はと@杭州便り

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小朋友、来了

2010-02-09 23:39:29 | 中国人相方&親戚
二姐の娘、ミンミンとイーファンが杭州にやってきた。

ミンミンは大学3年生。杭州郊外の大学に在籍していて、普段は寮生活。
イーファンは小学5年生。紹興の田舎の家で、父方の祖母と一緒に暮らしている。

日本なら年齢差10歳の姉妹、というのは珍しいと思うが、中国ではそうでもない。
というのも、農村戸籍の場合、一人目が女の子の場合に限り、二人目を生むことを許されているのだが、さらに「二人目は、一人目から必ず8年以上あけなければならない。」という規定があったそうである。
福州にいる相方従兄の子供も、8歳違いの姉妹。
さすがに8年は長すぎるということで、最近この規定は「4年以上」に変更されたそうで、相方弟の子供は5歳違いの姉妹である。

さて、2人とも学校が冬休みに入ったのでうちに遊びに来たのだが、
ミンミンはともかく、普段田舎から一歩も出ない生活をしているイーファンにとっては、杭州は大都会。
イーファンは去年の夏休みにも杭州に来て、一週間ほど滞在したのだが、
そのときも相方がケンタッキーに、西湖に、動物園に、映画館に連れて行くと、もう大興奮だった。
しかしイーファンが杭州で一番行きたかったのは、本屋さん。
田舎には悲しいかな本屋も図書館もなく、家でも祖母が文盲なため新聞を取っていない。
学校の図書室はないのかと聞くと、あることはあるが、普段は鍵がかかっていて、先生の立会いのもと、決まった時間にしか出入りできず、図書の貸出しもないそうである。

去年来た時、一日目に相方が市内の比較的大きな本屋に連れて行くと、本の棚の前にはりついて、3時間出てこなかった。
二日目からはナント一人でバスに乗って、毎日本屋通い。
中国の本屋は床に座って立ち読みしている人も多いので、そのまま丸一日帰ってこないこともあった。
相方は「田舎の小学生は、イーファンのような環境が当たり前だ」と言うけれど、
小さい時から本屋も図書館も当たり前のように利用していた私から見れば、本に不自由するのが不憫でたまらない。
イーファンは相方と二姐からもらったおこずかいで、お菓子もおもちゃも買わず、全額本に費やして、「重すぎるからちょっと置いていきなさい。今度お母さんが帰るときに持って帰ってあげるから。」という二姐の言葉も聞かず、全部リュックに入れて背負って帰っていった。

今回も杭州へ来ると早速本屋に直行し、また嬉しそうに大量の本を抱えて帰ってきた。
私から見れば彼女のセレクトはちょっと古風で、お気に入りは『世界名作シリーズ』。
『ガリバー旅行記』『ああ無情』『クオレ』など、図書館に行けば定番の本ばかりである。
それから『人体』や『ピラミッド』などを図解で紹介した本。
去年家に持って帰った本たちは、友達や親戚が遊びに来たときに勝手に持っていかれるのがイヤで、鍵のかかる戸棚に入れて、大切に保管しているらしい。

イーファンが来ると家も賑やかになるし、ユキも遊び相手が増えて喜んでいる様子。
私はイーファンから、田舎の小学校の様子なども聞けて面白い。

学校の時間割を見せてもらうと「語文(国語)」「数学」「英語」など主要教科のほか、「美術」「音楽」「体育」「書法(習字)」などの副教科もちゃんと書いてあるのだが、
「書法は去年一回あっただけ。体育ももう何ヶ月もやってない。」と言うのでびっくり。
「体育は数学と同じ先生だから、体育ってかいてある時間は数学の時間で、書法は語文と同じ先生だから、書法って書いてある時間は語文の時間のこと。」だそうである。
義務教育課程に一応副教科も入っているので、教科書だけは配られるそうなのだが、
音楽、美術は授業がなく、先生すらいない状態。
だったら最初から時間割に数学、語文って書けばいいじゃないかと言うと、それじゃ義務教育課程をちゃんとやってないことになるからダメだ(?)と言う。
つまり、田舎の学校には表向きの時間割とは別に、「ウラ時間割」が存在するのである。

杭州の学校に比べれば厳しくないと思うが、
それでも試験前になると、毎日夜中までかかってやらないと終わらない量の宿題が出され、
問題を間違えれば先生に手をムチで叩かれるそうである。
試験の結果が悪いと小学校でも落第があって、同じクラスには上の学年からの落第生も普通にいるらしい。
今は「勉強、勉強」と尻を叩いてくれる母親が側にいない状況で、
クラスで常に上位3位に入る成績をキープしているイーファンに拍手。

杭州ではユキの子守&家事の戦力としても、ずいぶん頑張ってくれました。
結局ミンミンは先に帰り、イーファンは2週間滞在して、春節、私達といっしょに紹興へ帰る予定です。

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2 コメント

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Unknown (のぶ)
2010-02-11 11:15:04
相変わらずディープな話題ありがとう。

それにしてもイーファンの話は本好きとしてよく分かります。

将来はどうなりたいのか分からないけど、イーファンのようにやる気のある子が自分の好きな道を歩ける社会であったらなと思います。
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Unknown (はとぽっぽ)
2010-02-12 14:24:27
>のぶさん

田舎と言っても紹興市内から市バスで半時間の「プチ田舎」なんですが、それでも話を聞いていると杭州ではアンビリーバボーなことが色々あります。

残念ながら都会でも田舎でも、子どもを取り巻く環境は、受験戦争、高騰する学費、大卒の就職難と、年々厳しくなる一方のように思えます。相方が子どもだった頃は、衣食住はないないづくし、でも小中学校はそれほど厳しくなく、大学受験は厳しかったとはいえ、大学を卒業さえすれば、ある程度の将来は保障されたように思います。

イーファンは好奇心の強い子なので、杭州に来たら田舎ではできない色んな体験をして、視野を広めてほしいなと思っています。
私も明日から紹興の田舎へ出発です~♪
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