバーがあって待ち合わせなどで利用し、それから奥のテーブル席に移ります。そのバーを waiting-bar と呼んでいます。

 以前「その通り!」は exactly! だと紹介しました。Exactly, right!「まったくその通り!」。時間厳守でも sharp の代わりに exactly も使えます。See you at 6:30 exactly!「6時半ちょうどに会おうね!」

●pick (someone) up at ...

 Why don't you pick me up at the lobby of the clubhouse?「あら、クラブハウスロビーで会って連れてってくれるんじゃないの?」と、Chiaki さん。pick (someone) up at ... は「……で(だれそれを)拾う(会う)」こと。

 pick up「拾う」という言い方は日米共通で車で迎えに行くときに使うことが多いのですが、単に「会って連れていく」ときも言います。

●change

 ぴったしかんかん(死語かな?)の後は、おおざっぱな表現。テニスの後、レストランで飲んで待ってるという私に不満気の Chiaki さん。そこで私……
 If you can make it in ten minutes and change.「10分かそこらで支度できるんだったら……(ロビーで待つけど)」。つまり、お化粧直しに時間がかかるんでしょ?、ということ。
 ten minutes and change は「10分かそこらで」です。

 change には「おつり、小銭」という使い方があります。Here's your change(s).「はい、おつりです」とか、タクシーを降りるときにチップ代わりに Take change(s).「おつりはとっといて」とか言います。I have 100 dollars and change.「100ドルと、あとほんの数セント持ってる」。

●wild guess

 おおざっぱついでに、Chiaki さんとの食事会はどういう雰囲気だったか……はは、Take a wild guess.「ご想像におまかせ」。wild guess は「当てずっぽうな憶測」のことですが、その想像がずばり当たっていれば Good guess!「どうして分かったの!」、はずれなら Bad guess!「まさかぁ!」。




ニューヨーク・スタイル「つなぎの英語」NO. 83

2007-02-12 18:56:02 | ニューヨーク
 前回、野暮用(?)でお断りなしにお休みしてしまい、すみませんでした。いつもどおり続けますね(もう80回を超えたんですね。持続は力なり……まだまだ行きますよ)。

 2回続けて日本語と英語の発想の違いの例を取り上げました。そもそも文化が違うのだから発想が異なるのは当然です。諺(ことわざ)も似ているものがありますが、表現が異なるという例をもう二つだけ紹介してみます。英語から日本の諺を連想してみてください。

 1)You can't wear two hats. 2)Too many cooks spoil the broth.(答は末尾)

 さて、「つなぎの英語」に戻ります。

●Here we are. / Here you are.

 Here we are. は目的地などに「さぁ、着いた」とか「環境が整った」、Here we are. Let's do it!「さぁ、始めようか」。Here you are. は料理とか探し物とか、相手のお望みのものが用意されたときに「はい、これどうぞ!」と「どうぞ」代わりに使えます。

 I suppose you're looking for your eye-glasses. Here you are!「あなた、眼鏡を探してるんでしょ。ほら、これ!(ここにある)」。I suppose ... は以前やりました。「察するに……」という言い方。

●Who cares?

 日本語も反語的な言い方をしますが、英語もそう。Who cares? は「だれがかまうの? だれもかまわない」の意味。Who cares? I don't care about my appearance.「ほっといて。私は身なりなんかかまわないわ」。

 care には take care of ...「……の世話をする」という言い方がありました。Take care! (of yourself) だと「(さよなら)お元気で!」。Take good care of yourself. は「お大事に」。ついでに、in care of ... は「気付け」のことで「(だれそれ)方」になり、c/o と略されますね。

 who の便利な使い方として、恋の噂話なんかに仲間入りして「なになに、それってだれのこと?」というとき Who do you mean?、「なになに、だれとだって?」は Who with? とか言います。いずれも文法的に正しくは whom(Who with? は With whom?)を使うんですが口語ではこれで結構、簡単でしょ?

 who ついでに、Who's Who はなんでしょう。だれがだれ、ということで「紳士録」です。who who は?……はは、フクロウの鳴き声でした(失礼)。

●Whodunit / Whydunit / Howdunit

 who ついでに横道にそれますが、推理小説などでよく耳(目)にするのが、Whodunit(発音はフーダニット)。なんの意味か推理して?……答えは Who done it?(Who has done it?)で「だれが殺(や)ったか」を縮めたもの。推理小説の世界では、Whodunit、Whydunit「なぜ殺(や)ったか」、Howdunit 「どう殺(や)ったか」……というのがよく出てきます。

Locked-room murder case「密室殺人事件」、Breaking alibis「アリバイ崩し」、Dying message「死に際のメッセージ」……一種の専門用語ですか。

●kiss it good-bye

 推理小説が出たところで Hard-boiled「ハードボイルド」でキメましょうか。hard-boiled は「堅ゆで卵」ですが、小説では「非情で情緒・道徳に動じない」ストーリーのこと。……悪徳実業家への悲願の復讐を果たした無頼の男ブルース・ヴィールスを刑事ダーティ・エンジェルが(はは、いかにも、のネーミング)追いつめるシーン。互いに相手に銃を向けあって……ダーティ: I got you. ブルース: Kiss your gun good-bye, Mr. Angel. ……んで、ズドーンと撃ち合う。結末は省略。

 I got you. は「つかまえた、観念しな」ですが、ここでは Kiss your gun good-bye という表現の紹介です。「銃に未練はあるだろうけど、別れのキスしてさようならしろよ」。kiss (it) good-bye は「あきらめな、(それとは)おさらばしろよ」という意味なんですね。

* 冒頭例文の答:1)「二足のわらじははけない」…… hat(つば付きの帽子)を“かぶる”は wear(着る)または put on を使います。2)「船頭多くして舟、山に登る」……コックが多すぎるとスープがまずくなる。spoil は「だいなしにする」、broth「だし汁」です。