走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

審議が進まない理由?

2020年11月09日 | 仕事
日本でオンライン診療を恒久的なものにするかどうか審議がされている。これを外から見ているととても不思議と言うか日本らしさが出ている審議だと思うのだ。

コロナのお陰で世界中で一気に受け入れた診療形態:オンライン。まず疑問に思うのは各国コロナが終息するまでの一時的で行っているのに、何故今からその後を話さないといけないのか?疑問に思う。そして審議されている内容に、、、再診ならば良いが初診の場合はリスクが高いかも、、、と審議は続くらしい。

単純に思う。そんなに細かく決めないといけないの?それぞれの医師はリスクが高いケースとそうでないケースの見分けがつかないの?と疑問が湧く。カナダでは家庭医も専門医もナースプラクティショナーもオンライン診療をしている。以前もあり得る形ではあったが、対面の診療に比べれば劣るのは当然。よって診療報酬報酬も低く設定してあった(コロナ禍でそれでは医師達は食べていけないと暫定的に新しいオンライン診療についての診療内容による診療報酬が即決された)。私たちプラクティショナーは触診、聴診、打診だってする。オンラインではそれができない。しかし以前にも書いたように診断の殆どが問診で出来上がるもので身体所見はその裏付けのようなもの。そう言う意味では診察のほぼ90%は問診で可能、と言っても過言ではない。ならば十分問診ができるオンラインで十分となる。

私はまず初診もオンライン診療をして、対面の必要があると思う人だけを所見その他の対面診療を指示する。つまり私個人の判断で正確な診察をするために必要な判断ができるという事。コロナが始まってからのオンラインと対面診療の割合は7.5 : 2.5 になっている。同じクリニックの医師達にも聞いたが同じくらいだと言う。

私たちの免許は日本のようなあげっぱなし免許ではないので、水準を守るために何をしなければならないか、スタンダードもあるし更新時にしなければならない事がある。誰もがプロとして診療の水準を保つためにしなければならない事を十分理解している。だからいちいち政府が規則を作らなくても個人個人が判断して免許を発行している団体の水準を満たすための事をしている。コロナが解決された後でもきっと同じことが起こると思う。オンライン診療を続けるのかどうかは、患者にとってベストなプラクティスはどちらかでそれぞれがその時、その時に判断すると思う。

日本で審議が続くのは診療報酬の関係だとも十分わかる。しかし内容が、、、あまりに医師を信頼しているように思えない。免許を与えておきながら、その力量を信じられないと言うこと?やはりスタンダードとかレギュレーションがないとこうなるのだろう。免許の発行団体は自治団体。仕事の内容を十分理解してる同業者が行っているのだ。政府に何がわかるのか???診療報酬は行政。プロの団体が私たちはOOですから、XXで十分です、と行政に掛け合うだけで十分なはずなことが、医師会やら行政やらが混ぜこぜで、あーだ、コーダとのらりくらりと審議を繰り返す。誰も責任を取りたくない、誰も誰をも信じない、、、ホント日本らしい。

冒頭写真: スキー2日目。朝は風も強く曇り空。午後からは少し晴れ間が出て、トップオブザワールド標高2500mぐらいから滑りおりました。景色は絶景だったけど斜度と長さで足が超疲れた。シーズン初めで雪の少なさからコンディションが悪いので中級コースが上級コースになっていて尋常ではなかった、、、上手くなりたい!!!


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