つなぎの英語 ~NY NY 10016~

旅するように生活したニューヨーク。このまちで使い慣れた英語表現を紹介しながら、「NY的なるもの」への熱い想いを綴ります。

ニューヨーク・スタイル「つなぎの英語」NO. 66

2006-08-27 19:07:52 | ニューヨーク
 帰国当時、私が驚いたことがいくつかありますが、そのひとつが、日本での携帯電話の普及ぶりでした。人通りの少ない夜道で、突然大きな声でひとり言を言い出した若い女性がいて、ドキッとしたことを思い出します。彼女はぼくとすれ違う直前に携帯電話に出たのでした。

 日本人ってこんなにコミュニケーションが好きでしたっけ? オトコは黙ってとか、プライベートな話はひそひそ声でとか、ぼくが日本を離れる十数年前はそういう風潮だったと思います。たしか公衆電話のころは、周りに人がいると気を使って声をひそめていませんでしたっけ? 劇的な変化ですね。

 ニューヨークでも携帯電話はそれなりに普及していましたが、必要な人が使うという感じで、一般への普及は日本ほどではないと思います。携帯電話からの E-Mail などは親指が不器用だから普及しないのかもしれません。でも要するに、”あまねく”普及しないのは、とくに必要を感じていないからでしょう。ビジネスパーソンはいまや必要だから携帯しているのでしょうが……

●New York Telephone ... How may I help you?

 電話でどこかのサービス会社に電話すると、ふつう(たとえば)New York Telephone.「NY電話会社です」というように、交換手は会社名だけ告げ、その語尾を上げ気味にして“なんでしょう?”という感じです。さらに、How may I help you?「ご用件は」……「ご用件は」としか訳せないんですが、つまり「どうやってお役に立てましょうか」というわけ。
 これは May I help you? とか How can I help you? でもいいんですけど、May を使うとちょっと気取った感じです。

●Recorded Messsage

 電話交換システムをIT化して、コンピュータ音声による自動受け付けにする会社も多くなりました。以下の例のような録音メッセージ Recorded Message を聞くこともあるでしょうからご紹介します。

 Thank you for calling New York Visitor's Bureau. 「ニューヨーク観光局へのお電話ありがとうございます」(Visitor's Bureau =観光局。発音はヴィジターズ・ビューロゥ)。
 To help you direct your call, please select one of the following options.「あなたのお電話を取り次ぐために、次のオプションからひとつを選んでください」。direct は direction「案内」の動詞形です。

 If you have a general question about NYVB services, press "1". 「NYVB のサービスについての一般的なご質問でしたら、1を押してください」。
 If you have a question about some particular places or entertainment, press "2".「特定の場所やエンタテインメントについてのご質問でしたら、2を押してください」。particular は「とくにこだわっている」という意味で、I'm particular in food. だと「食べ物にこだわりがある(グルメだ)」になります。

 最後に、If you are calling from a rotary-dial phone, hold the line and a representative will asist you.「ダイヤル式電話からおかけでしたら、そのままお待ちください。係の者がお手伝いいたします」。rotary-dial phone はダイヤル式の電話器で、いまはほとんど Touch-Tone(プッシュホン)です。

●Answering Machine

 ご家庭の電話メッセージは留守電。留守電は Answering Machine です。その例をご紹介します。

 Hi, you've reached Tom.「ハ~イ、こちらトム」。ハーイ、はちょっと軽いんですが、アメリカだとこんなもんです。I cannot come to the phone right now. 「いまちょっと電話に出られません」。“いま留守にしています”はあきすに狙われますから、こういう表現をするのが一般的。

 Please leave your messsage at the sound of beep. 「ビープ音に続いてメッセージをお残しください」。I'll get back to you as soon as I can.「できるだけ早くご連絡します」。I'll get back to you. は電話でよく使いますので覚えておきましょう。I'll get back to you next week. Be well, be happy!




ニューヨーク・スタイル「つなぎの英語」NO. 65

2006-08-21 06:42:28 | ニューヨーク
 真夏 mid-summer ですね。水源地はそれなりに雨が降ったみたいですから、今年は水不足 water shortage は大丈夫みたいですね。先日、東京で事故からの大停電がありましたが、むしろエアコンなどの電力消費による停電が心配ですか。

 自然児でありたいと思うんですけど、こう暑いと、人工的な都市で生活するものとしては一種の抵抗のためにエアコンを使ってしまいます……ははは、変な言い訳 excuse ですか?

 こういう時期は、当然バケーション vacation しなくちゃ、ということになります。長期休暇をとってリゾート地に行くのもいいのですが、週末を都市ホテルで過ごすというのも都会派らしくていいですね。つまり、“いつも=日常”からの解放感を味わうことができれば、十分バケーションになると思います。今回は、シティホテルにまつわる英語のあれこれをご紹介しましょう。

●Be my guest.

 Be my guest.「ようこそ、私がおもてなしします」(直訳ですと「私のお客様になってください」)と言って世界的なホテル王になったのが、アメリカのヒルトン・ホテルチェーンを作り上げたコンラッド・ヒルトンでした。
 ヒルトンホテルズは「世界中、陽の沈むことがない」と言われるほど、世界規模で同質の高度なホテルサービスを提供した初めてのホテルチェーンでした。アメリカ人は世界を旅する際に、ヒルトンに泊まれば、アメリカと同質のサービスを期待できるということで安心できました。

 コンラッド・ヒルトンのキャッチフレーズは Be my guest. で、彼がこのタイトルで出版した本がベストセラーにもなりました。

 この Be my guest. は、自宅に人を招く機会の多いアメリカの一般家庭でもよく使われることから「気に入った、なかよくしよう」という感じ。バーなどで、きこしめしたお方、その場で知り合った気の合う人に「一杯おごるよ」というときに、Be my guest, I'll buy your beer.「ぼくのおごりだ、ビールやってよ」というふうに言います。ここでの I'll buy your beer. は「ぼくがビールを買う、おごる」です。

●Luxury / Delux / First Class / Economy / Budget

 アメリカのホテルを選ぶ際の目安があります。たいていのホテルは、利用する目的や客層によって、自分のホテルがどういうカテゴリーのホテルかをアピールしています。Luxury「贅沢・優雅」というカテゴリーですと、イメージ的には小規模(200室以下程度)で、ヨーロッパ貴族志向の雰囲気。Delux「豪華、デラックス」ですと……そうですね、日本の一流シティホテルの雰囲気でしょうか。

 ある程度の規模(300室以上を擁していて、利用する客層は企業幹部、合理的なサービスを望むリッチな一般旅行者といったところ。First Class は「実質本位のビジネス旅行者向け、一般旅行者の中流あたり」。Economy は「団体旅行、パッケージツアー向け」、Budget は「節約型旅行者向け」……1日何ドルとかのけちけち旅行向け。

●Legendary / Boutique

 前段で述べたカテゴリー以外に、最近よく使われるホテルカテゴリーがあります。Legendary Hotel は本来「伝説的な」という意味ですが、たとえば、そのホテルに無名時代のスーパースターとかアーティストがよく滞在したとか、また歴史のある超高級ホテルということで、チョー大物政治家(国際的な)やスーパースターや文化人がよく滞在するとか……そういうことでひとつの格式を生むわけです。

 Boutique Hotel は、もしかして日本ではいわゆるラブホテルのことを指しているんですか? そうだとしたらぼくのほうが無知を恥じます。日本はすごいパワーを持ってますね。

 ニューヨークで 1980年代の後半に Boutique Hotel という言葉が生まれたと思うんですが、それは時代の最先端ライフスタイル、デザインを表現したホテルのことでした。ファッションの世界でいう boutique「高級セレクトショップ」をホテルに当てはめたのです。

 旧来のホテルと違って利用する人が自分のライフスタイルに合わせて選ぶホテルでした。Boutique Hotel の誕生はニューヨークではホテル革命だったと言われています。もちろん、ラブホテルとは似ても似つかぬカテゴリーです。




ニューヨーク・スタイル「つなぎの英語」NO. 64

2006-08-11 18:15:51 | ニューヨーク
 前回のアメリカ独立記念日の花火大会の話題で、国歌の「星条旗よ永遠なれ」を Stars & Stripes としましたが、訂正です。正確にはアメリカ国歌は、Star-Spangled Banner「星を散りばめたバナー=国旗」と呼ばれています。なお、Stars & Stripes も国旗を表わします。では、今回もちょっと趣向を変えて……

●Would you care for wine? / Coffee, tea or me ...?

 Would you care for wine?「ワイン、いかが?」。この care の使い方は覚えておくといいですね。Would you care for some drinks?「飲み物いかが?」…… coffee or tea? この coffee or tea? について注釈。これはひところ、旅客機のスチュワーデス(いまの呼称は flight attendant)の決まり文句であったことから、スチュワーデス・ネタ本のタイトルによく使われました。Coffee or tea, or me?「コーヒー、ティー、なんでしたらこのアタシ、いかが?」ってな具合……

●It's your turn.

 さ~て、今度は「あんたの番よ」というときは、It's your turn. と言います。turn は「回転、方向転換、順番」などの意味がありますが、ここでは「順番」です。Now, it's your turn to love me.「さ~て、今度はあなたが私を愛してくれる番よ」……それまでどういう事情があったか……?

●see each other.

 Really? So, they are seeing each other!「ウッソー! じゃあ、やっぱしあの二人会ってたんだ!」。以前 Really? を「ウッソォ」って訳しましたが、まさにそんな感じです。ウッソー、って英語で言いたいときは Really? って、オーバー気味に叫んでください。あ、ここは seeing each other の紹介でした。

 see の後に each other「お互いに」がついた see each other は「お互いに(意識して)会う」ニュアンスになります。We'll see each other.「今度、ゆっくり会おうよ(下心あるかもよ)」というふうに意味深(イミシン)っぽくなると思います。これもよく使われる表現ですから、覚えておくといいですね。

●She's no match with me.

 She's no match with me.「彼女とはご縁がないな」。これは「彼女にはかなわない(できすぎ)」とか「ぼくのタイプじゃないよ」という意味でもあります。match はここでは「ご縁」という意味ですね。

●The chemistry is just right between us.

 じゃあ「相性が合う」はどう言えばいいか。英語っておもしろいんですね、そういうときは chemistry という言葉がよく使われます。chemistry と言えば、そう「化学」ですよね。The chemistry is just right between us.「な~んか、化学反応がいい」という感じで「私たち、相性がいい」になります。これは、男女間じゃなくて同性同士でも言いますから、ご安心を。The chemistry is just right. が基本型です。

●Welcome to the club!

 今回は最後に、ちょっとユニークな表現をご紹介します。Welcome to the club!「ようこそ、われらがクラブへ」……なにがユニークかというと、この the club です。ちょっと古い日本語ですと「ご同輩」という感じ。あい憐れむと言いましょうか、からかい気味に「ぼくら仲間だよ」というときに使います。たとえば…… I'm broken.「まいった、一文なしだ」に対して、Welcome to the club! 「お互いさま!」。I'm divorced. に Welcome to the club! なら「バツイチクラブへようこそ!」

 少しは楽しい例も。I won a lottery!「宝くじ当たった!」、Welcome to the club!「当選者の会にようこそ!」。ニューヨークでは宝くじ当選者たちが、その幸運を祝うパーティを高級ホテルで開催します。