つなぎの英語 ~NY NY 10016~

旅するように生活したニューヨーク。このまちで使い慣れた英語表現を紹介しながら、「NY的なるもの」への熱い想いを綴ります。

ニューヨーク・スタイル「つなぎの英語」NO. 24

2005-07-23 10:42:11 | ニューヨーク
 いつもお訪ねいただいている方は、訪問先を間違えたと思われたかもしれませんね。ははは。テンプレート(デザイン)を変えてみました。これまでちょっと地味すぎましたか……ね。夏ですし、身も心も明るく行きたいと思います。

 いよいよ本格的な東京の夏が始まりますね。地球温暖化、ヒートアイランド現象で、東京はますます暑くなってきたようです。
 ニューヨークも夏は暑いんです(大陸性気候で、冬はぐんと寒い)。でも、6、7月がもっとも暑いようで、8月に入るとぐんと秋の気配が色濃くなり、夜は肌寒いくらいの日もあります。ニューヨーカーは7月後半からバケーションをとり始めます。8月に入ると、ビジネス接待で使われる高級レストランなどは、3週間から1カ月のバケーションに入り店を閉めます。逆に観光客が多くなるのですが、常連客はみな、バケーションでニューヨークにいない。高級レストランともなると、観光客は一見(いちげん)さんだということで、アテにしていないんですね。
 さて、東京の酷暑のなか仕事も遊びも適当に……とは言いませんが、せめて cool に行きたいものです。

●Stay cool!

 言いたくはないけれど、Shit! It's damn fuck hot.「クソ暑い」(失礼!、なお hot の発音はNY語ではほとんど“ハッ(ト)”。shit と damn、fuck はお手数ですが辞書を引いてみてね)。

 通勤の朝、背中にもろに太陽を背負いながら、思わず電柱の陰をたどって歩いていました。わずかながら太陽の位置はずれているので、こちらも当然蛇行して歩くわけで、前から来る人(と車)、後ろから来る人(と車)の不審の目を感じました(電柱どころか電線の陰まで追っかけていましたから)。都心部の駅に着いて、やはり太陽に愛され背中から抱きつかれ、It can't be helped.「これも運命(さだめ)よ(どうにも救いようがない)」、とうそぶきながら道を歩いていたら、前から来るモデル風の素敵な外国人女性、おもむろに扇子を取り出して涼しげに扇ぎながらすれ違う。扇子かららしい和風のいい薫りすら漂って……Hi! It's gonna be hot, today. Stay cool!「暑くなりそうね、きょうは。涼しくしてね!」

 ……と声をかければよかったなぁ、とそのあと、あり得なかった書き下ろしドラマを創作しつつ仕事場に向かいました。この場合、Stay cool は、「涼しくしてて」というのと「かっこいいよ(そのままかっこよくやってよ)」の両方の掛け言葉なんですね。もし、そう声をかけていたら彼女、すれ違いざまニコッと微笑んだか、無視して cool に通りすぎたか、You, too! とつぶやいたか、はたまた……?

 このように cool は、つまりは涼しい顔、動じない→かっこいい、になります。欧米で“かっこいい”とは、動じないこと、冷静なふるまいができることのようです。ま、ハードボイルドですね。そういえば日本にもかつて「男は黙って……」という健さんのイメージがあった。あれ、どうなんでしょ、いま。

●pushy

 なかなか cool になれない私ですが、仕事などで相手が pushy 「押しつけがまし」かったりすると、自分もつられてつい pushy になって、頭が hot になることがあります。You are asking me so many things. Don't push me so much! Your are too pushy.「あれもこれも持ち込んで。そりゃないよ。やりすぎだよ」。pushy は push「押す」の変化で「押しつけがましい」。

●If you insist ...

 とは言っても、「そこまでおっしゃるんなら……」と譲ることもありますよね。そういうときは、If you insist, I will do it.「もうしょうがないなぁ、じゃあやるよ」。insist は「主張する」「言い張る」です。もちょっと軽くだと、If you say so, I will take it.「まぁね、そういうことなら受けますか」ってな感じ。

●demanding

 最後にもうひとつ、pushy な表現。Hey, that is demanding.「おいおい、そりゃきつい(要求だね)」。demand は「命令する」ですが、demanding は「うむを言わせない(態度とか)」になります。

 暑苦しいときに、demanding な表現で締めることになりました。Stay cool, Guys!



ニューヨーク・スタイル「つなぎの英語」NO. 23

2005-07-18 17:38:55 | ニューヨーク
 東京は(私は東京在住です)梅雨明けしましたよね? 気象庁の天気情報ではまだ梅雨明け宣言はしていないようですが。「海の日」の今日は暑かったですね。暑中お見舞い申し上げます。私は根はわりと自然派で、暑ければ暑いで汗をかけば?……という考え方ですけど。

 クール・ビズばやりですが、流行りにはつい反抗したくなる私で、依然として通勤ではジャケット・長袖シャツにネクタイを着ています。もっとも現在の仕事以前には、長らくノーネクタイで(スーツにスタンドカラーのシャツ)でしたが、いまの仕事になって、ネクタイは「戦闘服」だと自らをガッテンさせて、「戦闘状態」。そういえばだいぶ前に、「ためしてガッテン!」で合繊のほうがさっと汗を吸収し乾燥も早いとガッテンしました。見た目には暑苦しくはた迷惑かもしれませんが、本人は意外と平気です。
 テニスをやってますが、綿のTシャツでやってる人は汗でベッチョベチョのようですけど、合繊のウエアですと肌ざわりはサラリ、汗も心地よい。ま、それぞれの考えですけどね。

●Describe it.

 「それについて、きみの考えを言ってみたまえ」というとき、Describe your idea about it. というふうに使われます。describe(発音はディスクライブ)は「記述する、描写する」といった意味、description はその名詞で「説明書き」です。

●Illustrate it.

 似たような表現に、illustrate があります。これはイラスト(illustration)ですから、図に書いて説明するように「筋道を立てて説明する」こと。How do you illustrate the whole plan?「この計画の全体をどう説明するの?」。

●Figure it out.

 もひとつ、同じような表現です。figure(発音はフィギュア)は「数字、形、図形、人」などを表わしますが、その動詞は「計算して見積もる」「心に描く」という意味になります。figure ... out と、out とセットで使われることが多いですね。I can't figure her out why she hates me.「なんで彼女がぼくを嫌いなのか、わかんないなぁ」。"figure her out" が英語らしい言い回しです。

●Don't mention it.

 お礼を言われて、「どういたしまして」が Don't mention it. ですね。mention はちょっとかしこまって「言う」ことで、「まぁ、そこまでごていねいに。結構ですから」ととまどう感じ。最近は、You are welcome. ですます人も多いようですが、ぼくはこういう表現が好きですね。詫びを言われたときもこう言えばいいです(もちろん許される場合)。詫びに対して You are welcome. は変ですよね。

●It makes sense.

 私も長嶋さんのご回復を心から祈る一人ですが、彼のキャッチフレーズ、 make (a) drama は彼の動物的カンで野球の劇的展開をめざすこと、英語の make sense は逆に、理にかなっていることを言います。長嶋さんが「そうですね、野球は make sense ですね!」と言うことはないでしょね。
 I did it because I had to do it. Does it make sense?「やるっきゃしようがなかった。そうだろ?」。

●How do you like it?

 レストランで食事中の客にウエイトレスが、How do you like it?「いかがですか?」と聞いたら、それは料理の味のこと。話題の映画を見てきた友だちに How did you like it?「どうだった?」と聞いたらそれは映画のこと。How do you like it? What?「どう、これ?」「なんのこと?」……なんのことはない、ヘアスタイルを変えた奥様に気づかない旦那!



ニューヨーク・スタイル「つなぎの英語」NO. 22

2005-07-13 18:04:16 | ニューヨーク
 言い訳はやめましょう。またお休みが続いてしまいました。黙って(そっと)再開するのみ……です。
 さて今回は、軽い挨拶程度の質問の形を集めてみました。こういう表現も会話の潤滑油、「つなぎの英語」です。本場の会話では、こうした表現がどんどん出てきて、おしゃべりを生き生きさせているんです。

●Are you OK?

 まことに簡単な表現。Are you all right? でも結構。ニューヨーカーは、ちょっとしたケースでもよくこう言って声をかけます。たとえば、電車に乗っててくしゃみをする。と、隣に座っているおばさん、Are you OK?「大丈夫?」。以前、くしゃみの場合、Bless you! と声をかけると紹介しましたが、アカの他人にもそう言ってくれますね。そういうところは同一民族の日本人同士より、彼らのほうが他人に対してかなりフレンドリーです。意外と細かく気をつかうし、やさしいので、こちらをうれしくさせます。

 私も帰国してから、アメリカ人らしき人とたとえば道の譲り合いになって目が合うと、つい癖でニコッとします。相手もたいていニコッと返しますね。で、After you. となります(これも前にやりましたね。「お先にどうぞ」です)。日本人(特にオジサン)にニコッとやると、冷たい目が返ってきたりします。

●Is that clear?

 ややこしい話があって事情を説明した後、Is that clear?「分かった?」「これでスッキリした?」ということ。It's cleared.「分かったよ」。Clear?「納得した?」、Clear!「納得した」だけでもいい。

●Are you sure?

 Are you sure?「ホント?」というつなぎ表現。sure は「確か」ですから、確信を持つか?という意味ですが、軽く使うケースがほとんど。以前、コーヒーを勧められて、I am fine, thank you.「結構です、ありがとう」(断わり)を紹介し、相手はたぶん、Are you sure? と念を押すというように書きました。「ホントにいいの、遠慮しないでね」ということです。

●I am not sure, but ...

 ところで、道を尋ねられて、自分にも自信がないという場合には正直に I am not sure. と言わないといけない。でも、たぶんこっちの道だと思っているのなら、I am not sure, but you can take this way and ask someone.「たぶんこっちだと思うんだけど、このまま行って、誰かに聞いてみたら……」
 なお、まったく分からなかったら、I'm not quite sure. I'm also a stranger around here.「分からないなぁ、わたしもこの辺は不慣れなんですよ」でいいでしょう。I am a stranger. がおもしろい使い方。

●Would you mind? ...

 これ、よく答え方の問題で例に出ますね。Would you mind smoking?「タバコ吸っていいですか?」。なんて答えますか? タバコいや、なら Yes, I mind. まぁ、いいや、なら No, I don't mind. mind は「気にする」ですから、いやなら、ハイ気にします。気にしないなら、イエ気にしません。で、日本語の感覚と逆になるわけです。でもややこしいですね。要は、自分がタバコの煙が気になるかどうかですから、ややこしいことは忘れて、「smoking」云々だったら、I don't like smoking. まぁいいや、なら You can smoke. って答えちゃいましょう。

●What's going on?

 What's going on?「なになに? どったの?」ってな感じで、軽く聞きましょ。噂話? 興味津々というかわいい素直な意思表示。状況によって、「どったってのヨー」とドスをきかせることもあります。