はと@杭州便り

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相親:2

2014-04-10 14:10:16 | 中国人相方&親戚
どうやらスピード感がまるで違うらしい。

もともと中国にはせっかちな人が多いが、相方田舎の人のそれは日本人から見れば常軌を逸している。
ミンミンと相手の男性(仮名:Aさん)が初めて会ったのが、2月の中旬。
それからAさんは仕事帰りに、数日おきにミンミンの家を訪れるようになった。

今年30歳のAさんは、ご両親にとっては唯一の息子。
それも上に娘が2人いるにも関わらず、どうしても息子が欲しくて高い罰金を払って生まれた待望の息子である。
「とにかく早く嫁を、孫を」と本人よりもご両親が相当気をもんでいるらしく、
2月中旬の見合い以来、「4月には婚約式を」「5月には結婚式を」とせっつかれ、
挙句の果てに「来年春節までに孫を」ときたもんである。

このAさん両親側の「4月には婚約式、5月には結婚」という話が、福州の義父に伝わり、
義父から相方→日本にいる私に伝わった時には、まるでそれが決定事項のような口ぶりだったので、
仰天してしまった。

ご両親が気をもむのは年齢のこともあるが、中国で言う「迷信」を固く信じていることも厄介な要因で、
田舎では「奇数の年齢に結婚するのは良くない」(来年31歳での結婚は良くないから今年中にしろという意味)
「未年生まれの子供(男の子?)は良くない」(午年の今年中に孫がほしいという意味)という考えがあって、
どうやらそれを結構真面目に信仰されているようなのだ。

この四柱推命だが占いだかよくわからない「迷信」、田舎では決してバカにできないのである。

昔々、私と相方が結婚するときも、義父母は真っ先に私の生年月日と生まれた時間を聞いてきた。
生年月日はともかく、生まれた時間なんてよく知らなかったので「夕方だったらしいから5時頃かな?」と適当に
答えたら、一週間ほど後に「二人の相性は良かったよ!」と義母から電話がかかってきてびっくりしたことがある。
何でもわざわざ地元で有名な占いの先生のところまで行って、私と相方の相性を占ってもらったらしい…。
適当に答えた時間でたまたま良かったからいいようなものの、これで悪かったら「別れろ」と言われていたかも、である。
(…というか、付き合って4年近く経っていたので、今更相性もヘチマもないだろうと思うが)

義父母と話をするときに、理屈で話してもわかってもらえなさそうな事は、
中国式に「迷信」で通すのが一番いいと悟った日本人嫁。
赤ちゃんだったユキの頭を剃れと言われた時には「日本では赤ちゃんの頭を剃ると、ものすごく不吉なことが起こるんです!」と反論したら何も言われなくなったこともあった。
そのくらい「迷信」は効果があるのである(閑話休題)

Aさんの親戚は相方父の親戚でもあるわけで、当然福州の義父母や義弟はあちらの味方。
二姐に「先方がこんなに乗り気なんだから、もう早く結婚させてしまおうよ」とせっつくし、
ミンミンの祖母や親戚も「もう歳だってそんな若いわけじゃないんだし、親戚の紹介で地元の人なら安心じゃない。」と言う。
最初は戸惑っていた二姐も、「これを断ったら娘は本当に剰女になってしまうかも」という心配と、
下にまだ中学生の妹がいることを考えると、ミンミンだけでも早く身を固めて安心してほしいという親心で、ミンミンに電話をかけては色々様子を聞いてみるのだけど、肝心のミンミンは全然乗り気でないのだ。

Aさんのどこが不満なのか聞いても、具体的にどこが悪いという訳ではないのだが、
「一緒に居ても話も弾まないし、好きという感情も湧いてこないし…」と言う。
煮え切らない娘の態度に、二姐のイライラが爆発することもしばしばあった。
二姐は、
「何が不満なんだか、そんな理想的な人なんかいるはずないのに、あの子はいったい自分を何様だと思ってるの!」と怒ったり、
「私が若い時代は、結婚は全部親が決めた人とするものだったよ。今時の若い子の考えてることはさっぱりわからない。」と戸惑ったり、
私の見るところ、今40代後半の二姐と、25歳のミンミンとの間の世代間ギャップも相当なものだと思う。
この20数年の間に、中国は日本よりずっと急激な価値観の変化が起こってしまっているのだが…。

どうやら問題は相手がどうこう、ということではなく、結婚に対する考え方そのものでは、と思った私。
ミンミンの考えが聞いてみたい。
そう思っていたところへ、業を煮やしたAさん両親側から最後通牒(?)が。

「今度の週末にAさんの実家にミンミン側の家族や親戚を招待するので、実家をよく見てもらって、その上で結婚するのかしないのかはっきり決めてほしい」と言うのだ。
Aさん両親側の焦る気持ちはわからなくもないが、
しかし見合いしてまだ1か月半しか経ってないのに、「今すぐ結婚するかしないか決めてくれ」って、どうよ!??
…というか、日本でもお見合いってこんなスピード感なんだろうか?
恥ずかしながら見合いの経験すらない不肖日本人嫁は、頭を抱えるくらいしかできない…と思っていたら、
福州の相方父から相方に電話が。

「今週末にAの実家に招待されただろう?ワシは遠くて行けないから、代わりにお前たちが行ってくれ。」

…。
このお見合い、そういえば相方父が仲人なのだった。
こういう席には仲人が一緒に行くのが礼儀らしいのだが、遠方で行けないため、
杭州の息子(相方)となぜかガイジン嫁も一緒に行くことになってしまった。
二姐もぜひ一緒に来てほしいと言う。
福州の義両親も二姐も、煮え切らないミンミンを、相方と私で説得してほしいと思っているらしいし、
相方もいつもは静観を決め込むくせに、ミンミンのこととなるとまるで父親代わりのように、
「早く結婚した方がいい」だの
「子供を生むなら若いうちでないと」だの
急に説教臭いオヤジになってしまうのである。

ミンミンに結婚や出産を説得するのに、
見合いでもなく
30歳もとうに過ぎてから結婚し、
アラフォーで子供を生んだ私と相方ではまるで説得力がないと思うのだが…。

ともかく、そんなこんなで私たちは週末、紹興へ向かったのだった(まだ続く?)

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3 コメント

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続きを楽しみにしています (mwn)
2014-04-11 10:24:21
こちらの年配の方の結婚観は、我々とはだいぶ違いますよね。ミンミンちゃんの運命や如何に・・・手に汗を握りながら、続きを楽しみにしています!
返信する
同じく続きを楽しみにしています (のぶ in 上海)
2014-04-11 11:30:23
かの有名な「死ぬときに後悔すること25」の中に「記憶に残る恋愛をしなかったこと」という項目がありますが・・・・

http://www.mobilkubota.com/manabi/250.html


中国人のご家庭を見て、中国人の結婚は親の気に入った人と結婚するのがいいと感じています。
個人というより、家と家のことですからね。彼らにとっては。
それに、経済格差が激しいこの国の人民さんにとっては身の丈にあった人と一緒になるのがいいのかもしれません。
中国人のお友達も見合いから始まりましたが、幸い、結婚後に子宝にも恵まれ、相手への愛も芽生えたので良かったのですが。
今朝、老公にミンミンのストリーを話しました。相方さんの「うちの親戚はみんなお見合いだ!!」ってくだりのところが一番ウケていました。
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Unknown (はとぽっぽ)
2014-04-11 17:46:29
>msnさま

母娘でも世代間ギャップがすごいのに、祖父母世代や叔父叔母も口出してくるので、更に話がややこしいです。続き、また書きます。。。

>のぶさん

私も中国人同士の結婚は、結局見合いの方がうまくいくんだと思います。結婚後の親戚付き合いとか、嫁姑問題の濃さが日本の比じゃないし。おっしゃるように経済的、社会的格差も大きいし。

でも一度も恋愛を経験しない人生って…何だかすごく損した気分になってしまうのは、贅沢なんでしょうか。

ミンミンの大学4年生の従妹は両親に、
「結婚は余程生理的に受け付けない人以外なら誰でもいい。親がいいと思う条件の人と結婚するから、その代わり結婚前に恋愛したり、自分の好きなことをするのは許してほしい。」と言ったそうです。
まだ若いのに、結婚に対するドライな考えに驚いてしまいます。
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