Towards the Universe....

~Miyuki Ito-Composer's Life~

夏に読んだミステリー名作本。

2012-09-12 16:54:26 | ♪books/私の作品に影響を与えてくれる本!
 

随分昔、学生のときに「ケインとアベル」を読んで以来のジェフリー・アーチャーの作品を読みました。「ゴッホは欺く」(上下)です。
舞台はニューヨーク。2001年の9.11がストーリーの最初におこり、ミステリーを複雑にしています。主人公の女性アンナは、ルーマニア人移民の美術コンサルタントで正義感にあふれた女性です。会社の悪どいボスに殺されそうになりながらも正義を乗り越えます。そのきっかけは、ゴッホの「耳を切った自画像」の売買。ゴッホ自身が左耳を切ったあと包帯をしたまま鏡に映る自分を書いている作品。鏡をみて書いてるので、実際の絵画は右耳に包帯なんですよね~。殺し屋の女性はルーマニアのもと小柄な体操選手、絵画のもちぬしはイギリスの貴族の女性、最終的に絵画を購入するのは日本の大会社の社長と、国際的に飛び回るミステリーです。夏の暑い時に颯爽とよめる本です。


次にエラリー・クイーンの「緋文字」。これは、ホーソンの同名作品からきています。ドルリーレーンの4部作「Xの悲劇」「Yの悲劇」「Zの悲劇」を昨年読んで、様々な小説家達がクイーンについて述べる彼の作品のすごさに感銘を受け、これ以外の作品も読んでみようと思って読んだのがこの本です。この作品の探偵はクイーンです。作品構成は、読んだものとは全然異なっており、読んでも読んでも殺人あるいは大きな事件が何も起こらないのですよ。起こるに違いないと周りのものが心配してかぎ回るのですが。。。そしてクライマックスは本の最後。お金持ちの女性と売れない探偵小説家の夫がメイン。そこに元売れっ子役者で今は仕事が無く金持ち女性にくいつく男。最終的には、夫が男をお金が手に入ると誘い仕組んだもので、妻を殺そうとしたものの、殺しそびれてその男を殺すというもの。しかし、そこにいたるまで夫とその男の関係は全然ないように書かれており、妻が夫と不倫していて悪者扱いとなっています。最後の最後に探偵が解き明かすというもの。そして、死んだ男のXYのダイイングメッセージ。じつは、これは、XXを書ききらずにXYで息を引き取ったもので、XXは、Xはクロスで、裏切りを意味します。そして、夫とその男との関係が明かされて夫が真犯人となります。作品は、A, B, C, D...アルファベット順にニューヨークを駆け巡るようになっていて、構成がすごくうまいのはさすがです!! ニューヨークの街を想像しながら読めるのも楽しめます!クイーンの国名シリーズもいつか読んでみたいです! と、ホーソンの「緋文字」手に取ってみたのですが、本文にはいる前の序章だけで70ページくらいあり読みにくくギブアップです。またいつか。


横溝正史の「獄門島」です。横溝正史の本は、以前、1冊読んだ覚えがあるのですが何を読んだか記憶にありません。実は、横溝正史のお孫さんとニューヨークの音大生時代に仲良かったんです。彼女はピアニスト。横溝さんって、まさか横溝正史の孫だとは全然知らなかったのですが。彼女はニューヨーク生まれのニューヨーク育ちで家族もニュージャージーに住んでいました。と、この「獄門島」は、後の推理作家にすごく影響を与えた作品と言われる彼の初期の名作です。探偵は金田一京助です。島の本家の3姉妹が次々と芭蕉の3つの俳句に従って殺されます。島という外部から隔離された場所で、そこにいるのは島人。誰でもが犯人になりそうな何か薄気味悪さが漂います。日本的な田舎の閉鎖的社会の中での、俳句の内容に従った殺され方という薄気味悪い殺人です。横溝正史の作品にはよく俳句とかでてきて殺人と関連させるというのが多々あります。最後まで犯人がわからないミステリーです。さすが!


アガサ・クリスティーの「そして誰もいなくなったです。英文では、「The Ten Little Niggers」で、全然違いますね? 10人のインディアンの子守唄の内容にあわせて10人が孤島で殺されるというストーリーです。アガサ・クリスティーの作品は、若い時に「オリエント急行」、「ABC殺人事件」などはまって読みましたが、この本だけなぜか読む機会がなくいつかって思っていた本です。タイトルが気になりますよね。何とこの本は10億冊以上世界で発行されていてギネスブックでも史上最高のベストセラー作家なのだそうです。これまた、孤島殺人で、その島には住人無しで、同じ日にその家のオーナーと思われる人から招待された10人のストーリー。最後まで犯人はミステリーで、最後の告白で10人の中の1人であり自分も死んでしまう元判事とわかります。法律の手の届かない殺人をおこした10人を選んで殺人をしたものでした。その中には何度も交通事故をおこして人を殺していても何も責任を感じない若い男も含まれており、確かに法律だけではさばかれないあくどい人殺しって数々ありますよね。でもそれをまとめて10人複雑なトリックで殺すというのも恐ろしいですが。


カート・ヴォネガットの「スローターハウス5」。今までに彼の本は2冊読んでおりさすがって感動し、弟のもっているヴォネガットシリーズのすべてをいつか読破とこの本を読みましたが、これは理解しにくい本でした。SFっていうわけでもなく、第2次世界大戦の回顧も入ったりと、あっちこっちに思考が飛ぶのですがその内容があまり面白くないというか、私の読みが浅いのか?ヴォネガットはすごい作家だと思うので、別の本をまた。

この夏は、色々と今までに読んでおきたかった本を読みました。小説は、作曲する上でも私に撮ってはすごく重要で、様々なインスピレーションをもらいます。ミステリーは、構成、アイデア、スピード感など色々と勉強になります。また、古い作品を読むと、最近の作家のなかで影響されているのがわかったり。音楽、小説、アートすべてつながりがあるので、自分の知らない世界をもっと知りたいですね!


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