久しぶりにこの夏、村上春樹のたしか去年の最新作でベストセラーの『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』を呼んでみました。長過ぎるタイトルで意味わからないまま購入。
まず、多崎つくるは、主人公の名前。巡礼の年は、リストのピアノ曲タイトル。
そして、彼は名古屋出身で、名古屋の高校時代の5人組(男3名、女2名)の一人。子供のボランテイア活動を共にしたことから始まる。みんな賢く才能がある個性的な仲間で、卒業後、多崎つくるだけ東京の大学に進学で、他の4名は名古屋の大学に進学。現在は30台後半で、主人公は、鉄道会社に就職して鉄道建築に関わっている。鉄道好きの子供からの夢を実現。
そんな感じにはじまり、何か私の経験とちょっとだけ似てるかもと、出だしに関心大。というのも、名古屋出身、名古屋の進学高校に通い、卒業後もクラスで同じグループだった男3名と私で、休みごとに名古屋に帰省した際に会ってたこと。3名は東京でしたが。ついでにこの本のなかの1名女も音大に通っていたように、私も音大に進学したわけで。もちろん本のように殺人やら推理小説っぽいドラマは起こるわけないけど、何か共通点が少なからずあり。確かに私の仲間も、3名は賢く一流企業就職でバリバリと世界を飛び回って働いており。私は全く別世界の音楽にすすみ、彼らのような頭脳をもっておらず、波瀾万丈の人生を駆け抜け、何とか現代音楽やってサバイブできてる状況に今は落ち着いている? でも、人生、最悪の状況を乗り越えて何とか生きていることに感謝しつつ暮らす日々。う~ん、やっぱり本よりも現実の生活のほうがドラマありかなって思ったり。とはいえ、私は小説家でなく文字で表現できないから、音楽で表現を続けていくのかな~
個性的な人物が登場するわりに、何かちょっと中途半端なストーリーだったような? 速読で読みが浅いのかもだけど、今回のはあまり気分よくなくモヤモヤ感でした。もちろん、村上春樹の作品は、気分爽快になれる作品ではないけど、後味いつも以上に悪いような。他の人の感想も聞いてみたいですね。色にこじつけてるのも、4名の名前に色を入れてたりして、ストーリーを推理小説ぽくすすませるもなあ~?どうして今回は名古屋にしたのかしら?感想としては、登場人物全員、出会ったら関わりたくないと思ったりしました。再読したら又、感想が変わるかもしれないですね。いつもの村上作品のように読みやすいので、皆さんも!いつも村上作品は、何か不快感が残り、嫌な人物が出てくるので、そう思えばいつもの延長上かなとも思えるけど、いつも以上に最後、曖昧にぼかして読者の推理にまかすみたいな。不快感を覚えるのに、なぜか彼の作品は読み続けてしまいます。
この作品にでてくる鍵ともなっているリストの『巡礼の年1番スイス』の8番で『郷愁 Le mal du pays』。村上春樹の作品がきっかけで有名になってるピアノ曲です。ついでに本にでてくるピアニストの演奏です。