走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

正式な苦情

2015年09月29日 | 仕事
久しぶりに聞いた言葉。

オフィシャル コンプレイン

前回の初診の時も大変だったブライアン。その後もよくあるパターンで1ヶ月以上出した検査へも行かなかった。それが突然現れる。検査は済ませていたので、そこは良しとしよう。

で、前回と同じく聞いた質問には答えてくれず、ベラベラとおしゃべりが続く誰かさん。

尿検査に行くように伝えると切れてしまった。今更どうしてしなければならないのか?

前回の診察の時しなかったから。

言ってくれていれば準備していたのに。

いや、準備されると困るんです。抜き打ちでする事に意味が有りますから。それに前回、正直に話すように言ったのに過去に薬物依存があった事を言わなかったから。

マリワナのことは言っただろ?!

いいえ、それもはっきり否定していましたよ。それに過去の薬物使用はマリワナだけではないですよね。以前の医師からのサマリーによると(もちりん患者本人の同意書を得たので受け取ることができた)、コカイン、オピオイドもですよね。

罰を与えるために尿検査をするんじゃないですよ。結果によって治療方法が変わるから知りたいんです。記録に残さなければならないんです。

全然聞く耳を持たず、お前には関係ないだろう!と怒鳴られました。

鎮痛剤を処方するなら大ありです!!!!

なんども関係ないだろう!と言われそういう態度では治療ができないので退席してください、と伝えて一度、彼は謝ったものの、押し問答は続いた。

もうミエミエだよ。薬物反応が陽性になるからやりたくないんでしょう、と言いたいのを我慢して。尿検査をしますか、しませんか?

何度言ったらわかるんだ。お前には関係ないことなんだよ!!!!

おかえり用のドアを開けて退室を伝えた。大声が隣の部屋で働いていたスタッフにも伝わり駆けつけてきた。彼女も彼に退室を勧めた。渋々出て行った彼は、後で電話をかけてきて、

責任者を出せ!俺は尿検査をする必要はないんだ。あんな医療者は態度を改めなければならないんだ。オフィシャル コンプレインだぞーと。

正式に苦情を言いに電話を掛けてきたそうで。

はいはい気がすむまでどうぞ。私は隠すことも謝ることもありませんから。







仲秋の名月綺麗でしたね。バンクバーでは皆既月食も重なったんですよ。最近のカメラのパワーに感動した夜でした。と言っても肝心なオレンジ色の月は木が邪魔で撮れませんでしたが。

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