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旅先にも、本は持って行きます。
たいてい、土地に、ゆかりの小説やらエッセイやら・・・
ところが、今回は、全く関係なしの本。
加納朋子さんの闘病記、
『無菌病棟より愛をこめて』(文藝春秋)でした。
旅先に闘病記って・・・!?😅
出かける前に、読み切れず、
でも読むのを止められないと、
異例の、今回のお供。
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さて、読むのを止められなかった理由は、
著者の入院先が、わたしと同じ病院だった
(と思われる)ことが大きいのです。
名前が出てくるわけではないけれど、
患者でなければ、わからないことが多々出てくるので
まず、間違いなく、同じ「専門病院」。
わたしの方が、少し早く入院・退院をしていますが、
その後も、ずっと通院していたので、
おそらく同じ時間を、同じ病院で過ごしていたはず・・・
読みながら、
久しぶりに、あの頃のことを、
いろいろ思い出してしまいました。
もともとは、著者の新刊、
『空をこえて七星のかなた』(集英社)を読んだことが
きっかけでした。
連作短編集のの2編目「星は、すばる」 。
小学生の女の子の絶望感が、胸に迫り、
自分の大病したときと重なりました。
・・・作家の想像だけで、
ここまで書けるもの?
もう何年も前に、
著者の人気作『ささら さや』(幻冬舎)を
勧められて読んだけれど、さして印象に残らず。
作家・加納朋子への思い入れが
なかっただけに、意外でした。
気になって、プロフィールを調べると・・・
著者が闘病生活を送っていたことを知りました。
当時の日記を元にした著作が
『無菌病棟より愛をこめて』だったのです。
ここで、いろいろが、つながった気がしています。
著者には叱られるかもしれませんが、
短編に描き出された、女の子の絶望感は、
ご自身の体験を経てのものだったのではないかと・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/29/ec4ec0b8d1f7a0c3a3181e94e50dfe1f.jpg)
『空をこえて七星のかなた』、
あの女の子も含め、問題を抱えた7作の主人公が
迎える大団円。
あれには、涙が止りませんでした。
人に対する、このあたたかさ!
思うに、これは著者が、他者を拒まず、
豊かな人間関係を築いてきたからでしょう。
それが『無菌病棟より愛をこめて』で
よくわかりました。
たとえば・・・
入院中の著者には、
お見舞いが絶えません。
ときには、自分から友人を誘ってすらいます。
わたしは、闘病中、
友人や親しい親戚など、大好きな人であっても、
誰にも会いたくなかったなぁ・・・
人を拒みっぱなし!?
う~ん・・・
楽しいひとときの後に、
押し寄せてくる、寂しさ、
ひとり取り残されたような焦燥感・・・
それが怖かったんです。
もっとも、家族はそばにいてくれたし、
患者仲間に恵まれ、和気あいあいで過ごしたので
一人だったわけじゃありませんねw
とにかく
著者は、とっても前向き!
受けていた治療は、
わたしなんかとは比べものにならないほど
大変だったのに・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/b4/34c7343cc8a50c50437d75aea57b2e76.jpg)
わたしも、
サバイバー歴10年を軽く越え、
おかげさまで元気にしています。
いまだに、
ここで病名を明かすこともできず、
オタオタしてしまうものの・・・
告知以来、ずっと避けてきた、
他人様の闘病記を読めるようになったんだなと、
さっき、気づきました。
一方で・・・
あの頃、感じていた、生きる重みや感謝、
人に対する、しなやかさのようなものが
失われてきたと痛感する、昨今。
病気をして良かった、なんて
未来永劫、
決して決して思わないけれど・・・
それでも、あの頃、感じた想いは
わたしのなかで、大切にしていきたい・・・
この本を読みながらのおかげか・・・
旅の間、夫に対して、
穏やかに接することができたと、
自負していますw
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長々と、おつきあいを、どうもありがとうございました。
画像は上越のホテルで撮った、夜明けです。
目が覚めて、本を読もうとしたら、お日さまが昇ってきました。
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