Towards the Universe....

~Miyuki Ito-Composer's Life~

夏に読んだ本(3)

2013-08-30 06:01:10 | ♪books/私の作品に影響を与えてくれる本!

一気に読んでしまった中島らもの『ガダラのブタ』3巻です。中島らもの本を読むのは今回が始めてです。
この本の題名は前々から気になっていたのですが、やっとこの長編を読む時間ができたのでトライ!タイトルは、キリスト教からきてるんですね。

内容は、アフリカにおける呪術の研究をしている民俗学者の大生部教授の家族や知り合いをめぐるミステリー。7年前にケニアに調査に行った際に、奥さん、娘も着いていき、たまたま、奥さんと娘が待っている間に、娘だけ乗った気球が事故で墜落し、乗っていたガイド、操縦士の遺体はみつかったものの、娘の遺体はみつからないまま。その話しがきっかけで、母親は精神的に病み、1巻では怪しい宗教団体に勧誘されてだまされます。と、簡単にその団体のトリックを奇術師の友人に解かれて、奥さんも目覚めるというもの。

2巻は、テレビ番組の取材をかねて、奥さんと息子を含む大生部教授一家に弟子やテレビ局スタッフとケニアに向う。そこで出会う大呪術師のパキリが、実は、事故にあった娘を助けたついでに隔離して呪術に使っているというショッキング。何とか娘を取り返すも、次々に人が死んでいきます。長編のなかで一番盛り上がり、どう解決するのかわくわくするところです。何とか1家は、ケニアを無事に抜け出して日本に戻ります。

3巻は、なぜか、パキリが東京に出現。続いて、1家をとりまく知り合いやらが次々と死んでいきます。まるで呪術で呪われているように。テレビ局でのドタバタになり。3巻は、ちょっとあまりにも次々と死んでいき、最後は安っぽく、大生部教授が呪術師の血をひいた一族でその力がありパキリを倒すって言うちょっと安直な終焉。記憶喪失になっていた娘も、簡単に目覚めちゃうし。全てがどたばたで、何となくテレビっぽい視覚的な構成か? 2巻までは、人間は簡単に見たことに騙されるっていうのを、うまく表現していて面白く読めましたが、3巻でいきなりぶっ飛ばして内容が薄くなってしまったような?

とはいえ、超能力とか呪術とかでてくるけど、作者はそれを支持しているわけではなく、そういうものを信じたい人間があるからそういうものがあると信じさせる人間がいるっていうか、そこらへんは共感しますね。日本人って、周りに影響しやすいので、みんなが信じてるって言えば、そうしなくちゃみたいな社会ってところがまだまだあるもんね。主人公の大生部教授はアルコール中毒なのですが、中毒症も、超能力も、呪術も、何か日常から逃れて現実逃避して、自分のせいではなく他人、他のもののせいにしたいという人間の弱さの表れでしょうね。長編ですが、先が気になるので一気に読めちゃう本です!
全体を通せば、面白く考えさせられる本です

とはいえ、やっぱりアフリカは怖くて行けないなって思いました。あまりにも文化が違いすぎるし、全てにおいて無理って思っちゃいますね。弟は、若いときにアフリカ横断を一人で何ヶ月もしたことがあるのですが、どうやって生きていたのか??? 


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