相親：その後

ミンミンのお見合い、その後。

5月の連休明け、突然Aさんの両親から相方父に連絡があった。
あちらの家族で相談した結果、これ以上待てないので他を探すことになったらしい。
そしてその電話があったのとほぼ同じ日から、Aさんは突然ミンミンの家に現れなくなった。
それまで毎日のようにミンミンの家に来て、晩御飯をご馳走になっていたのに、
ご本人であるはずのAさんからは一言の連絡も挨拶もなかったらしい。

日本でも中国でも見合いしたことがない私にはよくわからないのだが、
仮にもしばらく付き合っておきながら、本人から何の説明もないって、礼儀としてどうよ！？？
と思うのだが。

幸いミンミンの方はこうなることをある程度予測していたのか、それほどショックを受けている様子では
なかったが、祖母や周囲の親戚たちはかなりガックリきて、お通夜のような雰囲気だったらしい。

ここまでの話なら、まあよくある話で済ませられたのだが、更なる後日談が。

実はAさんの家族は、Aさんがまだミンミンと付き合っている間に、もう次の見合い相手を探して、実際に見合いもさせていたらしい。
その相手というのが、Aさんと同じく30歳で独身の女性。
しかし学歴も低く、容姿もAさんの好みでなかったし、何よりAさんはミンミンを気に入っていたので嫌がっていたのを、
Aさんの母親が「今年中にどうしても結婚しなければ、不幸になる」という、どこかの霊能者のようなセリフで（爆）、
Aさんを口説き落としたらしい。
もともと「5月には結婚、来年の春節には孫」とさんざん言っていた、信仰心の厚い（げっ）Aさん家族。
もしミンミンがAさんと結婚したとしても、これじゃ幸せになれないのでは、と心配していたのだが、
この後日談を知って私も二姐も、「ヘンな男と結婚しなくて良かった…」という思いを増々強くしたのだった。

それにしても30歳過ぎた男が、自分の意志で親を説き伏せることはおろか、付き合っていた相手に別れの言葉も、挨拶も自分でできないなんて、情けないと思わないのだろうか？？
それとも中国では（日本でも？）これが普通なんだろうか？？と頭を抱えてしまう。

ミンミン本人よりもガックリきているのがミンミンの祖母で、
折角妹の夫（相方父）が持ってきてくれた縁談を断って申し訳ない気持ちでいっぱいらしく、
ついつい二姐に、
「ミンミンみたいなワガママな子じゃなくて、ファンユエン（ミンミンの従妹）に紹介すれば良かった。あの子は素直でいい子なのに…。」と毒づいたらしい。
ミンミンの祖母には結婚適齢期の孫娘が5人もいるから、そう考えるのも無理ないかも知れないが、
いくらファンユエンが素直でいい子でも、ミンミンが断わられた相手を紹介されるなんて、洋服のお下がりじゃあるまいし、まっぴらごめんだろう。

その「素直でいい子」なはずのファンユエンはミンミンより2歳年下（24歳）なのだが、彼女も先日地元の人と見合いしたらしい。

しかし相手の男性があまりにも「頼りなさすぎて」（ファンユエン談）、彼女の方から断ったそうな。
どこがどのように頼りなかったかこっそり聞いてみると、
「デートの誘いに家まで来て、一緒に散歩に出かけたまでは良かったんだけど、途中で暑くて喉が渇いたと言ったら、
お金持ってきてないから、今から実家に帰ってママにもらってくるって言うの。
子供じゃあるまいし、30過ぎた男が外を出歩くのに一元も持ってないなんて、おかしいと思わない？
自分の給料は全部ママに渡して、ママからお小遣いもらってるのよ！」
と憤慨している。

更に女の方から断られてメンツを傷つけられた（と思った）相手のママは、わざわざファンユエンの両親に向かって
「これだから大学なんて出た女の子はワガママなんですよ。うちは大学出の嫁なんかまっぴら。こちらから願い下げだわ。」
と言いに来た、らしい…。（絶句）

さすが中国、見合いでも親は見守るどころか積極的に子供の前に出て、遠慮のカケラもなくモノを言うんだなぁ、と
改めて恐れ入ってしまった。
見合いからしてこれなんだから、結婚して嫁姑になればもっとものすごい事になってもおかしくない。

それにしても男性のママ依存は相当なもの。
中国で「冬彦さん」を見て（古い？）共感しまくっている女性は、ゴマンといるに違いない…。