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走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

前向きに考える

2015年01月30日 | 仕事
ハームリダクションのリードと会議。いやいや、とても勉強になりました。なにせ日本で看護の教育を受けた私にとって薬物依存の教育は皆無。病院に運ばれてくるOD(オーバードース= 薬の量が危険度まで上がり命が危うくなる状態)の患者さんは何度も看てきた。今の仕事を始めてから薬物依存と共存している患者さんを診ている。しかしどうやって注射、吸入しているのか、どんな器具が必要なのかなど知らなかった。ハームリダクションのためのパンフレット、器具を使ってのデモンストレーションなど、大変興味深い。

薬物を取り込む方法を知れば、どんな危険なことが体に起こるかがわかる。医療者として、安全な器具を提供して蜂窩織炎、敗血症、口内感染などの感染症を防ぐ。ガラス管が割れて顔を怪我したり、毒性のある器具を使うことを防ぐ。そして何よりODによる死を防ぐ。

OD防止を目的にノルカン(麻薬などの拮抗剤)の処方が広がっている。勿論注射薬で服の上からでもブスッとさせるようになっている。我が町は協力してくれる医師がおらず私が第一人者となるそうだ。すぐには始まらない。私自身の登録から始まり実用的にするためにはコミュニティーパートナーの協力が不可欠。そういう調整も含めて数ヶ月先になりそうだ。

薬物だけではない。覚醒系の薬を使うと性欲が上がるのでコンドームを持ち合わせることを勧める。女性用のコンドームの使い方も教わった。男性用コンドームについても色々教わった。どうしたら使用を促せ性病を防げるかが焦点だ。奥が深い。

ハームリダクションを真に理解できた有意義な午後だった。

以前に書いた関連ブログはこちら



これがノルカンキット

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