こちらの看護学生の実習について書きます。
看護学は4年制大学課程のみで行われます。以前にも書きましたが、実習には大学と契約を結んでいる実習指導員が必ず付き添います。実習指導員は修士の学生さんや、臨床の看護師さんが副業として行なっている場合が殆どです。もちろんそれだけをする人もいます。大学で教鞭をとっている教授や准教授が実習場所へ行くことはありません。
実習先で学生に指導するのはこの実習指導員で臨床の看護師ではありません。実習指導員は学生7〜8人ぐらいにつきっきりで投薬や処置、看護記録の監督指導をしてくれます。臨床の看護師は実習指導員と話すことはあっても学生と直接話すのは稀です。実習経験の度合いで臨床指導員が看護師に学生が何をどこまでするのか適切に教えてくれるので、それによって看護師は自分の計画を立てることが出来ます。看護学生や指導員がいてもその日の看護ケアの最終責任は受け持ち看護師にあるので、明瞭な実習計画の報告はとても役に立ちます。これがカナダの実習状況なので、学生さんがいると聞くと臨床の看護師は大喜びです。1人2人受け持ち患者の殆どのケアをしてもらえるわけですから、臨床看護師の負担はかなり減ります。
例えば月曜から木曜日の実習に来るとします。指導員は日曜日の昼過ぎに病棟へ情報収集に来ます。先週から患者の状態がどう変わったのか、患者が看護学生が受け持っても大丈夫な病状なのかを判断します。わからないことは臨床看護師に直接聞いて来ます。学生に足りていないスキルがあると、そのスキルの可能性がある患者は誰か?など聞くことはありますが、臨床指導員も同じライセンスを持つ臨床看護師だから同士の手間は取らせません。こうして臨床指導員が学生全員の割り当てを決め週の大まかな実習計画を立てます。
学生は受け持ち患者を実習期間に持ち続けるのではなくて経験がまんべんなく出来るように実習指導員が計画した受け持ち患者をローテーションするようになります。
実習指導員の介入の度合いは高学年になるに従い低くなり、最終の実習で始めて学生は臨床看護師とペアになるようになります。しかしその頃には臨床看護師並みに経験も自信もついてかなりの完成度です。
このように学生にも臨床看護師の両サイドに負担にならない実習制度が確立されています。
最近ノーモアブラック看護実習のハッシュタグでハラスメントのような実習現場を暴露している声をSNSで見かけます。私も日本の看護学校を卒業したものですから、同じような状況を経て看護師になりました。カナダへ来た時、この実習状況の違いは目から鱗でした。だから看護学生の叫びの声が出る事は良いことだと思います。
しかし忘れないでください。そう言う態度しか出来ないほど日本の臨床の看護師さんも追い込まれていることを。早出出勤、賃金未払い超過勤務が当たり前で、有給休暇を取る事も許されず、低賃金で働いている中で、臨床実習にも関わらなければならない現状を。
看護師無くして現代の医療は成り立たないのです。それを育てる環境も継続して行く環境も疲弊している日本。そこに根本的な問題があるのです。このままでは超高齢化社会だけが医療崩壊の理由ではなく、絶対的な看護師不足の一文が加わる日が来るかもしれませんよ。
看護学は4年制大学課程のみで行われます。以前にも書きましたが、実習には大学と契約を結んでいる実習指導員が必ず付き添います。実習指導員は修士の学生さんや、臨床の看護師さんが副業として行なっている場合が殆どです。もちろんそれだけをする人もいます。大学で教鞭をとっている教授や准教授が実習場所へ行くことはありません。
実習先で学生に指導するのはこの実習指導員で臨床の看護師ではありません。実習指導員は学生7〜8人ぐらいにつきっきりで投薬や処置、看護記録の監督指導をしてくれます。臨床の看護師は実習指導員と話すことはあっても学生と直接話すのは稀です。実習経験の度合いで臨床指導員が看護師に学生が何をどこまでするのか適切に教えてくれるので、それによって看護師は自分の計画を立てることが出来ます。看護学生や指導員がいてもその日の看護ケアの最終責任は受け持ち看護師にあるので、明瞭な実習計画の報告はとても役に立ちます。これがカナダの実習状況なので、学生さんがいると聞くと臨床の看護師は大喜びです。1人2人受け持ち患者の殆どのケアをしてもらえるわけですから、臨床看護師の負担はかなり減ります。
例えば月曜から木曜日の実習に来るとします。指導員は日曜日の昼過ぎに病棟へ情報収集に来ます。先週から患者の状態がどう変わったのか、患者が看護学生が受け持っても大丈夫な病状なのかを判断します。わからないことは臨床看護師に直接聞いて来ます。学生に足りていないスキルがあると、そのスキルの可能性がある患者は誰か?など聞くことはありますが、臨床指導員も同じライセンスを持つ臨床看護師だから同士の手間は取らせません。こうして臨床指導員が学生全員の割り当てを決め週の大まかな実習計画を立てます。
学生は受け持ち患者を実習期間に持ち続けるのではなくて経験がまんべんなく出来るように実習指導員が計画した受け持ち患者をローテーションするようになります。
実習指導員の介入の度合いは高学年になるに従い低くなり、最終の実習で始めて学生は臨床看護師とペアになるようになります。しかしその頃には臨床看護師並みに経験も自信もついてかなりの完成度です。
このように学生にも臨床看護師の両サイドに負担にならない実習制度が確立されています。
最近ノーモアブラック看護実習のハッシュタグでハラスメントのような実習現場を暴露している声をSNSで見かけます。私も日本の看護学校を卒業したものですから、同じような状況を経て看護師になりました。カナダへ来た時、この実習状況の違いは目から鱗でした。だから看護学生の叫びの声が出る事は良いことだと思います。
しかし忘れないでください。そう言う態度しか出来ないほど日本の臨床の看護師さんも追い込まれていることを。早出出勤、賃金未払い超過勤務が当たり前で、有給休暇を取る事も許されず、低賃金で働いている中で、臨床実習にも関わらなければならない現状を。
看護師無くして現代の医療は成り立たないのです。それを育てる環境も継続して行く環境も疲弊している日本。そこに根本的な問題があるのです。このままでは超高齢化社会だけが医療崩壊の理由ではなく、絶対的な看護師不足の一文が加わる日が来るかもしれませんよ。
