17日、中国甘粛省で起きた幼稚園の送迎バス事故。
園児と先生あわせて64人が詰め込まれた定員9人のワゴン車とトラックが正面衝突し、ワゴン車は大破。20人以上の幼い命が奪われた。
中国でもこのニュースは大きく報道されたのだが、その直後イーファンから電話がかかってきた。
イーファンの家から中学までは約4キロの道のり。
自転車でも行けないことはないのだが、交通量の多い国道沿いを通らなければならず、自転車専用車道もない&日が暮れると真っ暗になるので、自転車で通学している生徒は少ない。
家に車のある生徒は親の車で送迎してもらっているが、それができない生徒は公共バスか、送迎代行サービス業者の車のどちらかで通学することになる。
公共バスが一番安いのだが、朝夕は殺人的に混む/本数が少ないため一本逃した場合、半時間以上待つこともある/学校、自宅ともバス停から遠いので結局かなりの距離を歩くことになるため、かなり不便。
そこで、個人営業のワゴン車による送迎代行サービスがあるという訳だ。
料金は日本円で一ヶ月約2000円。田舎では決して安くないが必ず座れるし、断然便利。
中国の中学生はとにかく忙しい。
授業が終われば少しでも早く帰って、一分でも早く宿題に取り掛からないと深夜まで宿題に追われるハメになってしまう。
イーファンも9月の入学以来、この送迎代行サービスのワゴン車を利用していたのだが、
9人乗りのワゴン車に、ナント中学生14人が詰め込まれていると言うのだ。
運転している側にしてみれば、少しでも多くの生徒を乗せて稼ぎを増やしたいのが本音、安全性など考えもしないだろう。
しかし、そこへ幼稚園の送迎バス事故のニュースが入ってきた。
イーファンいわく、担任の先生はクラス全員に聞き取り調査を行って、定員オーバーの車に乗っていることがバレた場合、厳しい処分を下すというのだ。
しかし、送迎代行サービスの車をなくしてしまったら、生徒達は一体どうやって中学に通えば良いのか。
その点については学校側から何の指示も、解決策もないのである。
中国の中学生の朝はとにかく早い。
授業が始まるのは8時なのだが、朝の自主学習の時間があるため、イーファンの場合朝5時台起床、朝食後6時過ぎに家を出て、6時半に送迎の車の集合場所へ。7時にはもう教室に着いていなければならない。
公共バスで通うことにした場合、今よりさらに早い時間に起きて、家を出なければいけないのだ。
イーファンよりもっと遠くから中学に通っているクラスメートもいて、親の送迎ができない場合は、ナント中学の寮で寄宿生活を送っているそうだ。
公立中学に寮!??と驚いてしまったのだが、実際のところ環境は劣悪で、6~8人一部屋、9時消灯と決まっているがそんな時間に宿題が終わるはずがないため、多くの生徒は自分のベッドに懐中電灯を持ち込んで勉強しているそうだ。
洗濯機もお湯の出るシャワーもなく、当然誰かが風邪でもひいたら集団感染して大変なのだそうだ。
イーファンの友達は最初寮に入ったのだが、わずか一ヶ月で体調を崩して病院送りになり、今は結局遠い道のりを家から学校まで通っているらしい。
例えば学校や日本で言うところの教育委員会、PTAが行政やバス会社と交渉して、皆が安心して乗れるような中学生専用の送迎バスを運行すれば良いのに…と思うのだが、
中国の田舎でそんなものが実現するとは到底思えない。
結局二姐が方々に電話をして頼みこみ、朝は同じ中学に通う従姉のいる叔父さんに頼んで叔父さんの車に乗せてもらうことになり、夕方は自力で公共バスで帰る、ということになった。
しかしこの従姉は3年生で来年には卒業してしまうので、来年以降はいったいどうすれば良いのか、二姐は頭を抱えている。
イーファンの話では、毎朝校門前で先生方が送迎の車を一台一台チェックし始めたらしい。こうなると個人営業による送迎サービスの存続自体が危うい状況になってきた。
甘粛省の痛ましい事故を受けて中国全土で定員オーバーの送迎車を取り締まることになったのは良いのだが、取り締まりだけに終始して通学の解決策は何一つ示されず、実行もされない。
これでは取り締まりは一時的なものに終わってしまい、時が経てばまた定員オーバーの送迎車が登場し、今回の事故の教訓は何一つ生かされないまま、悲劇はまた繰り返されるのでは、と思う。
そもそも中国の子供たちが安全に通学できるようになるには、中学の数自体が圧倒的に不足しているとしか思えない。
今回の件で公共バスを利用する中学生が増えたため、イーファンは毎日授業が終わると立って乗るのもやっとのバスにやはりスシヅメにされ、そしてバス停から真っ暗の道を歩いて帰っているようだ。
中学生でも誘拐事件が絶えない中国。二姐も私達もイーファンの安全が気がかりだ。
園児と先生あわせて64人が詰め込まれた定員9人のワゴン車とトラックが正面衝突し、ワゴン車は大破。20人以上の幼い命が奪われた。
中国でもこのニュースは大きく報道されたのだが、その直後イーファンから電話がかかってきた。
イーファンの家から中学までは約4キロの道のり。
自転車でも行けないことはないのだが、交通量の多い国道沿いを通らなければならず、自転車専用車道もない&日が暮れると真っ暗になるので、自転車で通学している生徒は少ない。
家に車のある生徒は親の車で送迎してもらっているが、それができない生徒は公共バスか、送迎代行サービス業者の車のどちらかで通学することになる。
公共バスが一番安いのだが、朝夕は殺人的に混む/本数が少ないため一本逃した場合、半時間以上待つこともある/学校、自宅ともバス停から遠いので結局かなりの距離を歩くことになるため、かなり不便。
そこで、個人営業のワゴン車による送迎代行サービスがあるという訳だ。
料金は日本円で一ヶ月約2000円。田舎では決して安くないが必ず座れるし、断然便利。
中国の中学生はとにかく忙しい。
授業が終われば少しでも早く帰って、一分でも早く宿題に取り掛からないと深夜まで宿題に追われるハメになってしまう。
イーファンも9月の入学以来、この送迎代行サービスのワゴン車を利用していたのだが、
9人乗りのワゴン車に、ナント中学生14人が詰め込まれていると言うのだ。
運転している側にしてみれば、少しでも多くの生徒を乗せて稼ぎを増やしたいのが本音、安全性など考えもしないだろう。
しかし、そこへ幼稚園の送迎バス事故のニュースが入ってきた。
イーファンいわく、担任の先生はクラス全員に聞き取り調査を行って、定員オーバーの車に乗っていることがバレた場合、厳しい処分を下すというのだ。
しかし、送迎代行サービスの車をなくしてしまったら、生徒達は一体どうやって中学に通えば良いのか。
その点については学校側から何の指示も、解決策もないのである。
中国の中学生の朝はとにかく早い。
授業が始まるのは8時なのだが、朝の自主学習の時間があるため、イーファンの場合朝5時台起床、朝食後6時過ぎに家を出て、6時半に送迎の車の集合場所へ。7時にはもう教室に着いていなければならない。
公共バスで通うことにした場合、今よりさらに早い時間に起きて、家を出なければいけないのだ。
イーファンよりもっと遠くから中学に通っているクラスメートもいて、親の送迎ができない場合は、ナント中学の寮で寄宿生活を送っているそうだ。
公立中学に寮!??と驚いてしまったのだが、実際のところ環境は劣悪で、6~8人一部屋、9時消灯と決まっているがそんな時間に宿題が終わるはずがないため、多くの生徒は自分のベッドに懐中電灯を持ち込んで勉強しているそうだ。
洗濯機もお湯の出るシャワーもなく、当然誰かが風邪でもひいたら集団感染して大変なのだそうだ。
イーファンの友達は最初寮に入ったのだが、わずか一ヶ月で体調を崩して病院送りになり、今は結局遠い道のりを家から学校まで通っているらしい。
例えば学校や日本で言うところの教育委員会、PTAが行政やバス会社と交渉して、皆が安心して乗れるような中学生専用の送迎バスを運行すれば良いのに…と思うのだが、
中国の田舎でそんなものが実現するとは到底思えない。
結局二姐が方々に電話をして頼みこみ、朝は同じ中学に通う従姉のいる叔父さんに頼んで叔父さんの車に乗せてもらうことになり、夕方は自力で公共バスで帰る、ということになった。
しかしこの従姉は3年生で来年には卒業してしまうので、来年以降はいったいどうすれば良いのか、二姐は頭を抱えている。
イーファンの話では、毎朝校門前で先生方が送迎の車を一台一台チェックし始めたらしい。こうなると個人営業による送迎サービスの存続自体が危うい状況になってきた。
甘粛省の痛ましい事故を受けて中国全土で定員オーバーの送迎車を取り締まることになったのは良いのだが、取り締まりだけに終始して通学の解決策は何一つ示されず、実行もされない。
これでは取り締まりは一時的なものに終わってしまい、時が経てばまた定員オーバーの送迎車が登場し、今回の事故の教訓は何一つ生かされないまま、悲劇はまた繰り返されるのでは、と思う。
そもそも中国の子供たちが安全に通学できるようになるには、中学の数自体が圧倒的に不足しているとしか思えない。
今回の件で公共バスを利用する中学生が増えたため、イーファンは毎日授業が終わると立って乗るのもやっとのバスにやはりスシヅメにされ、そしてバス停から真っ暗の道を歩いて帰っているようだ。
中学生でも誘拐事件が絶えない中国。二姐も私達もイーファンの安全が気がかりだ。
ひしひしと感じます。
上海の公立校でこの状態なら、保護者が黙っていませんから。
我が家の子どもたちは異なる学校(私立/公立)でそれぞれ
寄宿生活も経験しましたが、
宿舎の環境も良かったですし。
親戚の家は田舎と言っても紹興市からバスで半時間の「プチ田舎」で、都市化が進み、お金持ちも結構いるんですが、そのプチ田舎でこの状況なら、本物の田舎(?)の学校はどんな状況なのやらと思います。とにかく学区が広すぎる&交通が不便で通学に苦労している子供がとても多いです。
更に田舎では過疎化が進み、小学校近代化のスローガンのもと学校の統廃合が急速に進められた結果、本来なら小学校に行けたはずの子供たちが学校を諦めなければいけない状態になっているそうです。ネットで調べると92年全国の小学校数は71万校だったのが、09年にはわずか28万校、この17年で6割も減らされています。子供の数が17年前の4分の3に減っていると言っても、異常な減り方です。上海など大都会では想像もつかない農村の現実を見る思いがします。
イーファンは放課後、別の親戚が車で家まで送ってくれることになりました。とりあえず一安心ですが、これもいつまでお願いできるのか心配はつきないようです。