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小説・鉄槌のスナイパー3章・NOー(96)

2009-03-21 00:54:25 | 小説・鉄槌のスナイパー(第三章)
小説・鉄槌のスナイパー3章・NOー(96)

「三河さん、総てと言うと?・・・」。
「はい、静岡の大浜で二人を射殺したのも、同じ静岡市内の中村町で堂島と言う弁護士崩れを射殺したのも、そして軽井沢で七人を射殺したのも総て自分一人がやった事だと自供しましてね。覚悟の自殺でした。
使用された凶器も発見されていますし、供述内容も符号しますので、西崎の単独犯と言う事で事件は解決を見ました。
それで、犯人逮捕の指揮を取ったとして認められました。お二人のお陰です。有り難うございました」。
そう言うと三河は直立すると腰を折った。
「そうですか、じゃあ部屋でゆっくり聞かせて下さい」。
京平は三河を連れて自分の部屋に場所を移した。そして遅れて美保はお茶を入れて持って来た。

「三河さん、どう言う事なんです。宮崎が全部認めたって言うのは?・・・」。
「ええ、西崎にも殺し屋としてのプライドがあったんでしょうな。私が細かく現状の説明すると、奴はそれを丸覚えしましてね。それで別の刑事の取り調べであの殺しは自分がやったと供述を始めたんです。
しかし頭の良い男でした。殺された男の名前を短時間で総て覚えていましたからね。それで殺した理由は、と聞くと。麻薬を扱う暴力団は生かしてはおけない。悪徳弁護士も悪徳医師も同じだといいましてね。ただピース同盟・鉄槌の族は知らないと言い切りました」。
「そうですか、西崎は一人で背負って死んでいったんですか。でもその事はまだニュースでは流していませんよね」。
「ええ、しかし新聞の片すみに載せました」。そう言うと背広の内ポケットから新聞を取り出して開いて見せた。
そこには本当に良く見ないと分からない程数行の死亡記事が載っていた。

「三河さん、もうあれは止しましょう。美保とも話したんですが、あれは封印して埋めてしまいます」。
「ええ、実は私もその事を御相談に来たんです。私もそう出歩く事が出来ない立場になりました。それにあの事件は西崎が持って逝ってくれました。もう何も心配する事もありません。
お二人には双子のお子さんも生まれます、封印しましょう。それで車に良い物を持って来ました。特種な装置です。
その中へ入れて蓋をして置けば弾薬も機器も劣化しないんです。勿論箱の中は真空にさせるんですがね。科捜研の友人が私的に造った物なんです。
資金がなくなって買ってくれないかと持って来たんです。薬品や火薬、そしてサビや劣化は半永久的にないそうです」。
「そうですか、頂いて封印します。美保、よかったな」。
「うん、此れで何も可も終わったのね。三河さん、色々有り難うございました。今後とも宜しくお願いします」。

「いや、私こそ。色々と良い勉強をさせて貰いました」。
そして翌日、三河と京平夫婦の三人は別荘へ向かった。そして三河が持って来たと言う特種なケースをトランクから降ろした。
それは以外と重くて京平が抱えてやっと運べる程の重さだった。
地下室を片付けて真ん中に開けた収納庫から銃の入ったブリーフケースを出した。そして装備品を特種なケースに入れた。
そして残っていた数千発の弾薬も入れた。
「紺野さん、弾薬はこんなにあったんですか」?
「ええ、黙っていて済みません。あまり多くある事を言うとまずいと思いまして。別に三河さんに隠していた訳ではありませんから」。
「ええ、分かっていますよ。それで何発あるんです?・・・」
「ええ、最後の仕事が終わってから数えたんですが。鉄鋼弾が二千発と炸裂弾が二千発、鉛の弾が一千発です。合計端数を除いて五千発です。ちょっとした中隊の弾薬です。でも良く出来た銃です。その弾の割合は銃用とライフル用が半々です。あとは遊びに来た時に遊びに使いましょう」。

そしてケースに入れた。それは京平の銃ケースが三つそっくり入ってしまう大きさだった。そして電気コードを接続してスイッチを入れた。
すると、モーターが回る音がして小さなダクトに手で塞ぐと空気が出て来るのが分かった。そして十分もするとカチャッカチャッカチャッとロッインする音が三回したそして青いランプが着いた。するとモーターが自動的に止まってスイッチが切れた。
「紺野さん、これで湖に静めても決して湿気も水は入りません。此れが鍵です。お渡しします」。三河はポケットに手を入れると「チャリッ」と音をさせてキーを出した。そして手を広げると頑丈そうな鍵が三つあった。
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