つなぎの英語 ~NY NY 10016~

旅するように生活したニューヨーク。このまちで使い慣れた英語表現を紹介しながら、「NY的なるもの」への熱い想いを綴ります。

ニューヨーク・スタイル「つなぎの英語」NO. 108

2007-09-30 19:26:15 | ニューヨーク
 思わず口に出るのが dirty word「下品なことば、悪態」。悪態をつく、って言いますね。あ、私はせいぜい「クソッ!」「チクショー!」ですね……ましてや英語では。みなさんもそうでしょう?(でもなかったりして……ワオッ!)。

 でも、相手とか周りのだれかが悪態をつくことがありますね。そういう現場に居あわせたら一応状況を把握しておいたほうがいい。で、今回は“悪態の英語表現”です。

●Shoot!

 Shoot! は悪態とまでは言えませんか。日本語だと「チェッ!」が近いけど、チェッ!より「ツゥー!」「ッタクゥー!」という感じの舌打ちでしょうか(はは、少しは上品な感じ)。「あらやだ!」「しまった!」です。

 Shoot! I miss the train by seconds.「ツゥ~! 数秒の差で電車に乗り遅れた」。

●Christ! / Jesus!

 Christ! と Jesus! はよく聞く“悪態”。Christ はキリスト(発音はクライスト)、Jesus はジーザス(ジーザスが名前でキリストは称号らしい)ですが、「なんてこった!」というときに口をつくことばです。救世主の名前がなぜか悪態(?)。Christ! She dumped me.「まいった! 彼女にふられた」。

●Liar!

 さて、このあたりからホント(?)の悪態になります。悪態というよりケンカを売るという感じなので、ま、私たちは使わないほうがいい悪態集です。

 まず、Liar!「うそつき!」。アメリカ人はうそつき呼ばわりされるのが強烈にこたえるみたいです。よほどのことがない限り、Liar! は使わないほうがいい。

 もっとも状況によりけり。You told me you would come to me last night. You liar ...「昨日の夜、来るって言ったじゃない。うそつき……」と、女性から手をつねられるというケースは、別な話。

●Coward! / Chicken!

 これもアメリカ人にはこたえる(効く?)悪態。Coward!「臆病者!」。Coward は辞書の原義どおりですが、同じ意味のスラングで、Chicken! があります。chicken は「ニワトリのひな」ですが、かわいいけれど頼りなげで動作がおどおどして見えるせいで、ひよこにとっては不名誉な悪態用語になってしまいました。

 なお、turkey「七面鳥」は「おばかさん」だそうです。

●Jerk!

 Jerk! ……これはわりと聞きますね。発音は“ジャーク”で「ばか、とんま!」。jerk は「ぐいと引く、押す、突く」の意味。重量挙げのジャークは胸から頭上へ反動で押し上げる挙げ方。これが悪態になったのは、筋肉けいれんと関係がありそう。う~、痛そう!

●Idiot! / Stupid! / Fool!

 日本語の「ばか野郎!」は英語ではいろいろ、Idiot! だったり、Stupid! だったり、Fool! だったり……辞書の意味どおりです。

 You idiot! というふうに、それぞれ you を頭につけて表現することも多い。

●Shit! / Asshole! / Fuck you!

 この三つはこっちからは言わないほうがいいですよ(せいぜい内心でつぶやいてください)。思わず口にしたらあなたの品性が疑われます。

 Shit!「くそったれ!」、Asshole!「けつの穴め!」、Fuck you!「すけこましたるで!」……オット、失礼いたしました。




ニューヨーク・スタイル「つなぎの英語」NO. 107

2007-09-23 18:29:03 | ニューヨーク
 簡単表現は極めれば、“感嘆”表現に通じます。また、命令・警句・警告・禁句のようなものも、ワンワードで相手にその意図を的確に伝えるという意味で、簡単表現の極まりとも言えます。今回はそんな表現を集めてみました。

●Oh, my! / Oh, boy! / Oh, man! / Gee! / My goodness! / Oh, dear! / Dear, dear! / Oh, my God! / Gosh! / Good grief!

 「まぁ!」「おやおや!」「ありゃ!」「これはまた!」「やれやれ!」「なむさん!」……日本語でもいろいろな感嘆詞が使われますね。英語でよく聞く表現をみましょう。

 Oh, my! は Oh, my God! の略でしょうね。Oh, my goodness! もそれに近い表現。Oh, boy! は「やれやれ、この子は!」みたいでしょうね。Oh, man! は「こいつ!」かな。Oh, dear! や Dear, dear! は「あんたねぇ~(あきれた)」という感じ。

 Gee! はたぶん God の G じゃないかな。Gosh! も元は God! のようです。なお、Oh, my God! は「神様!」ですが、宗教的な感覚が強いのだそうで、日本人はあまり使わないほうが無難だそうです。

 Good grief!「やれやれ、なんてこった」のgrief はもともと「悲嘆、憂き目」という意味ですが、わりとよく聞きます。私自身もつい Good grief! なんてため息することが多い……はは、そこまで英語感覚ではないんですが。

●Next!

 ニューヨークの郵便局や銀行、ドラッグストアなどで窓口の順番待ちしていると、窓口係員から、Next!「次(の人)!」と“号令”をかけられます。アメリカ生活を始めた日本人はたいてい、そのぶっきらぼうな言い方に驚きますね(最近はだいぶ顧客サービス意識も高まってきて、"Next, please!" とか、柔らかな呼び方に変わってきてはいるようですが)。

 こうしたサービスに従事する係員はもともとバカていねいじゃないですから、慣れてくると逆に、日本のていねいさが慇懃無礼っぽくて鼻につくようなところもありますけど。そっけなかろうが愛想よかろうが、要は、的確なサービスを受けられるほうがいいと思っています。

●Move!

 これは以前、何回目かで出てきましたね。人込みでなかなか前へ進めないとき、後ろにいる連中から前のほうの連中に対して、Move!「どんどん進んでよ!」と声がかかります。交通整理の警官が交差点で渋滞している車に Move! とか。

 あ、ついでに、ニューヨークの歩行者用交通信号は文字信号で、Walk「歩け(青)」と Don't walk「歩くな(赤)」です。Don't walk のサインに走り出す人もいたりして……はは、冗談です。なお、黄信号はなく、代わりに Walk のサインが点滅します。

●Freeze! / Duck! / Get down! / On your knees! / Face the wall!

 Freeze! ……これはもう有名になりましたね。Freeze! の意味が分からないで日本人留学生が撃たれたという事件がありました。freeze は「凍る」で「凍りついたように動くな!」の意味になります。そういう場面に出くわしたら要注意です。間違ってもタバコを一服などと内ポケットに手を伸ばしてはいけません。銃で反撃するつもりかと思われて撃たれます。

 文字通り命にかかわる(?)サバイバル英語になってきました。ついでに Duck!「かがめ!」、Get down!「伏せろ!」も覚えましょう。

 Duck はボクシング用語のダッキング(相手のパンチを避けてかかむテクニック)と共通です。On your knees! は「ひざまずけ!」、Face the wall!「壁に向かって立て!」…… You are under arrest.「逮捕する」……はは、だんだん犯罪者に仕立てられそう。

 こういう表現はこちらから言うことはないでしょうが、聞き取れないと、万一のときに危険ですよね。




ニューヨーク・スタイル「つなぎの英語」NO. 106

2007-09-16 14:23:01 | ニューヨーク
 しばらくご無沙汰してしまいました。ちょっと仕事が忙しかったもので、つい怠けてしまいました。ごめんなさいね。でも、無理しないほうが続くと思いますから、読んでくださるみなさん、お気楽にどうぞ。

 仕事がら取材・インタビュー経験は少なくないのですが、英語でのそれは意外と楽でしたね。取材では、基本的には、準備しておいた質問をどんどん相手にぶつければいいわけです。多少話が横道にそれて新しい質問を考えなければならないこともありますが、いったん質問してしまえば、あとはしばらく答えを聞く役で、新たな質問を考える余裕もできます。

 日常会話でも質問は会話のきっかけになりますし、英会話上達のきっかけにもなるはず。逆に、相手の質問に英語で答えられるようになれば、英語力としては相当なレベルでしょう。

 今回は試しに、How だけを使った質問のヴァリエーションをみましょう。取材とかインタビューとかではなくても、話を「つなぐ」のに質問は大事ですもんね。話の「つなぎ」に困ったときの参考に、以下は、How ひとつでこんなに質問(会話のキャッチボール)ができますよ、という例で、まさに「つなぎの英語」です。

●How often?

 初対面の人との会話のなかで趣味を聞きます。What's your hobby? ……相手が、I play tennis. と言ったら、 How often?「どれくらの頻度で?」と口を挟みましょう。How often do you play tennis? がきちんとした言い方ですが、How often? と、さりげなく質問です。

●How long? / That long? / How short?

 相手が、Once a week. On Sunday(s).「週に一度、日曜に」と答えたら、How long? とまた口を挟みます。「何時間くらいやるの?」と聞いたわけです。Four hours in the morning, usually.「いつもは午前中の4時間ですね」と相手。
 おやおや、4時間とは長い。That long?「そんなに長時間も?」とあなた。相手、We have a short break.「少し休憩も入れるけど」。そこであなた、How short?「少しってどれくらい?」……というふうに会話がつながります。

●How early? / How late? / How come?

 相手、I get up early in the morning I play tennis.「テニスの朝は早起きなんです」。すかさずあなた、How early?「どのくらい早いの?」と聞きましょう。How early do you get up? の略です。
 相手、Five. But I couldn't do it this morning. I went to bed late last night.「5時。でも今朝は起きられなかった。昨日の夜、遅く寝たから」。はいはい、であなたの番、How late?「どれくらい遅く(寝たの)?」……で、答えによっては That late?「そんなに遅く?」、How come?「いったいどうして?」。

 あえて質問マニア、詮索好きになってみましょう。

●How far? / How fast?

 But I could get there on time. My house is not far from the tennis club.「でも、ちゃんと時間どおり着いた。ぼくんちはテニスクラブからそう遠くないから」。How far?「どれくらいの距離?」。Just 10 minutes walk. But I tried to walk fast today.「歩いてちょうど10分。でも今日は早く歩いたから」。

 How fast?「どれくらい早く?」……はは、そろそろ相手も怒り出すかな?

●How slow? / How soon? / You went too far!

 Hey! You're pushing me! Take it slow.「もしもし、しつこいみたい。焦らないでよ(ゆっくりいこうぜ)。ったら、あなた、How slow?「どれくらいゆっくり?」。(相手、不機嫌な表情ですが)You'll see soon.「いまにわかるさ」。

 How soon?「いまにって?」……相手もついに怒り出すのでありました。
 ついに相手、You went too far!「やりすぎだよ!」…… How far? ……もうやめておきましょう。ははは、相手が泣き出しました。質問責めもやりすぎにはご注意。

 How ...? 以外に What ...? Why ...? などでもいろいろ応用活用も可。適度にお試しくださいね。