俳句大学国際俳句学部よりお知らせ!
〜俳句大学 Haiku Column 「今月の秀句」2020・10〜
◆俳句総合誌『俳句界』10月号が発行されました。
◆俳句大学 〔Haiku Column〕の「今月の秀句」から選句・選評した句を掲載しています。また、「俳句界」2019年1月号から毎月連載しています。
◆ 向瀬美音氏は日本語訳の改善に着手している。五七五の17音の和訳は、HAIKUをただ端に日本の俳句の五七五の17音にしただけではなく、原句のHAIKUの真価を再現するものであり、国際俳句の定型化に一歩近づくための有効な手立てであることを強調しておきたい。
◆例えば、ある日本の国際俳句大会で「飢えた難民の/前に口元に差し出す/マイクロフォン一本」のような三行書きにしただけで散文的な国際俳句が大会大賞、或いはある国際俳句協会のコンクールで「古い振り子時計―/蜘蛛の巣だらけになっている/祖父のおとぎ話」のような切れがあっても三段切れで冗漫な国際俳句が特選を受賞しているように、三行書きの国際俳句が標準になっていることに危惧を覚えて、俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱して行きます。
◆2017年7月にフランス語圏、イタリア語圏、英語圏の55人が参加する機関紙「HAIKU」を発行しました。12月20日発行の2号では91人が参加しました。また、5月31日発行の3号では96人が参加し、320ページを数えます。さらに、12月26日発行の4号では112人が参加し、500ページを数えます。そして5号では150人が参加して、550ページを越えて、8月1日に出版しました。また、2020年3月25日には「国際歳時記」の第1段として【春】を出版しました。
◆総合俳句雑誌「俳句界」2118年12月号(文學の森)の特集に「〔Haiku Column〕の取り組み」について」が3頁に渡って書いています。
◆「華文俳句」に於いては、華文二行俳句コンテストを行い、華文圏に広がりを見せて、遂に、2018年11月1日にニ行俳句の合同句集『華文俳句選』が発行されました。
◆ 二行俳句の個人句集では、洪郁芬氏が『渺光乃律』(2019、10)を〔華文俳句叢書1〕として、郭至卿氏が『凝光初現』(2019、10)を〔華文俳句叢書2〕として、次々に刊行している。
◆さらに、2020年1月からは月刊『俳句界』に「華文俳句」の秀句を連載している。
◆『俳句界』2020年3月号の特別レポートにおいて、熊本大学で行われたラウンドテーブル「華文俳句の可能性」の報告が8頁に渡って掲載されました。
◆どうぞご理解ご支援をお願いします。
octobre aout de 「HAIKUKAI俳句界」!
〜Haikus du mois de Haiku Colum de Haiku Universite〜
◆Le octobre de aout de HAIKUKAI俳句界 vient d'etre publie.
◆il contient les meilleurs haikus du mois selectionnes par M. Nagata.
◆Selon ce plan nous allons continuer a publier des haikus en deux lignes avec kire et toriawase.
The October issue of 「HAIKUKAI俳句界」!
〜Haiku Colum of Haiku University [Monthly best Haikus]〜
◆the October issue of HAIKUKAI俳句界 has just been published.
◆It contains the best haikus of the month selected by M. Nagata.
◆according to the plan, we will continue to publish 2 lines haikus with kire and toriawase.
Haiku Column(俳句大学)今月の秀句(「俳句界」R2.10月号)
【今月の秀句(monthly excellent Haikus)】 永田満徳選評・向瀬美音選訳
(Facebook「Haiku Column」より)
デニス カンバロ
海の風強き八月十五日
〔永田満徳評〕
「八月十五日」は日本では「終戦記念日」。「海の風強き」という措辞がよく、海を跨いで戦った太平洋戦争で、海原に散った多くの若者を悼む気持が滲みでている。
Dennis Cambarau
è Ferragosto -
un refolo di vento in riva al mare
it's August 15th -
a gust of wind by the sea
〔Commented by Mitsunori Nagata〕
"August 15th" is "the end of the war" in Japan. It is often said that "the wind is strong in the sea," and the feeling of mourning the many young people scattered in the sea during the Pacific War, which fought over the sea, is exuding.
*
エウジェニア パラシブ
あかときの露やまるで儀式のやう
〔永田満徳評〕
朝日に当たるにつれ、草花に付いた「露」がきらびやかに光り出す様子であろう。その様はまさしく「儀式」という直喩にふさわしく、写生的で的確な表現である。
Eugénia Paraschiv
rituel -
la rosée à l'aube
〔Commentaire de Mitsunori Nagata〕
Alors que le soleil frappe le soleil, la rosée des fleurs semblait briller. Ce genre d'expression est digne de la métaphore des «rituels» et est une expression sommaire et précise.
*
バーバラ オルムタック
息よりの不安な魂や落葉踏む
〔永田満徳評〕
「落葉」を踏みしめるたびに、その音に反応する微妙な身体感覚を「息よりの不安な魂」と表現している。「息よりの」が身の内にある不安感を繊細に捉えているところがよい。
Barbara Olmtak
out of breath my anxious soul
crisp autumn leaf
〔Commented by Mitsunori Nagata〕
Every time you step on the "fallen leaf," the subtle sensation of reacting to the sound is described as "anxious soul than breath." It's good that "from the breath" delicately captures the feeling of anxiety in the body.
【今月の季語(Kigo of this month)】 永田満徳選評・向瀬美音選訳
(Facebook「Haiku Column」より)
【夜長 よなが yonaga / long night / nuit longue】
*
ファビオラ マラー
蛇口より水滴の音夜長かな
Fabiola Marlah
longue nuit~
son des gouttes d'eau du robinet
*
ダニエラ ミッソ
長き夜本のページのよく香る
Daniela Misso
notte lunga –
profumo di pagine del mio libro
long night –
scent of pages of my book
【稲妻 いなずま inazuma / lightning / éclair】
*
フェテン フルティ
稲妻や長引かせたき君の夢
Feten Fourti
éclair
comment rallonger ce rêve de toi
*
アドニス ブルネット
荒天や稲妻空を引き裂きぬ
Adonis Brunet
orage
l'éclair déchire le ciel
【村芝居 むらしばい murashibai / village theater/ théatre villageois】
*
ラドハマニ
前列に嬰泣いてゐる村芝居
Radhamani
village theater
all housewives with crying babies first row
*
オルファ クチュク ブハディダ
村芝居揃ふすべての世代かな
Olfa Kchouk Bouhadida
théâtre du village ~
toutes les générations sont là
【渡り鳥 わたりどり wataridori / migratory bird / oiseau migrateur】
*
カメル メスレム
亡命のこころ幾夜か渡り鳥
Kamel Meslem
oiseau migrateur
depuis trop de nuits le cœur en exil
*
ベルナデット クエン
急流は谷を飲み込み渡り鳥 美音
Bernadette Couenne
oiseau migrateur -
un torrent fougueux dévale la vallée
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