
シリーズ6日目
1日目: 少子化が始まって30年なのに何も備えをしなかった日本の看護師不足。
2日目: 外国人看護師受け入れ風土の希薄
3日目: 数を目指した看護教育。看護学校の定員割れと閉校
4日目: 看護師絶対数の変化、病院中心医療から在宅医療へ
5日目: 看護教育の完全大学教育化と3年教育から4年教育へ
1日目に書いた、看護界の多採用と多離職。離職されても新しいのを雇えば良い、の考えは看護師の労働環境ややりがい、卒後教育やキャリアプランなどへ力を注がない環境を作っていました。いじめや嫌がらせだって横行しています。これを180度転換させるためには何が必要でしょうか?
まずは管理職自身が考え方を変えていかなければなりません。例えば辞令としての職場変更。私も日本で働いていた時、最初の5年は脳外科で。6年目に入る春に呼吸器内科へ移動を言われました。希望を聞かれることもなく、打診もなく突然です。大きな病院で働くと仕方がないこと、と思っていますか?私も日本に住んでいた時はそうだと思っていました。しかしカナダで働き出して、それは当たり前のことではないことを知りました。労働組合に守られ、自分の希望する部署で働く権利が守られています。それにその部署でエキスパートに育った人物を他へ回してノービスにするのは効率が悪くないですか?
自らの希望で場所替えをすることができ(欠員が出ている場合)、欠員が多い場所の管理者は、その原因を追求し改善していくことを求められます。職員の健康はメンタルも含まれていて、管理者にとって職員の健康促進も重要な役割です。超過勤務の管理も健康に大きく影響を与えますから、無料の超過勤務なんてありえないし、それをしないように業務改善も重要です。
11年ぶりに大所帯に戻って感じるのは、組織として職員の健康とハピネスをサポートされているなと確信できる職場。クライシスがあれば、欠員が多い中で働かなければならない日が続いた時、管理者はハドルの中で労いの声をかけ、皆の働きを讃え、時には組織の理由(なぜ超過勤務をこれ以上出せないか)をわかりやすく説明したりと、職員一人一人がサポートを感じることのできる職場。そんな職場を日本も作っていくことで、離職を防ぎ人員確保ができるのではないでしょうか?
続く
冒頭写真: 今回の箱根伊豆の旅では、特別列車も見れて良かった。こんなに乗り物好きだったかな?それともカナダでは見ないような楽しさだったからかな?


