元気ですよ~! みなさまご無沙汰しています。近日、再開に向け企画検討中です。

改めて、そうした残り50パーセントを新シリーズで始めたいとも思いますが、このところ持続がむずかしくなったように、少し充電、ないし仕事との折り合いをつけないといけない状況です。
前回の第130回からまた日が空いてしまいました。このブログも第1ステージの終わり間近ですね。休止のときは改めてご挨拶させていただきますが、あと少し、おつきあいくださいね。
前号で例を引いた "Taste good?" は、"Tastes good?" では……という「コメント」をいただきました。あ、そうか、it を受ければ Tastes になるんだ!と間違いに気づきました。Does it taste good? の略と言えないこともないでしょうけど、ネイティブでしたら、Tastes good? でしょうね。
日本語ネイティブとしては、英語を頭(文法)で考えるから、そういういい間違いが出てきてむずかしいんでしょうね。間違いは間違いで、より”いい英語”のために次には注意したいもの。
でもこの際、英語は日本人にとってはまず、コミュニケーションの手段だと割り切って、基本的には”通じればいいや”ということにしましょう。でないと、英語を話す場で急に無口になってしまいますから……ね。もちろんコメントをお寄せいただいた Jack さんにはご指摘にお礼を申し上げます。ありがとうございます。
●Come to think of it / I am proud of myself.
It's been 130 issues. Come to think of it, I'm proud of myself. 「130号かぁ。考えてみると、我ながらよくやった」。Come to think of it は「よく考えてみると」。I am proud of myself.「自分を誇りに思う」、「我ながらがんばった」感じ。Come to think of it, I'm embarrassed of myself.「顧みるに、我ながら恥ずかしい」……ハハ、“恥ずかしながら”続けてきました。
●On second thought
On second thought で「見方を変えれば」になります。On second thought, I have to thank readers for their patience.「ふむふむ、見方を変えれば、読者のみなさんの忍耐に感謝しなくてはいけないわけです」。second opinion は日本でも「別な医者の診断・所見を求めること」でおなじみになりましたが、on second thought は自分の頭に浮かぶ「もうひとつの見方」です。
●Now that I think about it
Now that I think about it, I've been so lucky to have readers like you.「いま顧みれば、あなたのような読者がいてぼくはよくよくラッキーでした」。Now that I think about it は「いまじっくり思えば」で、こういう now that の使い方は英語らしい表現ですね。
●Just think of it.
Just think of it. となると、「考えてごらんなさいよ」になります。Just think of it. I would have been nobody to you if I didn't do this.「考えてみて。これをやらなかったらぼくなんか、あなたにとって“無”だったんだから」。自問自答しています。nobody は「取るに足らない人」。
●Keeping that in mind
Keeping that in mind, I'll try to do my best in the final issues.「そのことを肝に銘じて残り号の発行にベストを尽くしますね」。Keeping that in mind は「それを心に刻んで」「それを忘れずに」。
●Fun is yet to come. / I'm talking big.
まだ最終回ではありません。これからあと何回か続けますからね。Fun is yet to come.「お楽しみはこれから」。yet to come は「これからやってくる」「乞うご期待」……あ、例文に事欠いて、辻褄(つじつま)合わせの大風呂敷! I'm talking big!「大きなことを言ってるぅ!」。Take it easy ...





この継続がストレスになると、趣旨としては本末転倒なので、むしろ、充電して改めて出直したほうがいいかな、とも思っています。近々、結論を出すことにしましょう。
ところで、またまた料理づくりの話から入ります(料理づくりのほうは勝手にノッていますがご容赦を)。
“プロの料理人”は独創的かつおいしい料理を食べさせることでお金を稼ぎます。では、家族の食卓を毎日賄う人はどういう形で報われるのでしょう。プロの料理との大きな違いは、安心して食べられるいつもの家庭料理であること。そしてその報酬は……とりあえずは食べる家人からの「おいしい!」のひとこと。そこで発想の転換、「おいしい!」と言わせて、さらにときどき独創的であれば、“プロの料理人”と比べて遜色ない?
ニューヨークのトレンディ・レストランのスターシェフたちが、和食の食材・調理技術を駆使してオリジナル料理を創作し人気を博していました。さしみにスパイシーなドレッシング、あんきもをフォアグラに見立ててソテー……和洋折衷のオリジナリティに価値があるのでしょうが、日本人ならふと思いつきそうなメニューばかり(それを実行するかどうかでプロとアマの違いになるのでしょうが)。
料理に著作権 copyright とか特許 patent はないようですが、日々の料理づくりのなかで、この料理レシピ recipe だけは私の専売特許という Signature Menu(署名入りのようなオリジナル料理)づくりに挑戦してみませんか? 私も、"Tsunagi's Special にチャレンジしてみたいと思うのですが。
●Here we go! / Here you are! / Look at this!
シェフはあなた。苦心して料理が完成。せっかくの料理、食器棚の奥のよそゆきっぽい皿・器を引っ張り出しましょう。盛りつけも凝ってソースを幾何学模様にふりかけて。
ニューヨークでは、料理を高層ビルのように高く盛りつけるのが流行ったことがありました。独創的な盛りつけに挑戦してみましょう。
「さぁ食べて!」と食卓に出すときは、Here we go! とか Here you are! さらに Look at this! とか。つくり手としての歓び、食べてもらうシアワセを表現。
食べる人もその勢いに乗せられて、TV dinner(テレビを見ながら冷凍インスタント食品などですますディナー)は許されそうにないと、覚悟を決めて食事に集中することでしょう。
●How does it look? / You'll really love it.
シェフは当然、食べ手の反応が気になります。How does it look?「どう? おいしそう?」。You'll really love it.「おいしいよ、きっと」。
こういうときのシェフは自信をもっているほうがいいですね。食べ手はそんなシェフの自信にも影響されますから。
●You like it? / Taste good?
ひと口食べたところで、You like it?「いかが?」、Taste good?「おいしいでしょ?」と、やや強引に同意を求めます。ここで、recipe を披露するのも手。
たとえば私が先日つくったステーキソースソースの中身 ingredients は…… mixture of grated radish and a whipped yolk.「大根おろし(1/2 カップ)にときほぐした卵黄(1個)を混ぜたもの」でした。ステーキにこのソースを乗せて赤こしょうをふり、しょう油をさして食べます(お試しください)。このソース、NHKの「きょうの料理」のバックナンバーにありましたが、ニューヨークでしたらたちまち話題のソースになりそう!
ちなみに radish は欧米ではかぶみたいな形状(辞書では“二十日大根”)で、太くて長い日本の大根はニューヨークでも daikon と表示されます。
●What a chef! / How could you do this?
相手が誉め上手ですと即座に「ウマッ!」So good! という反応。そして What a chef!「なんというすばらしいシェフ!」とか、さらに、How could you do this?「どうやってこんなにおいしい味を?」。
ニューヨークタイムズ New York Times が日本料理を特集したときに、日本語の“旨み”ということばを、英語に訳しがたいものとしてそのまま Umami と表現していました。英語では flavor が近いのかもしれませんが、flavor からはスパイスや香料が連想されるので、訳としては「風味」かな? 日本料理の旨みは、“さしすせそ”(砂糖、塩、酢、しょう油、味噌)から醸し出された固有のものなのでしょう。
料理の話、尽きないですね。“つなぎの英語”創刊の冒頭で、タイトルの由来を食材の“つなぎ”にたとえたことを思えば、めぐりめぐって料理の話になったのも当然の“つながり”でしたか……






さて、料理づくりの話の続き。初心者ながら週2回の料理づくりはなんとか楽しく続けているので、そろそろ私も“料理が趣味です”と言いたくなってきました。さしずめ履歴書の特技・趣味欄には「料理」と書いていいかな……とも。
あれ、待てよ。女性は「料理が好きです」とは言っても、“料理が趣味です”と言う? 若い独身女性はともかく、若くない(?、失礼)女性や既婚女性は“料理が趣味です”とは言いにくい? 料理は趣味か否か、趣味でなければなに? 実益? 必要悪? 苦役?……男性は堂々と“料理が趣味”と言えるけれども、男性社会のなかで女性にとっての料理は、意外と奥深い love-hate の問題なのかもしれませんね。
料理が趣味にしても各人レベルの差があります。私が“料理が趣味”と公言するのはたぶん、10年早いのかも。ニューヨークで知り合ったある老舗日本企業の創業家の方(当時60歳くらいの男性)、彼は同企業グループ・アメリカ法人の社長さんとして単身赴任していましたが、その趣味がまさに料理。
ある夜、私もお宅に招待されました。招かれた私たち(4人)はシャンペン&キャビアを手みやげに超高層コンドミニアムのお宅に伺うと、なんと彼はシェフ用の白衣のいでたちで、シェフハット、ソムリエエプロン、シェフネッカチーフ(シェフがやってますよね)まで身にまとって私たちを待ち構えていました。
ディナーは和洋折衷料理 eclectic cuisine で4コース&デザート付き、すべて彼自身の創作料理。ご本人はテーブルにはつかず、料理をつくってそのつどサービスするだけ。私たちは後でそのお宅を“Cafe Tonkey”(仮名)と呼ぶことにしました。Tonkey は彼のアメリカでの仕事上のニックネームでした。
味は、当たりはずれもあってまぁまぁ……いえいえ、ディナーのセッティングが本格的だっただけに、ついプロの味と比べてしまいましたが、あくまでTonkey さんはアマチュアですから、Great! と言うべきでしょう。趣味のレベルでは“最上格”でしたね。彼の趣味の恩恵にあずかった私たちのお返しは……食後の後かたづけ・食器洗いと、ディナー後の彼のもうひとつの趣味、カラオケに付き合うことでした。
●Time! / It's time for dinner. / I'm coming!
「ごはんですよ~!」。むかしはよく、夕餉(ゆうげ)の時刻に近所の原っぱなどで聞かれた呼び声。いまではもっぱら家のなかで交わされる呼びかけです。おなかがすいてくると、Time! だけで「あ、ごはんだ!」となります。It's time for dinner. の略ですね。I'm coming!「いま行くよ!」……
come と go はどちらも日本語の「行く」意味で使われますが、その使い分けについてふれておきます。come は、この場合“ごはんする場所”に自分が近づく、寄って“来る”、です。行き先を基準に、自分が近づいて“来る”という使い方。I'm coming to you.「あなたのところへ私が来ますよ」、She told me that she will come to the party.「彼女、パーティに来るって言ってた」というふうに使います。
いっぽう go は、自分の意志で行く、行き先は自分の意志によるというニュアンスの違いがあります。
●Don't be picky. / Finish up your plate.
独創的な料理ですと珍しい食材も使いたくなってきます。What's this? It tastes strange.「なにこれ? ヘンな味」。珍しい食材は値が張るのがふつう。つくったほうは焦ってしまいますが、Don't be picky. It is good for you.「選り好みしないで。それ、からだにいいんだから」と強引に食べさせましょう。
picky は pick「選ぶ」の変化で、「選り好み」になります。ついでに復習。I'm particular about boys.「アタシ、男の子の好みにうるさいのよ」。
particular の使い方、思い出してください。
Finish up your plate.「全部たいらげて」でダメ押し。plate は「皿」、ここでは「料理」の意味になります。
●Do the dishes.
Do the dishes.「皿をかたづけて」、「皿を洗ってね」は前回出ましたが、英語らしい表現なので改めて紹介します。Let's do cooking meals and doing dishes by turns.「料理づくりと後かたづけは交替でやろうよ」。by turns の代わりに in turn(単数形)、また one after the other と言ってもいいですね。





仕事環境にやや変化があったこともあって、これから2週くらいは無断でお休みしてしまうことがあるかもしれませんが、どうぞお許しください(まだまだ続けたいと思っていますので)。
さて、そうした忙しいなかですが、週1回 once a week ペースで、自宅でディナーをつくっています。テレビの料理番組 cooking show から適当にビデオ撮りして、その通りの素材・手順 recipe(レシピ)でつくるので、結構うまくできますし、おいしく味わっています。食べてくれる My dear, Chiaki の評価は……「才能あるかも」。おだてて三日坊主=気まぐれ capricious(発音はカプリーシャス)に終わらせない作戦かも。
私の料理は、たまに張り切ってつくるせいか、イタリアン料理 Italian cuisine など洋食系が多い。そのつど家庭料理 home cooking ではあまり使わない食材とか調味料 seasoning、香辛料 spice / herbs(発音はアーブス)を買ってくるので、Chiaki さんが後始末(残りものの活用)に苦労しているみたい。
まがりなりにも料理づくりを始めて感じることは、料理の奥深さ。たとえば野菜の煮汁 broth が醸し出す旨み、調味料や香辛料の味覚の多彩さ……まさに料理はクリエイティブ creative だというのが実感。
自分でつくってみて“毎日つくる人”の大変さもよ~くわかります。男女共生社会をめざす日本ですが、“食べる人”専門だった日本男性がそう簡単に“つくる人”になれるとは思われません。でも、相方の女性が働いているのなら、少なくとも男性は、食事の後始末くらいはしないといけませんね。
私は、いつも皿洗い doing dishes を自分の分担にしています。習慣化するとそれは苦ではなく、おいしい食事への感謝の念とともに、後片づけに歓びすら感じます……あ、カッコよすぎたみたい?
料理に目覚めた私(?)の大きな夢は、ちいさなレストランをキッチンごと借り切って、私がシェフになってみなさんをお招きし、料理をふるまうこと……はは。期待しないで待っていてください。それまでの“つなぎ”ととりつくろいの英語塾をどうぞ。
●What's for dinner? / What are you going to fix for dinner?
食事の話題を続けます。What's for dinner?「晩ごはん、なに?」。みなさんのご家庭では日常的に聞かれる問いかけでしょうね。もう少していねいに言うと、What are you going to fix for dinner? です。
fix はここでは「固定する、修理する」ではなくて「料理を準備する」こと。fix には「とりなす、八百長を仕組む」意味もあって、これには日本語の「お膳立てする」がぴったりですね。
●We're having an omelet and green salad with magic paste.
We're having an omelet and green salad with magic paste. 実は先日、What's for dinner tonight? と Chiaki さんに聞かれて答えた私のディナーメニューがこれ。ん? magic paste ってなに……? これはNHKテレビ「きょうの料理」で以前紹介された山根大助さんという料理長のオリジナル、特製イタリア風ペイストです。
にんにく(すりおろし)小さじ1・1/2、レモンの皮(国産、すりおろし)大さじ1・1/2、アンチョビ(みじん切り)大さじ2、ドライトマト(みじん切り)大さじ4、イタリアンパセリ(みじん切り)大さじ4・1/2、それにエキストラヴァージンオイル大さじ8をボウルに一度に入れ混ぜるだけ。冷蔵庫で1カ月保存のきく万能ペイストで、ここではグリーンサラダと合えます(お試しください)。
欧米の高級レストランでは、注文を取りにきたウエイターが Today's special を立て板に水のごとく“朗読”しますね。それが私たち日本人には聞きとりにくい。メニューを連ねて紹介しているのですが、わかりにくい理由は、食材の聞き慣れないブランドや産地、オリジナルソース名とか香辛料の名、調理法なども一緒に読み上げるからなんですね。
つまり、豆腐の味噌汁を説明するのに、“京都の禅寺特製木綿豆腐と本場練馬大根、深谷ねぎを具材に、日高昆布と西京白味噌仕立てでコクを含ませた味噌汁”と言っているようなもの。
高級レストランでは味噌汁ひとつにもそういう“ありがた味”が加わります。
●How soon can you get it ready? / In about half an hour.
料理には下ごしらえ(仕込み)も大切でしょうが、私はまだそのレベルに達していません。食材を洗ったり切ったりするだけで、時間を費やしてしまいます。
How soon can you get it ready?「(食事の)支度にどれくらい時間かかる?」…… Well, in about half an hour.「う~ん、30分くらいかなぁ」。get it ready で「支度する」。なんだかだで、30分のところが結局1時間以上かかってしまうのが私流です。




